マウスの修理(マイクロソフトマウス編)

前回のサウンドカードといっしょに、マウスを預かりました。
症状は、「ローラを手前に回す時は問題ないが、向こうに回すと引っかかってまわしにくい」との事です。
たしかに向こう(上方向)にまわそうとすると、うまく回りません。

マイクロソフト「元祖」インテリマウスです。パチ物マウスとは気品が違います。
早速、分解してみました。アースが一面に張り巡らされた両面基盤に、コントロール
は汎用ではなく一品物のPICを使ってあります。ローラの支えの部分も凝ったつくり
になっています。
(ローラを押したときに台座の部品にあたることでローラの回転を抑止し、押したつもりが
ローラが回転してしまうのを防ぐようになっているようです)
ローラに取り付けられていたロータリーエンコーダを分解してみました。最近のスクロール
マウスでは光学式が多いのですが、これは機械式です。ばらしついでにグリスアップと接点
復活剤を塗布しておきました。
で、症状の調査ですが、こうやってフタをとった状態でまわすと比較的よく動くのですが、
やはり上側にまわすと引っかかりがあるようです。
引っかかるのなら削ってしまえ!!ということで、ローラに力をかけると接触すると思われる
プラスチック部品(台座)を削ることにしました。ローラを押さなくてもまわすだけでどこかが
ぶつかっているのでしょう。
こうやって、耐水ペーパの240番あたりでごりごり・・・と削ります。
指が入りにくいので、綿棒やドライバーの先やらに耐水ペーパを巻いて削りました。
ゴムのローラもなんだかでこぼこしているようです。これも削って見ます。
こうやって、また耐水ペーパでごりごり・・・
といっても、相手はゴムですので、まるで消しゴムのように削れます。
削りすぎに注意が必要です。
あと、マウスの上ブタのローラが出る部分ですが、なんかここも擦っている様子があります。
ボタン部分を取り外し、これまたごりごり・・・
一応、どんな感じか組み立ててみました。

かなり、回りやすくなりました。しかし、まだ上側に回転させると引っかかる部分があります。
どこかが擦っているはずなのですが、どうしても場所が特定できません。
このまま削っていると、どんどんいびつな形になってしまいそうです。
しばし、方法を考えることとしました。

数日後、ふと思ったのが、
擦れているんだから、なにか色がつけば、どこが擦れているかわかるよな〜」ということです。
手近なところを見てみると、「おお!」コンタクトZ(PAT.PEND)がありました。

まず、台座のプラスチック部品にコンタクトZを塗布します。
どこが擦っているかよくわかるように、まんべんなく塗ります。
ゴムローラを取り付けて、引っかかりがある方向に回転させます。
すると、台座に擦った部分には炭素がついて黒くなります。
つまり、この部分が出っ張っていることになります。
黒くなった部分を耐水ペーパで研磨します。
ひととおり削ったら、また台座に戻して(コンタクトZも塗りなおして)
引っかかりがないか、黒くなる部分がないか確認します。
何度か繰り返して、引っかかりがなくなるまで行います。
元通り組み立てます。

やっとローラがスムースに回転するようになりました。
でも、なんでローラがいびつな形になったんでしょう?
よく、ローラの回転が良くないマウスを見かけますが、全体的に回転しにくいものがほとんどです。
今回のように、部分的に引っかかるのははじめてです。

とりあえず、これで使ってみていただくことにしました。

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