「イヂワル英語ってか!?」には実は続きがある

 さて、夏休みの初め頃、慌ただしく原稿を「英語教育」編集部に送ってから、しばらくの間、10月増刊号「ヴィジュアル英語」の特集のことはきれいサッパリ忘れてしまっていた。はっと思い出したのは、「英語教育」の通常号の9月号に、増刊号の予告が載っていたのを見たときである。ああそうか、9月15日に発売・・・。あれ、もう8月も20日を過ぎているではないかあああ、などと思いながら、予告のラインナップを見るが、私の名前も私の原稿についていた仮題もない。まあ最後についている「その他」扱いだな・・・まあクオリティからいくとそんなもんだろう、と考えると同時に、「やっぱり原稿としては使えなくてボツってか??」という不安がよぎる。まあ、その時は、それも無理はない。原稿全体のまとまりはイマイチだしね。などとつらつら考えているうちに、速達でゲラ刷りが送られてきた。

 実は、私はこのゲラ刷りを見るのが大好きだ。原稿を書いて良かった、と心から思えるのは、このゲラを見せていただくときである。自分の原稿が活字となり、それに編集の方の校正が入っているのを見ると本当にありがたいと思う。このHPで自分の好きなことを書くのとは違う。決められた時数内に適切な言葉で状況を説明したり、自分の考えを述べたりしなくてはならない。その制約が心地よい。ましてや、一流の出版社の編集の方に自分の日本語を添削していただけるなんて機会は、滅多にない。学校関係のPTA新聞などでは、誤字・脱字以外では添削なんてない。この年齢で、自分の日本語の文章力を鍛える機会を得るなんて、本当に私は幸せ者だと思う。今回のこの特集の原稿には多くのイラストが入るにも関わらず、勝手に私が字数の目安を多く考えてしまった。そのため、編集のSさんには必殺のウラ技まで使わせる結果になってしまった。どうもすみません。

 「英語教育」誌には過去何度か書いているが、私の経験からいくと、編集の方の添削が入るのは「特集」の記事だけである。書評や投稿、という形でも原稿を載せていただいているが、それは校正はなく、書いたそのままの原稿が載った。現在千葉商科大学におられる酒井志延先生の講評付きだった「私の授業・私の工夫」の時は、酒井先生が添削してくださった。(お世話になりました。)なので、「特集」の記事を、という依頼があると、とても光栄に思うし、断れない。そして、いつも「これで人生最後だ」と思いながら、パソコンの前で、字数と戦いながら原稿を書くのである。多くの方に読んでいただく可能性がある原稿だということは一応、念頭においている。しかし、実のところ、一番楽しみにしているのは、編集の方に、添削指導をしていただくことだ。

 以前にも同じ事を書いたが、雑誌に自分の書いたものが載る、ということは私にとっては、いわゆる「自己実現」かもしれない。だが、雑誌に書くために授業をしているわけではない、と強調しておきたい。いつも依頼があって、たまたま私が日頃やっている実践について書けるかなあ・・・じゃあ・・・という感じなのだ。お願いですから、誤解されないように。

 と、いうことで、2006年3月に防府高校を卒業した諸君、君たちと一緒に教室でやっていたことが活字になって、また全国誌に載るからね。そう、「オールイングリッシュで授業を!?」に引き続き、ってことです。特に黒板に出て、髭もじゃの a young fellow を描いてくれたSくん、あのとき使ったプリントの絵が載るから、ぜひ雑誌で見て、高校時代の英語の授業を思い出してね!!できれば、立ち読みではなくて買ってください(笑)「英語教育」10月増刊号の発売日は9月15日だそうです。ヨロシク。

 それから、最後にもう一言。キミたちは、ますます私にとって忘れがたい生徒達となったわけです。さまざまな貴重な実践をさせてもらった上に、それをまとめ整理する機会を、雑誌の記事という形で一度ならず二度も与えてもらった、ということで。本当にありがとう。

(2006年 9月)