深き虚空からの伝承
第四章の1
世は時に 不条理で
思いもよらぬ事もある
璧に出来し瑕疵(きず)でさえ
主(あるじ)好めば 紋様に
光放つその紋様
璧に合わずに 強すぎて
其を見るものを幻惑するも
主(あるじ)好めば 灯明に
なるほどそれは灯明か
暗き心を 明るく照らし
励まし 力揺さぶるも
時を見ざれば 昼行灯
好め 好めよ 衆人よ
璧を見たくば 瑕疵(きず)も見よ
瑕疵(きず)も匠は 璧へと高める
それを知らず 悔いぬように
彼女の名は「ジュリア」。
不得手な道を歩む、童心のままの少女。
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