ホロコースト記念館はナチ・ドイツにより迫害された600万人のユダヤ人、特に150万人の子どもたちが受けた人種差別を学ぶために1995年に設立された記念館です。私たちをはじめ、ここを訪れた子どもたちは命の尊さ、戦争の無惨さ、平和の大切さなどたくさんのことを学びました。それとともにに私たちは広く世界に平和をアピールしていきたいと思い、今回ホロコースト記念館では多くの方々のご協力で「アンネ平和賞」を設立することになりました。そして私たちと同じ年齢の子どもたちから私たちが活躍する21世紀に向けての平和のメッセージを募集し、ひとりひとりの小さな手から大きな平和の輪を作りたいと思います。「伝えたい、わたしの平和メッセージ」〜21世紀を担う子どもたちから〜というテーマで下記の募集要項に基づき、たくさんの平和メッセージを送って下さい。寄せられた作品は製本され、記念館に保存される他、代表的作品150点を国際的に著名なピースアドバイザーの方々(黒柳徹子さん他)から一言いただき、冊子にして世界中に私たちの気持ちを広くアピールしていきたいと思います。たくさんの応募をお待ちしています。
<募集要項>
ホロコースト関連の記念館、資料館を訪問するか、ホロコーストに関する本を読んだ上で平和を作り出すための思い、考え、アイディアを書いて下さい。(これは感想文ではありません。)
- 募集対象:小学生、中学生(国内、国外を問いません)
- 800字以内でB4横型の400字詰め原稿用紙2枚に書い て下さい。別紙に住所,氏名,年齢,電話番号、保護者 氏名、学校名、学校住所、学年を記入して下さい。
- 募集期間:1998年4月15日〜9月15日(土) 消印有効
- 提出先:ホロコースト記念館まで郵送、または直接お持ち 下さい。インターネットのメールでも受け付けています。
- 問合せ先:〒720-0004広島県福山市御幸町中津原 866
TEL&FAX :0849-55-8001 E-mail:hecjpn@urban.ne.jp
ホームページ゛:http://www.urban.ne.jp/home/hecjpn
日本で最初に開かれたホロコースト記念館は、3年間「平和をつくり出そう」と呼びかけてきました。この度、アンネ平和賞を設けました。これはノーベル賞のような、これまでの業績に贈るものではなく、その人の未来に期待する意味を込めたもので、世界でもユニークなものです。 |
アンネ 〜その形見のバラ〜 紙山 慶美(広島大学附属福山中学校2年)第二次世界大戦中、ナチス・ドイツから迫害を受けた多くの人たちがいました。ユダヤ人である、たったそれだけの理由でした。その中にアンネ・フランクもいました。アンネが隠れ家で書いた日記は1944年8月1日で終っています。そして1945年、アンネはべルゲン・べルゼン強制収容所で亡くなりました。アンネが日記に書いた平和ヘのメッセージをアンネの父、オットー・フランクさんが引き継がれました。オットーさんは、「アンネの形見のバラ」と名付けられたバラを咲かせながら平和を祈りました。この新種のバラをオットーさんにプレゼントしたのはべルギーの園芸家です。日本の合唱団が演奏旅行の時イスラエルでオットーさんと知り合いました。それがきっかけで1972年「アンネの形見のバラ」が日本へ贈られました。京都で根付いたそのバラは平和を願う人たちによって育てられました。接ぎ木や挿し木で増やされたバラは、今、日本のいろんな所で咲いています。そして、アンネやホロコーストの犠牲になった人たちの「生きたかった!」という気持ちや、オットーさんの平和な世界になりますようにという願いを伝えています。京都府綾部市に住む山室健治さんもその1人です。オットーさんから贈られたアンネの形見のバラを育てていたお父さんの意志を受け継がれ、バラを通じて平和の大切さをご夫婦で伝えています。今年の春、ホロコースト記念館で平和学習をしている子どもたちに”アンネの形見のバラ”の苗木をプレゼントしていただきました。
ホロコースト記念館の大塚信館長さんも平和学習に役立ててほしいという思いを込めて”アンネの形見のバラ”を学校や図書館へ寄贈されています。この花を見た人たちが戦争の恐ろしさや平和の大切さを考えてくれたらいいなと思います。
空野 優子(吹田第一中学校3年)ホロコースト記念館を紹介したビデオが完成しました。このビデオはSmall Hands、ビデオ作りのメンバーが中心になって脚本し、撮影しました。記念館の様子や、館内に展示されているホロコーストに関する品々や写真、大塚館長のお話などが、約15分間にわたって収められています。ビデオ制作は撮影をやり直すなど、いろいろと大変で、特にナレーションの吹き込みには丸1日かかったとのことです。それだけにこのビデオには「たくさんの子どもたちに記念館に来てほしい、ホロコーストのことを知ってほしい」という願いが込められています。また3月31日に行われた試写会での評判は大変よく、「手作りらしい暖かさがある」「ナレーションがきっちりはまっていてすごい」などの声がありました。
なお、このビデオは貸し出ししています。ぜひご覧ください。
- 記念館を訪問してくれた団体
今年に入って、たくさんの学校が団体で来てくださいました。あとで感想文集を届けてくださった学校もたくさんあります。(広島)福山駅家東小、甲奴郡甲奴中、広島鈴峰女子高、三原宮浦中、本同教子ども会、福山金江小、三原深小、賀茂郡黒瀬養護学校、福山新涯小、福山城北中、世羅郡世羅高、新市解放子ども会、深安郡神辺西中、福山山手保育所、府中南小、深安郡神辺中、福山光小PTA(岡山)鴨方東幼稚園PTA、倉敷福田南中、吉備郡真備町PTA連合会(徳島)川島町高校生友の会(1997年12月から1998年4月まで)
春休みの3月31日にSmall Handsのメンバーが記念館に集りました。みんなが活動報告をしあったり,セクションの活動などについて話したり・・・新しく決まったセクションのチーフから,ひとこと!!
ビデオ・セクション 今回ビデオセクションのチーフになりました、松田恵梨香です。私はセクションで作るビデオを通して、若い人からお年寄りまで、できるだけ多くの人に、戦争のこと、アンネのことやアンネのバラのこと、ホロコーストのことなどを知ってほしいと思っています。平和を創りだすために、まず、しなければならないことは戦争の悲惨さ、平和の尊さを知ることだと思います。そのために今回作ったビデオの英語版をつくったり、アンネに関する本の紹介ビデオや、バラセクションの人と協力してアンネのバラの紹介ビデオなどを作りたいと思っています。あと、小さな子にもホロコーストのことなどがわかってもらえるように、わかりやすい小学生向けのビデオも作りたいです。だれが見ても戦争の悲惨さ、平和の尊さを感じてもらえるようなビデオをつくっていきたいと思います。世界中でたった1人のあなたや、あなたの大切な人、尊敬している人、友達、そんな大事な人たちの命が、みんなの笑顔が、残酷にうばわれないように、きれいな青空が、いつまでも見れるように、みんなでいっしょにがんばっていきましょう。
バラ・セクション アンネのバラで平和の活動!バラセクションの北村晋悟です。<ホロコースト>、その中で、平和を願い立ち上がった人がいます。ワレンバーグ、杉原千畝、そしてアンネ・フランクもその1人です。
アンネは、幼いながらも日記を書き、平和を願ってきました。その日記には、隠れ家生活で身も心もボロボロになりながらたくましく生きたアンネの姿が書かれていました。アンネのことで僕が知っているのは、部屋の窓から見られるバラをいつか摘みたいと思っていたけど、その夢は叶うことなくは死んでしまったことです。
”アンネの形見”というバラは、アンネの父、オットー・フランクさんが、世界中に平和のシンボルとして広めようとされたバラです。今では、このバラをとおして平和を考えられるまでになりました。しかし、このバラはまだ少なく、どこにでもある物ではありません。だからこのバラを僕たちも育て、まず、身近な所から、このバラをとおして平和を訴えていき、最終的には世界にも平和を訴えれるようにがんばっていきたいと思います。
資料・セクション 皆さん、こんにちは。資料セクション担当の、植松広です。この資料セクションでは、ホロコーストの資料の紹介をしています。ホロコーストについて、何も知らない人や、あまりくわしく知らない人のために(特に、小・中学生を対象として)みんなが読んだらいいと思う、わかりやすい資料を紹介していきます。ホロコースト記念館に置いてある資料の中には、子供が読んでも、さっぱりわからないものもあります。(中には、大人でもよくわからないものもあります)そんな資料を実際に読んでみて、その中からわかりやすい資料を選びます。そして、「小さな手」の新聞で紹介していきます。
資料セクションはまだメンバーが少なくて、活動が大変だけど、がんばっていきます。これから紹介していく本は、とてもいい本なので、一度は読んでみてください。
編集・セクション こんにちは。新聞セクション編集長の大塚崇です。私たち新聞セクションは小さい子どもからお年寄りまで、幅広くホロコーストの悲惨さ、平和の大切さを伝えていきたいと思います。だから私たちは、アンネのバラについてや、ホロコースト記念館を来館した人の感想、スモールハンズの活動報告、ホロコーストの本の紹介などを主に取材して、よりよい記事作りを目指していきます。この小さな手を通して、今よりたくさんの人たちがホロコーストのことを知ることができ、一人一人が平和にむかっての歩みを、どんな小さなことからでも始められたらうれしい限りです。
皆さん、取材や記事の協力もお願いします。小さな手を読んだ感想も聞かせて下さい。
リヒター作 岩波少年文庫
今回、紹介する本は、「あのころはフリードリヒがいた」という本です。これは、フリードリヒというユダヤ人の少年の物語です。この時代には、本に出てくるフリードリヒのように、150万人もの子どもたちが殺されました。中には、生まれたばかりの赤ちゃんもいたのです。では、なぜ子どもたちは殺されてしまったのでしょうか?その理由は、この本の中にあります。少し難しい言葉もありますが、ぜひ読んでみてください。 |
東京に「アンネ・フランクの会」展示教育館オープン 「アンネの日記」は世界的なベストセラーとして日本でも大変有名ですが、なぜアンネが15歳でその短い生涯を終えなければならなかったのか、その真実を知っている人は少ないのではないでしょうか。今年2月、東京にオープンした「アンネ・フランクの会」の展示教育館では、アンネがいつ、どこで、なぜ死んだのか、ホロコーストの悲劇の真実を伝えていきたいと思っています。絶望的な状況の中でも前向きに生きたアンネ、そしてともに犠牲となった150万人もの子供たちは、人間が絶対に犯してはならない罪とは何かを教えてくれます。ホロコーストの歴史を学ぶことにより、社会の悪や狂気に負けない強い心、そして差別や偏見のない人間らしい価値観を持つことの大切さについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
現在、福山市のホロコースト記念館などの御協力により、写真展示とビデオ上映を行っています。6月よりは、「アンネ・フランクの会」のオリジナルの展示を行う予定です。皆さんの御来館を心よりお待ちしております。
(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-3-1 TEL03-5413-4128)
開館日:火、水、金、土(10:30〜17:00入館無料)
(アンネ・フランクの会 杉山洋子)
(神辺旭高校3年 大塚雅美)
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午前中は、西宮にある「アンネのバラ資料館」を訪問し、大学生の「平和の道具」グループと交流します。午後はホロコーストの生還者の方、またはユダヤ人教会を訪問します。8月の中旬ごろを予定しています。お友達もさそって参加して下さい。 |