(C)Two-Way/トスランド/小学校/総合的な学習/車いす/体験学習/介助/第4学年〜第6学年/


車椅子介助の体験学習
 

     1998,6,10実践
    

                                  広島県福山市立水呑小学校  教諭  粟村啓史

 

 本年度3回目の参観日。第6学年3クラスの学年T・Tでの取り組みである。

 まず、「ジュニア・ボランティア教育テキスト集(教室ツーウェイ,96年12月号臨刊No.149)」並びに「平成7年度ジュニアボランティア教育実践報告集深川の会(江東区ボランティア教育研究会編)」より必要箇所を抜粋し、車椅子介助の学習テキストを作った。
 この日は午後13時55分から参観授業(5校時)であったが、午前中の3校時に学習テキストを使って、車椅子を必要とする方たちについての理解と車椅子介助の仕方についての事前学習を行った。5校時の参観授業では児童全員(95名)に体験学習をさせたく、5校時の時間内だけではテキスト学習と車椅子体験の両方をこなすのは無理だと判断したためである。
 3校時、第6学年児童95名を体育館に集め、事前学習の授業を行った。体育館には、前日に社会福祉協議会から14台、学区内の老人福祉施設から5台の車椅子をお借りし設置していた。授業開始後、子ども達には車椅子の体験学習をする旨を伝えた。ます3台の車椅子を並べ、児童3名をそれらの後ろに立たせた。そして次のように発問した。

(発問1) 車椅子を自動車で運ぶとします。これから15秒でこれらの車椅子を自動車で      運べるように小さくたたんでご覧なさい。はじめ。
 


 3名の子は右往左往するが、結局何もできずに15秒は終わってしまった。続いて別の3名の子にも挑戦させたが、結果は同じことだった。そこで車椅子のたたみ方を実演して見せ、次のように説明した。



(説明1) このように、やり方を知っていれば2秒でできることでも、やり方を知らなかっ      たら15秒あってもできないのです。今日は、車椅子に乗ってらっしゃる方たちを     お手伝いする時の正しい方法を学習します。幾ら優しい気持ちがあっても、幾     らお手伝いをしようと思っていても、やり方が分からなかったら正しくお役に立     つことはできないのです。正しいお手伝いの方法を学習して、実際にお手伝い     ができる自分達になりましょう。
 


 その後、学習テキストを利用しながら学習を進め、「坂道」「溝越え」「段差」「障害物のある細い道」「砂利道」での介助の仕方について説明を加えながら実演して見せた。ポイントは、動作の度に声をかけ車椅子に乗ってらっしゃる方に不安感を抱かせないように、安心していただけるように、ということである。
 その後20分ほど子ども達には車椅子を使って自由に活動させた。子ども達は、思い思いに車椅子に乗ったり、介助の仕方を練習したりしていた。10分少々時間を延長してこの時間の事前学習を終えた。
 参観授業の時間帯には学区内の老人福祉施設から理学療法士の方々が指導に来て下さり(6名)、介護の体験談や介助の仕方についての説明をして下さった。事前学習の甲斐もあり、その後30分ほどで95名全員が車椅子体験と車椅子介助の体験学習をすることができた。子ども達にとっては初めての体験であったが、興味を持ちながら、楽しみながら、しかしペアの相手のことも気遣いながら、充実した時間を共有することができた。

 

体育館での場の設定
 
 
 
     D
              E               ゴール
            

 



 
 

マット
 

 砂利道
 


 

 溝越え
 

 縄跳び板
 

 踏切板
 
 
スタート
 

 
        C     A       @
                  B
 
 
 1コースは、上記のように設定した。内容は次の通りである。
  @は、跳び箱の踏切板を使い、上りの「坂道」を設定した。
  Aは、縄跳び板を使い、下りの「段差」を設定した。
  Bは、色が用紙で幅を作り、「溝越え」を設定した。
  Cは、マットを2枚並べ、「砂利道」を設定した。
   (@〜Cは、介助体験コースである。)
  Dは、コーンを並べ、ジグザグ走行の場を設定した。
  Eは、途中に障害物に見立てたコーンをおき網状のついたてで細い道を設定した。
   (DEは、介助なしで自力で走行するコースである。但しEでは、障害物は介助者が退けることとした。)
 
 上記のようなコースを3クラス分(3コース)設定した。
 尚、子ども達は、@→A→B→C→D→Eとコースを進む。

                                                 

TOSSランドへ                             メールはこちらから 
               
                         (C)TOSS Awamura Hirofumi All right reserved.