虚空間への展開
人の創りしもの
ある日、ウルフガイHPでカンチャンが提案した。
「インターネットにホームページを創ろう!」
ほう、そいつは良いことだ。で、ホームページって何なのかな?
FUJITAの認識は極めて低かったという。
FUJITAは協力を約したが、さっぱり役には立たなかった。
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半年以上たってもFUJITAの状況はあまり変らない。FUJITAは役に立たない自分にいらついていた。
「ともかく少し勉強してみよう。たぶん、FTPとやらが解ればHTMLエディタなんてものもある訳だし、自分でホームページを創るのも無理ではないはずだ。」
FUJITAは数冊の参考書を買い込むとごちゃごちゃといじり始めた。すると、案外簡単にFTPが扱えた。
「次はHTMLか。どれ、ちょっとツールを使って・・・・・・。」
簡易ツールを使って創ったものの中身を覗いてみた。FUJITAにはBASICを超えて複雑なものを扱える能力はなかったが、HTMLは実はBASICとも比較にならないほど単純だった。
FUJITAは元来お調子者なので、そのままつい勢いに乗ってページを創り始めた。
「なんか結構きれいな感じにできたな。誰かに見てもらおう。」
愚かなFUJITAは何も考えず、ホームページ作成作業用のMLに情報を流してしまった。
しまった!
とFUJITAが思ったのは数日後であった。
ホームページは公開した以上、定期的に更新し続けなければならない。後になって更新しても、一度離れた客は二度と戻ってはくれないのだ。勿論、ただの練習のつもりで創っていたFUJITAに更新の構想なぞあるわけはなかった。
FUJITAは無い知恵絞って考えた。何か特徴を出さねばならない。そうだ、ゲームが創れないだろうか?うん、迷路みたいなもんならなんとか創れそうだ。ただの迷路だと規模が必要だな。クイズ形式にしてリンクでなくボタンで進めることにしよう。・・・・・・やっぱり、普通にしたんじゃすぐ解かれてしまうな。おお、そうだ、いくつかトリックを重ねれば・・・・・・。
こうして世にも珍妙な”ひらりんFの迷宮”なるものが誕生し、FUJITAは泥沼へとその身を沈めていったのだった。
もともと何のために勉強を始めたのか?その理由はすでに忘れ去られて久しい。
完
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