これを実際に直したのはかれこれ2年半前になりますが、画像が残っていたので掲載しようと思います。
※「修理」じゃなくて「再利用」なのは、若干機能が変わってしまったので...
PCMCIAのLANカードをもらいました。
接触が悪く、押さえていないと繋がらないらしい代物です。
かなり古い代物です。FMV−J181というLANカードで、同じ物で型番の違うものがFM-R (もう誰も知らないよね?)にも提供されていました。 |
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よくよく見てみると、コネクタの受け口が取れてしまっていて、接点が剥き出しになっています。 下がケーブルのコネクタ側で、これでは宙ぶらりんになってしまい、接触できないのがわかります。 |
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これは付属のケーブルです。これから配線を調べます。 ケーブルは割と長く(1.5M程度)、不思議なことに、LANのコネクタがなぜかオス側が ついています。他の周辺機器メーカのLANカードだとこの部分が短く、メス側がついており、 よく「ブタの尻尾」と呼ばれていたりします。 たしかに、このケーブルなら直接ハブにつなぐならいいのですが、 長さが足らなかったりすると延長するしかなく、また、最近の企業では机の上にLANケーブルを すでに引っ張ってある場合も多く、この場合は邪魔になってしまいます。 |
原因は明らかにコネクタです。
PCMCIAのインタフェースカード(LANやモデム)って、この部分が一番破損しやすいと思います。
最近では多くのメーカがケーブルを外付けにしない、カード一体型が多いですが、これもやはり破損しやすいからでしょう。
ケーブル側の破損でしたら、一部のメーカは交換用ケーブルを発売してたりしますが、今回はカード側の破損です。
修理方法としては一番簡単な「ケーブル直結」としましよう。
コネクタは専用品らしく入手は無理っぽいし、これは自宅や仕事先の机の上用とすれば、ケーブルが外れないことで支障はありません。
また、上でも書いていますが、仕事先の机の上にはすでにLANケーブルが引っ張ってあるため、どうせならカードの先にはLANのメス側が
ほしいところですので、ケーブルも自作することにしました。
単体のLANのメス側コネクタです。これにケーブルをつないでカードまで配線する こととします。 |
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ケーブルを調べて配線を確認します。 上がカード側コネクタ、下がLANのコネクタです。 絵が汚くてすいません。 |
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先にケーブルを作ります。 ケーブルは適当にあったフラットケーブルを裂いたものです。 これを手で撚り合わせたものを2組作ります。 これがほんとのツイストペアケーブルです(日本語では撚り対線といいます) そのまんまですね。(^^; 下は拡大したものです。 ほんとに撚り合わせただけです。 |
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「あれ?LANのケーブル(10/100Base-T)って8芯じゃないの?」と思われるかも知れません が、左のように実は4本は未使用なので、4本でも十分に動作します。(しています) (この資料の出元は覚えていません。どっかのHPにあったのかも) |
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白飛びがひどくてすいません。 先ほどのLANのメス側に、ケーブルを半田付けします。 ショート防止のために熱収縮チューブをかぶせ、半田こてorライターなどで熱を加えて 縮ませます。このままでは使っているうちにもげてしまいそうなので、ホットボンドで補強 します。 |
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これでケーブルの完成です。 ケーブル自体はもっと短くても良かったかも知れません。 ところどころを熱収縮チューブで固定して、ばらばらにならないようにします。 |
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次にカードをばらします。 ばらし方はPCMCIAカードによりけりなので、個別に対応が必要です。 このカードは裏面に薄いアルミ板が両面テープで貼り付けてあるだけのようなので マイナスドライバでこじってはがします。 両面テープで貼ってある先は基板そのものですので、ここで力を入れすぎてパターン を切ってしまわないように注意が必要です。 (私も別のカードでやってしまい、ジャンパーを飛ばして直したことがあります) |
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このように、べっとりと貼りついています。この辺まではがれれば、後は手でばりばりと はがせます。 全部はがしたのが下の写真です。 このままではまだコネクタの接続部分が見えませんので、次は表側をはがします。 |
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表側ははめてあるだけですので、PCMCIA側の方から注意してはずせば簡単に取れます。 |
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このように分離できました。 写真では良く見えませんが、流石自社製です。富士通製LSIが多数つかってあります。 |
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使い物にならなくなったカード側コネクタを取り外します。 端子の数も少ないので、半田吸い取り線を使って注意して作業すれば比較的 簡単に外れます。 |
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先ほど作っておいた自作ケーブルを「直接」半田付けしてしまいます。 つなぐ先はあらかじめ調べておいた接続図で確認しながら行います。 といっても、4本だけですけど。 |
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半田付けが終わったら、カードを元に復元します。 カードも表側をはめ込みます。 |
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ケーブルの固定が半田だけでは不安ですので、ホットボンドで固定します。 しかし、ほんと便利です。>ホットボンド(某雑誌では「ねちょ固定」といいます) |
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問題は裏面です。先ほど「ばりばり」とはがしてしまったアルミ板は曲がってしまい、 うまく貼りつけられません。 仕方ないので、手元にあったクラフトテープ(いわゆる紙のガムテープ)の幅がぴったり だったのでそのまま「ぺたっ」と貼りつけてしまいました。 表面はつるつるしているのでパソコンにカードを挿しこむときにも問題はありません。 しいていえば、シールド効果は全く望めないので、もしかしたら誤動作or電磁波ノイズを 撒き散らすかも知れません。 |
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完成しました!! これでまたLANカードとして使えるようになりました。 |
完成してから2年ほど使っていますが、特に問題なく動作しています。
この手のLANカードて、同様の故障が多いようなので、原因が特定できれば比較的簡単にまた「使えるように」できます。
(本来の機能と変わってしまうので、あえて「修理」とは言いませんが)
しかし、このLANカード、ハード以外に大きな問題が生じました。
実はWindows2000以降でドライバが供給されなくなってしまいました。
NT4.0まではなんとOSに標準でついているんですけど...
仕方がないので、このカード使うときはノートパソコン(LOOXです)をWin98SEで起動してから使っています。
古いハードウェアって、Windows2000以降サポートしないものが多いんですね。
ちょっと残念です。(もうひとつNDC-5120というPCMCIAのLANカードを持っているんですが
これも同じくWindows2000以降ドライバが供給されていません。
でも、なぜかメルコのLPC-TというLANカード、Win3.1の時に買ったのですが、XPでも使えます。)
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