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2001年上半期グランドトーナメントを終えて
「メタゲームは死んだ」
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2001年上半期グランドトーナメント(以下GT)を終えてまず感じた事は、ガンダムウォー(以下GW)
にはメタゲームの比重は大きくない。と言うことだ。
今回、我々がメタの中心としたのはハンマーシュート、俗に言う赤茶だ。ただ、このデッキの検証が(我々
の中に利用者が1人たりとて居なかった為)少なかったのは否めない。しかし、その漠然としたデッキ知識で
も(多く見積もって)予選参加者の半分はハンマーシュートで有ろうと言う目算は、今までの予選を考えると
ウソではないと言う結論に至ったのだ。実際、ハンマーシュートは1発コンボでは有るが、対応力が環境に即
している事から有力なメタのターゲットであった事は今考えても間違えではないと思っている。
しかし、現状は違った。確かにハンマーシュートは存在はした、しかし会場の3分の1も居なかったのでは
無かろうか。裏メタとして、バビ混、赤単バビロン、ジオンウィニーを考えていたのだが、(私の感覚では)
ジオンウィニーの方が多かったように思う。これはGT予選の鉄則である「勝つなら2−0、負けても1−2」
を実現するデッキであるから、ジオンウィニーが多いのは当たり前だであろう。しかし、「ウィニー相手でも
土俵際でコンボが決まる。コントロールデッキに強い」と、見ていたハンマーシュートが少ないのは、実は上
記の鉄則に反するからか?我々のメタゲームは失敗したのか?
たぶん、現状は違うのだろう。まず、GTは東京で開催される。GT予選の参加者は東京近辺の者がほとん
どだ。彼らにとってGTとはバンダイがおこなう大きな大会としか認識されていないのだろう。彼らは大きな
大会に出れるだけで嬉しいのだ。我々のようにワザワザ遠隔地から高い金をかけ、夜行での移動によって体力
を消耗するなど信じれない事だろう。実際、今回東京で我々の面子の一人がこのような会話を聞いている。
「ワザワザ金をかけて東京まできて、宿まで取るなんて信じられない。」
彼らは、バンダイの大会に好きなデッキを持ってきて、「勝てたら良いな」のレベルなのだろう。我々のよ
うに情報を集め、メタを考え、体調を整え、仕事の都合をつける、など一ヶ月以前から準備している我々など、
彼らにとっては愚の骨頂かもしれない。
我々は別に優勝だけが目的ではない。ただ、バンダイの認定する「GW日本一を決める、GWの最高峰」で
勝負したいのだ。そこで新たな発見や、強いプレイヤーとの勝負をしたい。しかし、実際には我々の考えてい
るようなGTは存在していないのだ。自分の「好きなだけのデッキ」で出る人間と、「勝ちに行くデッキ」を
「選択している」我々のようなプレイヤーとどちらの比重が大きいのか。そこにはメタゲームは存在するのか。
私たちの認識不足だったのか。
「メタゲームは死んだ」これが今回の収穫だろう。前回でも一応話しにあがってはいたのだ。「GWにメタ
ゲームは存在しないのではないか?」と言う懸念だ。前回はGWが全国規模になり始めの大会といってよいだ
ろう。しかし、それといって強力なデッキタイプが存在しなかった為、「メタゲームが成立しなかった」のだ
と前回はそういう結論に至った。それに対して今回はハンマーシュート、バビ混と強力なデッキが出てきた。
「時代は赤い。そしてバビロン。」と明確な状況がそこには有ったのだ。
しかし彼らには関係ないのだ、世の中にバビロンがはびころうと、世の中が赤に染まろうと。
「だって、楽しいデッキ持って行くのが一番楽しいもん。」
そう、そうなのだろう。この認識がGWでの正解なのだろう。何故か。
ガンダムウォーのゲームシステムと大会運営方法による所が大きいだろう。
まず、ガンダムウォーはデッキ=ライフという考え方から、場合によっては100パーセント勝てない可能性
が存在する。相手によってダメージを受けることにより、ジェネレーションがそれ以降まったくこなくて勝てな
いなどだ。つまり相手より先に自分のデッキが先にダメージを与えれば良い訳だ。対戦相手がG事故でどうにも
身動きできないところにダメージを与え、相手のGを見えないところに落としてしまえばよいのだ。
そう、どんなデッキでも予想されうる最高の動きができればこれが実現できる。
また、GTと公式大会は常に5回戦で行われる。何人で有っても5回戦と規定されている。つまり32人を超
えた時点で全勝が2人以上発生する。つまり、上位10人が予選抜けというGTの場合、全勝しなければ予選抜
けは確定ではなく、4勝1敗では予選抜けも危ういのだ。
つまりGTの予選を抜けるに当たっては、どのようなデッキでも良いのだ。たった8回連続で馬鹿まわりさえ
すれば予選抜けは確定だ。いつも使ってる、「楽しいデッキ」でも別に問題は無いのだ。
確かにGTの開催理念から考えれば正しいが、我々プレイヤーから見れば不条理でしかない。しかし、これが
現実なのだ。それを逆手に取るぐらいの考えで居なければ我々の勝利は得られない。
そう、今回のGTは我々にGTの真実をはっきりと教えてくれたすばらしい大会であったと言って良いだろう。
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