2001.4.2
福山市立水呑小学校 教諭 粟村啓史
1.対象教科 … 算数
2.対象学年 … 第3学年3クラス,第4学年3クラス
(1)対象時間
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対象学年 |
1学期(12週) |
2学期(14週) |
3学期(9週) |
合計時数 |
第3学年
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2時間×3クラス
(6H×12週) |
2時間×3クラス
(6H×14週) |
4時間×3
クラス(12H×9週) |
264時間[72+84+108] |
第4学年
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5時間×3クラス
(15H×12週) |
5時間×3クラス
(15H×14週) |
2時間×3クラス
(6H×9週) |
444時間[180+210+54] |
合計時数
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252時間(21H×12週)
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294時間(21H×14週)
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162時間(18H×9週)
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708時間[252+294+162]
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(2)各クラスを2つのグループ(例えばA,B)に分ける。
(3)グループ分けは,機械的に行ってもかまわないし,習熟度別などの配慮に基づいて行ってもよい。また,「じっく
りコース」「てきぱきコース」などの名称を設け,授業内容の進め方などに関する本人の希望に基づいた分け方
をしてもよい。最終的には担任が決定することとする。
(4)グループ分けのタイミングについて,以下のように考えることもできる。
ア)導入の段階・・・TT形式の一斉指導(少人数指導でもよい)
イ)展開の段階・・・少人数指導
ウ)まとめ段階・・・TT形式の一斉指導(少人数指導でもよい)
エ)習熟の段階・・・少人数指導(子どもへのアンケートの後グループ分け)
オ)復習の段階・・・少人数指導(学期末,学年末など,テストや子どもへのアンケートの後グループ分け)
(5)グループ分けは,終始固定化させることはしない。単元により,或いは学期により,その他その都度考えられる
配慮に基づき,必要に応じて再編成される可能性を常に持つものとする。
(6)通常,原則として,担任がAグループの授業を担当し,少人数指導加配がBグループの授業を担当する,という
体制で行う。
(7)上記(5)の体制は,同一の小単元内においては貫かれることを原則とする。即ち,それぞれの授業者は,通常,
同一の小単元内においては担当グループを途中で変えないようにし,その小単元が終わるまでは同じグループ
を指導し続けることを原則とする。
(8)一小単元が終了し,次の小単元に入ったら,それぞれの授業者は担当グループを交替してもよい。即ち,今度
は,担任がBグループの授業を担当し,少人数指導加配がAグループの授業を担当するのである。交替するか
しないかは,その都度,指導者間の協議により決めることとする。
(9)上記(5)(6)(7)のことより,指導者が担当グループを交替する場合,A,Bのグループは,原則として,小単元二つ
分は同一の構成メンバーとする。
(10)少人数指導とは,本来,基礎基本の確実な定着を図ることを第一の目的とした取り組みである。クラスを二つ
に分けることがクラス内の不調和をもたらすことの無いよう,児童には,少人数指導の「意図」と「価値」をよくよ
く語って聴かせ,十分理解させておくことが大切である。
(11)クラス内の全ての子が,万遍なく,担任の授業指導と少人数指導加配の授業指導の両方を受けることができ
るよう,グループ分けに際しては,定期的に配慮をする方が望ましいと思われる。
(1)原則として,教科書を中心とした授業展開をすることとする。但し,必要があれば,適切なプリント類を使用する
展開もあり得る。
(2)授業進度や学習内容に関して,また学習時の基本的な学習規律に関して,授業者間に大きな違いが生じない
よう,絶えず情報交換と交流を行い,基本的には同じ流れとなるよう留意することが大切である。
(3)算数科の学習においては,学習者がたどるであろう「学習の種類」というものが考えられる。私案ではあるが,
通常,次の4つの学習である。
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@数学的概念が形成される学習
(数学的概念を形成していく)
A数学的知識が獲得される学習
(数学的知識を獲得していく)
B学習内容の知識・技能が定着していく学習
(学習内容の知識・技能を定着させる)
C思考力が高まっていく学習
(思考力を鍛えていく)
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(4)上記@〜Cの,それぞれの上段は,客観的視座からのイメージである。どちらかといえば,児童の達成過程・成
長過程に焦点を当てた表現である。そして,それぞれの下段は,それぞれの段階における学習者と指導者両者
の意識的努力の方向性を表している。
(5)それぞれの段階においては,それぞれの段階にふさわしい授業内容や授業方法があるはずである。まず指導
者はそのように認識し,具体的に教材研究や研修を深めていくことが大切である。
(6)「数学的概念の形成」を主とする段階では,数多くの「具体物」「具体事例」に触れさせてやることが大切である。
繰り返し触れさせることにより,概念は形成されていく。
(7)「数学的知識の獲得」を主とする段階では,「数学的知識」が確実に獲得されるよう,教材内容を「教えるべきと
ころ」「考えさせるべきところ」「ドリルにより理解させるところ」というふうに分析しておくことが大切である。「教え
ることによって獲得させる場合」「考えさせることによって獲得させる場合」「同じ事を繰り返すことによって獲得さ
せる場合」があるからである。
(8)「知識・技能の定着」を主とする段階では,練習問題などを扱っての反復練習を中心とするのだが,これはのん
べんだらりとやったのでは意味がない。ある程度,時間を意識させてやらせるなどの取り組みの工夫が必要で
ある。また,できるだけ児童各自に黒板に板書させるなどの「児童の動き」を授業の場に多く取り入れることが大
切である。
(9)一応,ここまでの段階を「基礎・基本の定着」を目指した指導ととらえる。
(10)「思考力の鍛錬」を主とする段階とは,それまでに培ってきた「基礎的・基本的な内容の定着」に基づく基礎学
力を駆使して,応用問題などの問題解決をしていく段階である。これは,普段の授業の中にそうしょっちゅうあ
るものではないし,また普段の授業の中にそうしょっちゅう組み込むべきことでもない。(11)基礎基本の確実な
定着を図り,子ども達の基礎学力を高めていくためには,子どもの思考の流れに逆らうような授業の流し方に
ならないように気を付けるべきである。子ども達の思考をあえて混乱させる必要はない。子ども達の思考の流
れに沿った,分かりやすい自然な流れを模索していくべきである。
(12)基礎基本の確実な定着を図り,子ども達の基礎学力を高めていくためには,日頃の授業におけるノート指導
も非常に大切なことである。
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・丁寧に大きめの字を書く。
・日付やページ・問題番号をキチンと書く。
・キツキツにつめて書かない。ゆったりとしたノートにする。
・線は,必ずものさしを使ってひく。
・なるべく消しゴムを使わない。間違いを残す。
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5.その他
(1)各クラス,Aグループの授業はクラスの教室を使い,Bグループの授業は別の
| 教室を使う。 |
どちらも会議室
を使う。
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・3年生
・4年生 |
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(2)具体的実践を重ねる中で、この案に対し修正を必要とするような状態が生じた場合、その時の状況に応じて、
直ちに最良の策を講じるよう努力するものとする。
※尚、以上は、年度初めに、「学級解体型少人数指導」に関して、私が提案したものです。しかし4年生では、2学
期以降、「学年解体型少人数指導」で行います。
