玄米のすばらしさ
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玄米の成分と働き、玄米は最高の抗公害食品
白米の不足栄養分は補えない
玄米が最高の主食であるというのは、栄養成分の宝庫である胚芽をもっているためです。
この胚芽には、現在明らかにされているだけでも、ビタミンA・B1・B2・B6・B12、ニコチン酸、パテトン酸、プロビタミンC、
ビタミンEなど、たくさんの有効成分が含まれています。
米粒の一角に座を占め、米粒全体のたった3%の重さしかもっていないこの胚芽に、米の有効成分の大部分が集中しています。
ところが、「わざわざまずい玄米など食べなくても、白米を食べて、不足する栄養素は、ほかのもので補えばよい。」ということが、よくいわれます。しかし、不足する栄養素を補うほかのものとは、副食や、ビタミンB1剤などをさしているのでしょうが、玄米を精白することによって失われてしまう栄養成分を、副食その他で補うことは不可能なのです。
まず、ビタミンB1剤を用いるというのは、「胚芽」イコール「ビタミンB1」ではないのですから、お話にならないし、合成されたビタミンを体に入れるのは、感心できません。合成された化学物質は、体内ですんなりと生理的な物質として働くことはなく、むしろ、私達の体に本来そなわっているビタミンの代謝の働きを阻害し、混乱させます。
また、副食で補うというのも、実際問題としてむりなことです。たとえば、1合の白米に欠けているビタミンBを玄米なみに補おうとしますと、海苔なら50枚以上、牛乳なら2リットル、卵なら20個以上、牛肉なら1.3キロ以上、ほうれん草なら2.2キロ以上食べないとおいつかない計算になります。しかも、これはビタミンBについてだけの話です。
玄米を白米に精白することによって失われる有効成分は、ビタミンBのほかにもたくさんありますから、それも考えますと、どんな丈夫な胃袋をもっていても、それだけの副食を食べる事はできません。
副食に野菜炒めやサラダを一皿食べれば、それで白米に不足しているビタミンが補給できるなどと考えたら、大間違いなのです。
それなら、胚芽を補えばよいのでしょうか? 胚芽には、前にも言ったようなさなざまな成分があって、すぐれた薬効がありますが、それだけでは十分ではないのです。いったん切り離されてしまった白米と胚芽と糠を寄せ集めても、もとどうりの生きた玄米そのものにはなりません。
生命力をもった穀物としての玄米を摂取することが基本です。結局、玄米の本当の効用は、玄米を玄米として利用することによって、はじめて得られるということができましょう。
玄米の成分とその働き
- 胚乳部(白米)
- 米粒の中心部にあって、澱粉体です。この主成分は炭水化物です。炭水化物は、一般的にカロリー源になるだけのものと考えられていますが、これは体蛋白を構成する主役になるので、私達の体にとって最も重要なものなのです。
この炭水化物は、腸で吸収され肝臓に送られ、ブドウ糖に変化し、体内の各臓器組織に運ばれて、そこで燃焼エネルギーを生み出します、私達の体内で行われる生命活動のいっさいは、そのようにして生み出されたエネルギーによって、まかなわれています。
しかし、その生命活動が行われるには、それを営む主役である体細胞がまずつくりだされていなければなりません。その体細胞を構成する体蛋白を合成する素材となるのが、この炭水化物です。
ですから、私達は、炭水化物なしには存在することができません。ただし、この炭水化物がスムーズに吸収され、体の主要成分に変化し、効率よく燃焼するには、重大な条件が必要です。それは、この炭水化物がミネラル、ビタミン、酵素などの各種の有効成分と共存していることなのです。
主食を玄米にするとよいのは、このためなのです。玄米には、胚芽と糠の部分に有効な微量成分・粗蛋白・脂肪類が含まれているからです。ところが、白米の場合は、おなじ米とはいっても、食品としての性格はまったくべつなものになってしまいます。
白米は、私達の体にとって、一番重要な炭水化物の代謝を狂わせてしまいますから、肥満や糖尿病どころか、ガンさえもひきおこします。
- 胚芽(有効成分の宝庫)
- 玄米は食品として最高の価値をもっているものですが、そのうちで特に重要な部分がこの胚芽です。玄米のすばらしい薬効から考えて、胚芽には、まだまだ未知の有効成分がたくさん含有されていると考えられますが、ここでは、その中で特に重要な役割を演じていると考えられるものを、いくつかとりあげてみましょう。
- ビタミンB1−−玄米にはこれが100g中0.36mgほど含まれています。白米では玄米の1/4の0.09mgほどしか含有されていません。
そればかりでなく、白米を水洗いすると、これがさらにぐんと減少し、そのうちの1%ぐらいしか残らないというデーターがあります。
ビタミンB1は、炭水化物が体内で有効に吸収され、燃焼するのに欠かせないものです。もし、ビタミンB1が不足すると、中途半端な代謝成分であるいろいろな糖類が体組織のなかに停滞してしまい、その害を特にひどく受けるのは神経組織で、そのために、倦怠、疲労、肩凝り、手足のしびれ、むくみ、胃腸障害、脳や反射神経の鈍化がおこりやすくなります。これがつまり、脚気の症状です。
現在では、この症状をあらわす人は少なくなりましたが、これは、現代人の体質が変わってきたからで、むしろビタミンB1の欠乏はいっそう深刻化してきてるといえます。
- ビタミンB2−−玄米には、100g中0.1mgほど含まれています。同量の白米には、わずか0.03mg含有されているだけです。
ビタミンB2は、B1とともに炭水化物の代謝に関係するほか、脂肪の代謝にも不可欠で、成長促進作用もあります。B2が不足すると、老化したり、スタミナが減退します。
最近、B2には肝臓の解毒作用をスムーズにする効果があることがわかり、特に注目されています。腸内の異常発酵によって発生したガンを、すみやかに処理するのを助けてくれるわけですから、現代人にとっては、非常にありがたい、重要な成分といえます。
- プロビタミンC−−これは、ビタミンCの同類で、体内でビタミンCに変わるものです。ビタミンCが欠乏すると、毛細血管から出血しやすくなることは良く知られています。これは、血管の壁の中のゼラチン質が減ってしまうせいです。ゼラチンは、細胞と細胞をしっかり粘着させる役目をはたすもので、このゼラチンを作り出す細胞にとって欠かせないのは、ビタミンAとビタミンCです。
ゼラチン質が特に多く含まれている器官は、血管・皮膚・骨・軟骨・靭帯などですから、玄米はこれらの器官を強化する効果が非常に大きいわけです。ビタミンAとビタミンCが不足しますと、これらの器官が弱くなるだけでなく、体全体の抵抗力がひどく弱まり、結核をはじめ、いろいろな慢性病にかかりやすくなります。特に、皮膚や歯肉の生理の正常化にこれらのビタミンは欠かせません。
ビタミンCというと、果物や、生野菜だけにしか含まれていないと思うのは完全な誤解です。玄米には、体内でビタミンCの働きをするプロビタミンCが含有されています。また、玄米に含まれるビタミンBの代謝によっても、Cが体内で合成されるようです。ですから、玄米のC効果は、もっともっと重視されてよいものです。
ついでに、果物や、生野菜は体を冷す作用がありますので、体質や、季節をよく考えて摂取しないと、かえって体の抵抗力をひどく落とし、老化を促進することになってしまいますから、ご注意ください。
- ニコチン酸−−玄米には、100g中4.5mgほど含まれています。同量の白米には、1.4mg含有されているだけです。
ニコチン酸は、炭水化物の代謝にかかわりをもっているビタミンで、ナイアシンとも呼ばれます。これが欠乏すると、皮膚や粘膜に炎症が起こりやすくなり、慢性的に欠乏すると、口角炎・便秘・下痢・腹痛・胃炎などになりやすくなります。これはまた、脂肪酸の代謝にも関係しますので、、不足すると、神経系、特に脳細胞の機能が障害をおこし、ノイローゼをはじめ、いろいろな神経障害が生じやすくなります。
- パントテン酸−−玄米には、100g中1mgほど含まれています。同量の白米には、ほとんど含まれていません。
パントテン酸は、神経系・内分泌系の機能を正常にする重要な働きをする成分です。脂肪の代謝にもかかわりがあり、肌を美しくする作用があります。
パントテン酸が不足すると、無気力になって、やたらに居眠りをするようになります。また、性ホルモンの分泌に障害がおこり、性欲が減退し、老化現象が早くあらわれます。
玄米にはこのパントテン酸が入っているうえに、腸内でその合成を盛んにする働きがありますから、いっそう大きな効果が期待できます。
- ビタミンE−−玄米には、100g中約30mgほど含まれています。同量の白米には、ほとんど含まれていません。
ビタミンEには、心臓の若々しさを保ち、動脈の弾力性を高める作用があります。下垂体や副腎皮質ホルモンのぶんぴつを健全にする働きもあります。
ビタミンEには特に、老化を促す物質(過酸化脂肪)の発生をふせいで、血管の弾力を高め、血液の流れをよくする作用があります。このために、すべての組織と臓器を若々しく保ってくれるのです。とりわけ、心臓と動脈の若さの保持にすぐれた効果を発揮します。
また、各種の内分泌腺の機能を高める働きがあり、特に性腺の機能の強化にめざましい効果があります。たとえば、精子に形成力を増大させ、卵巣の機能を健全にして、精力減退・不妊症・流産を防止します。
そこで、このビタミンEは最近、回春ビタミン剤として注目されていますが、合成してつくったビタミンE剤ではだめです。天然のビタミンEをたっぷり含んだ自然食品・健康食品を摂取することが大切です。
- リノール酸−−玄米には、良質の脂肪酸であるリノール酸がたっぷりと含まれています。リノール酸は動脈硬化を防止することによって、すべての慢性病を防ぐことに役立ちます。
リノール酸にはまた、細胞膜の機能を健全にし、体細胞への物質の出入りを適正にする働きがありますので、リノール酸を十分に補給していると、細胞活動が活発になり、体の抵抗力がぐんと強まります。
- 糠−−便秘の防止に卓効
- 糠は、内側から、糊粉層・種皮・果皮の三層からなっています。この糠には、繊維・脂肪・レシチンが特に多く含まれています。
玄米を食べると便の量が増えるのは、玄米の消化が悪いのでは決してなく、腸の中にある残り物を、玄米の繊維がきれいにさらって出してくれるからです。玄米の繊維は、腸の内容をスムーズに移送して、便秘を防ぎ、腸内をいつもきれいにしておくために非常に重要なものです。
脂肪も胚芽と糠に集中しています。これに含まれる良質の脂肪酸であるリノール酸が動脈硬化を防止し、細胞膜を健全にすることは、胚芽のところでのべたとおりです。また、これが体内の脂肪の代謝を正常化してくれるために、皮膚が若々しくなり、肥満が防止されます。
レシチンはリン脂質で、細胞膜や血球膜の機能を健全化する力があり、毒素に対する抵抗力を非常に高めてくれます。また、コレステロールを乳化して、血管へのコレステロールの沈着を防ぐ働きもあります。
さらに、レシチンは、窒素化合物であるコリンを含んでいます。コリンは、ビタミンの一種ですが、これは脂肪が肝臓に沈着するのを防いで、肝臓の機能が健全に発揮されるようにする働きをするほか、動脈硬化と高血圧を防止します。
玄米は最高の抗公害食品
公害物質はすべて、多かれ少なかれ発ガン性をもっています。ですから、ガンを予防するためには、極力、公害物質による汚染の少ない食品を選ぶことが大切です。
しかし、汚染度が低いからといって、その食品を食べれば安全だとは、一概には言えません。というのは、発ガン物質というのは、一度に大量に摂取するよりも、少量ずつくりかえし摂取するほうが、むしろ発ガンを招きやすいという性質があるからです。
そういう物質を一度に大量摂ると、細胞はすぐに死んでしまいますが、少量ならば細胞はへんに痛めつけられたままで生き延びることになりますが、これがガン細胞に発展しやすいのです。生命体と公害物質の間には、そういった関係があります。ですから、ある公害物質の許容基準をいくらきびしくしても、どの数値以下なら安全、などどいうラインを引くことは、本来できない相談なのです。
「玄米が体によいことはわかるが、玄米の農薬汚染が心配だ。」という声が時々聞かれます。確かに農薬を使わない農法でつくった玄米が理想的ですが、しかし、普通の玄米を使用しても十分大丈夫です。
なぜなら、玄米には、それ自体に公害物質を積極的に排除する大きい力があるからです。
普通につくられた白米と玄米の公害物質の含有量の比は、8:10ぐらいで、少し玄米のほうが多いくらいですので、一般に考えられているほどのひらきはありません。
問題は、米に含まれている公害物質が、実際にどれほど体内に残留するかと言うことです。公害物質が体外に排泄されないで、そのまま組織に残留して体内にどんどん溜まっていけば、体内の物質代謝への影響の危険度もどんどん高まっていきます。
これについては、いろいろな学者が実験を重ねており、その結果は、「白米食者よりも玄米食者のほうが、農薬の残留量はずっと少ない。」ということで一致しています。たとえば、頭髪に含まれる水銀の量は、一般に白米食者より玄米食者のほうが少なく、それも長く玄米食をしている人ほど、きわだって少ないのです。
なぜ、このような結果になるのでしょうか? それは玄米の胚芽に、体内の公害物質をそとに「つまみだす」作用があるためです。玄米には、特殊な抗公害成分とでもいえるものが入っているのです。
この成分はフィチン酸その他の物質で、いずれも公害物質と非常によく結合し、公害物質が腸壁から吸収されるのを防いだり、排泄をうながしたりします。これらの成分はまた、玄米が腸内の細菌を健全にした状態のときには、いっそうその威力を発揮して、いままで体内に蓄積されていた公害物質を引き出し、これを積極的に排泄させる働きをあらわします。
さらにまた、これらの抗公害成分は、農薬の汚染の害ばかりでなく、恐ろしい放射能の害を解消するうえでも目覚しい効果を示してくれます。放射能は、ガンの放射線治療や、ジャガイモの発芽の防止に使われており、非常に危険です。
たとえば、放射性元素ストロンチウムは造血機能に障害をおこさせ、異常血球を生み出し、血液ガンといわれる白血病を引き起こします。また、セシウムは、筋肉・睾丸・卵巣に沈着して、それらの機能を狂わし、奇形児出産の原因となります。
玄米は、こういう放射性物質に直接結びついて、それが体内に吸収されるのを防止したり、それの活性を低下させたり、その排泄を促進したりします。
農薬や放射能の他にも、おびただしい数の公害物質がありますが、いずれにしても私達の体にとって異物となるこれらの物質を、玄米は、早々と体から追放してくれるのです。