2000年の全国会員大会の意義はすでに誘致立候補総会決議がされてから、多くの先輩諸氏、現役メンバーによって語り尽くされているところです。が、あえて語るとするなら、次のような意義をもっているでしょう。
20世紀中のJCの活動を総括し、来るべき21世紀にJCはいかにあるべきかという根本的な課題に方向を与えることです。この観点から「21世紀への試金石となる大会」と名付けてもよいでしょう。
大言壮語をするわけではありませんが、今世紀を導いた思想は、そのほとんどが19世紀末までに生まれ、20世紀はそれらが展開された時代でした。いま、この19世紀的思想の終焉が訪れており、その矛盾の表現として価値観の混乱があるのです。2000年の全国会員大会を機会としてこのことを確認し、青年経済人である我々が、主体的に新しい価値観の創造に関わることが求められていることを自覚しなければなりません。「主体的」であるということは「自主的」とは趣を異にします。「主体的」とは、他者の責任によってもたらされた矛盾であっても自らが引き受け、その克服のために行動するということです。具体的にいえば、冒頭述べたこの国の危機は、多くの場合日本の行政機構と経済界のあり方をつくってきたものに原因があるといわれています。特にこのシステムが確立された後に生まれた私たちには直接の責任はないといえるでしょう。しかし、主体的に新しい価値観の創造に関わるのであれば、これまでの歴史そのものの責任を積極的に引き受け自らの課題として新しいシステムと価値観の創造に向けて行動することです。
いま、沸々と世の中に対する不満がくすぶっています。端的にいえばこの政治不信の背景には、無節操な政党の離合集散に加えて、モノの豊かさに比べて心の豊かさが貧弱な社会のあり方にも要因があると感じます。これはいま私たちの暮らすこの福山においても同じことがいえると思います。これらに対しても私たち福山のJCは主体的であらねば、と思うのです。
「21世紀への試金石となる大会」は、こういった議論が中心の大会として位置づけ、私たち福山JCはこれが実現されるように大会のソフト面ハード面の整備を具体化する必要があります。これらはこの一年が勝負だと考えます。まず、快適な環境での大会運営のために「おもてなしの心」を基調として、全会員が参加できる無理のない計画でそれぞれの任務と責任を明確にし、 1999年度は強固な骨格をつくり2000年度は総仕上、という段階にまでに築いておく必要があります。
故にに全メンバーの燃えるような情熱をこの歴史的大会の成功のために傾けたいのです。