がんの放射線治療
がんなどの病気を治すために「放射線」を使います。
我が国の成人病の中で、死亡率のもっとも高いのが“がん”であります。国の積極的な取り組みと責務を定めた「がん対策基本法」が本年6月16日、参院本会議で可決、成立しました。がんは健全な細胞が何らかの原因で異常な細胞に変わり、それが急激に増えていくものです。がん細胞のような増殖の盛んな細胞ほど放射線の影響を大きく受けます。そこでがんの発生部位に放射線を照射すると、がん細胞は死滅します。周囲の正常な細胞に影響を与えないように線量の加減、照射の仕方を工夫する事により、がんを放射線で治療する事が出来ます。放射線は高エネルギーX線発生装置を使います。太陽の光と同じエネルギーの一種で、がんを手術せずに治します。がんの治療において、きわめて重要な地位をしめています。
高エネルギーX線発生装置
放射線治療の特徴
放射線は、目に見えず、体にあたっても何も感じませんが、体の表面や奥に出来たがんを治すことができます。手術の方法を選べば大きな傷跡が残り、身体の外観や機能が損なわれたりするような場合もあります。しかし放射線治療であれば障害を最小限におさえて、生活の質を落とさないように機能を温存して治療をすることも可能です。
放射線治療の治療計画はCTなどの画像データを使ってコンピュータで精密に行ないます。体の内部にどのような状態で放射線が入っているかシミュレーションをして最適な治療方法であるかどうか確認して治療が行われます。治療に使われる装置は非常に精度の高いものなので、必要な範囲だけにしか放射線はあたりません。
放射線治療シミュレーション