町内外の教職員が中心となりながら、小中高校生をはじめ地域の住民が参加した調査団には、大人169名、中学生以下86名のボランティアスタッフ登録がありました。調査活動は町内15ヶ所で行い(ただし、カブトガニ産卵調査は江田島湾内で行ったため、町外の海岸も調査しました)、調査回数も30回を越えました。県の希少種に指定されているハクセンシオマネキやスナガニがすむこの町での調査では、オノミチキサンゴ、ウスユキミノガイやタマノミドリガイなどの発見に加えて、カブトガニの産卵(2000年7月31日)を確認することが出来るなど、豊かな大柿の海を実感すると同時に、マスコミにも取り上げられ話題となりました。調査会で採集した生物は標本資料として保管し、約650種、4500点を越える標本数となりました。
平成13年3月には中間報告として、海辺の生物写真集「Marine Life」と生物写真・月の満ち欠け・干潮の時刻と潮位を載せたカレンダーを作成しました。さらに、平成14年3月には町制45周年記念誌として、2年間の調査結果を図鑑としてまとめた調査報告書「大柿町の海辺の生き物」、及び、活動の記録であるニュースレターなどをまとめた歩み編「大柿町海辺の生き物調査団 その歩みとドラマ」を刊行しました。
このような活動の中で、町内の各小中学校にはそれぞれ水槽が設置されるようになり、身近な自然を題材とした「総合的な学習の時間」などが展開されるようになりました。また、児童生徒だけでなく地域の人たちにとっても、以前に比べて海が身近なものとして感じられるようになりました。調査団の活動を通じて、町民自らが、地元の自然をとらへ、理解し、守り、活用し、地域・学校・行政が連携した環境教育となりました。 |