TOSSランド/教師修行・実践交流/生活指導/        福山市立水呑小学校   粟村啓史
 

 7.さよならをした後
 
 
 私は日頃,


  ア) 人のために役に立つことをしよう。
  イ) 気付いたことをたくさんしよう。
 

と言っています。しかし,そう言ってるだけじゃあなかなか展開されないものです。やはりそれらを実行するにふさわしい「場」と「時間」と「タイミング」を設定してやることが必要なのだなと思います。そこで私は,「さよならをした後」にその「時間」と「タイミング」と,そして「場」を設けることにしました。


 さよならをした後,3つ「いいこと」をして帰ります。人のためになること,自分が気がついたこと,役立つことなど,どんなことでもいいですから,「いいこと」を3つして帰りましょう。
 「さよならをして教室を出る前」に一つ。「教室を出てクツを履くまで」に一つ。「クツを履いて校門を出るまで」に一つ。合わせて3つです。
 

というふうに約束をしておくのです。これは毎日続けることとしておきます。
 さよならをした後,子ども達は,教室の中で「何か一つ」を行おうとします。机の整頓,ぞうきんの整頓,ゴミを拾う,本の整頓・・・等々。3秒で終える子もいれば,3分ほどじっくりやっている子もいます。でもそれはそれで,いろいろあっていいのだと思いました。中には10分以上時間をかけて,それをずっと続けている子もいました。或る二人の女の子は,二人で協力して,帰る前に黒板掃除をしていました。しかも,やるたびに掃除の仕方が本格的になってくるのでした。その子たちは結局1年間,帰る前の黒板掃除をずーっと毎日続けました。
 そしてもう一つ,確認され認められる「場」と「時間」と「タイミング」も,同じように必要なのだなと思います。先ほどの二人の女の子のおかげで,毎朝黒板がきれいです。朝,教室に来て,朝の挨拶を終えた後,


 今日も黒板がきれいだねー。誰がやってくれたの? そう,ありがとうね。みんなのために役に立つことをしてくれたんだね。とっても素晴らしいね。  じゃあ,昨日,帰る前に3つ「いいこと」をして帰った人!?
 

と言って,挙手をもって確かめます。時々,2〜3人に,「どんなことをしましたか?」と訊いたりします。「みんなとっても素晴らしいねー。」と言って,誉めることによって,『確認され認められる「場」と「時間」と「タイミング」』を保障するように努めます。
 「人のために役に立つことをしよう。」「気付いたことをたくさんしよう。」が,帰る前だけのことではなく,日々の日常生活の上での行動化につながればいいなと思います。
 
                                     
                                                

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