胆石に関するFAQ


胆石でよく聞かれる質問を集めました




1.胆石はどうしてできるのですか

胆石の種類によってでき方が異なります。

@コレステロール系胆石・・・
 肝臓からコレステロール過飽和な異常胆汁が胆道内に排泄され、胆嚢内でコレステロール結晶が析出して胆石の核ができ、それが次第に胆石へ成長していくと考えられています。

A胆汁色素系胆石・・・
 ビリルビンカルシウム石の成因は不溶性のビリルビンカルシウムが析出し、それが架橋的に凝集して胆石へ成長します。ビリルビンカルシウムの出現は胆道感染が母体となっています。
 黒色石の場合、ビリルビン誘導体の重合体からなり銅や鉄などの重金属を含んでいます。しかし、その生成機序については詳細は不明です。肝硬変、溶血性貧血、心弁膜置換術後に合併することが知られています。また、胃切除後の胆石形成も話題になっています。


2.私の胆石は痛まないのですがどうすればよいのでしょうか

 胆嚢がしっかり働いており、胆嚢癌が否定されていれば、様子を見てかまいません。
しかし、1年に1回の胆嚢エコー検査は受けるようにして下さい。


3.胆石を持っていると癌になるといわれませた。本当ですか

 胆石に胆嚢癌を合併していることは約1−2%で、胆石を合併していない人より胆嚢癌の発生は明らかに高率です。
しかし、胆嚢癌の人の約半数は胆石を合併しておらず胆石と胆嚢癌の関連は必ずしも明らかではありません。

つまり、胆石があるからといってすぐ胆嚢癌を心配する必要はないといえますが、
定期的な腹部エコー検査により胆嚢癌の発生を早期に発見する努力は必要です。


4.ほうれん草を食べると胆石ができるというのは本当ですか

 うそだと思います。


5.胆石が痛んだときにビールをたくさん飲んだらよいと聞きましたが

 これはうそです。ビールと縄跳びがよいと言われているのは尿管結石の場合です。
 しかし、尿管結石で過剰な水分摂取は疼痛を増悪させる可能性があるのでお勧めしません。


6.長い間、胆石の溶ける薬を飲んでいますが、変化がありません

 胆石はその種類によって、溶ける胆石と溶けない胆石があります。
溶けない胆石の場合、いくら薬を飲んでも効果がないので薬を始める前にしっかり検査をして胆石の種類を見極めることが大切です。


7.私の胆嚢は働いていないそうです。どうしましょう

 胆石が充満していたり、胆嚢頚部にかんとんしていたりすると、胆嚢の機能が無くなっていることがあります。
胆石充満胆嚢や萎縮胆嚢を持っている人は胆嚢癌の合併を否定し得ず、基本的に手術の適応となります。


8.胆石は遺伝するのですか

 胆石生成の背景因子として先天性因子、後天性因子があります。

@先天性因子・・・人種差、性差、代謝異常、胆道狭窄
A後天性因子・・・年齢、食事、妊娠、肥満、胆道感染、薬剤、他疾患の合併(糖尿病、肝硬変、溶血性貧血など)

はっきりした証拠はありませんが、肥満や高脂血症に付随して親子兄弟に胆石が多発している家系が存在します。
しかし、食事内容(高脂肪食、過食)や日常生活などの関与が大きいようです。



ホームページへ戻る