サイトウの社団戦レポート

3日目 その1

I. 集え、戦士たちよ!

 9/3、社団戦3日目まであと一週間。

 相変わらずメンバーの集まりが悪い。(と書いてる本人も参加は今回で二回目なのだが。(^_^; )
 個々の実力よりチームとしての層の暑さで勝負するのが常のわがチームとしては、とにかく頭数を揃えない事には始まらない訳で、四方八方手を尽くして召集をかけ、前日までになんとか7名の確保に成功する。 (^-^)v ブィ!

 試合当日の朝、前日のアマ名人戦を観戦した太田さんより、高橋(聡)氏のアマ名人戦全国大会予選突破ナラズ&社団戦参加の報を受ける。
 高橋さん本人には悪いが、これによりチームとしては勝ち星を計算できる貴重な戦力を得る事になり、「運がむいてきたか?」という気がしてくる。 (高橋さん、ゴメンナサイ <(_ _)> )

II.試合に臨んで、、、(サイトウの場合)

 前回の社団戦2日目(8/27)、私は4勝(うち不戦勝1)0敗という信じがたい成績であった。
 しかも、全部悪かったのをひっくり返しての勝利、という私の学生時代の将棋を知る者にとっては目を疑うような現象である。事実、わが後輩でありサイトウ将棋評論の第一人者である鈴木からは
「サイトウさんの全盛期は今です。間違いない!」
との評価を得た。
 そんなもんだから日本有数のお調子者と自認する私が有頂天になるのも無理もない。

 だがしかし、盛者必衰のことわり、とは源平の世から勝負に生きる者(^^;ダレガジャ
とっての真理である。

 その後1週間、将棋倶楽部24で連敗街道まっしぐら。R点を70点程吐き出し(;_;)、社団戦の成績は
単なるフロックだったんだよーん、と思い知らされることとなる。

 で、負けた将棋のほとんどが振り飛車(しかも『風車』)だったもんで、
 「ああ、オレには振り飛車の才能が無い。『風車』で幸せになった奴はいねぇ。」
 (藤田さん、ゴメンナサイ <(_ _)> )
 「やはり、強くなろうと思ったら、居飛車しかない!!」
 との短絡的な結論に至り、月が9月にかわったのを機に「居飛車党宣言」をする。
 が、元々将棋界のスピードに取り残されて安易に振り飛車に走ったような輩が、ちょっと性根を入れ替えたぐらいでなんとかなるような世界ではなく、更なる連敗地獄にはまりR点を30点程吐き出す。(T_T)
 「居飛車もダメ、振り飛車もダメ。ああ、いったいどうすりゃいいんだ?オレ」

III.病気再発(1回戦:vs くるくる )

 そんなこんなしているうちに、高橋さんも無事合流し、一回戦を迎える。
 相手のチーム「くるくる」は、学生強豪&OBで編成されたチームで連勝街道まっしぐら。
 現在3部赤リーグで1位につけている。

 ワタシは5将で出場。
 いろいろ考えた末、結局『居飛車風車』を選択する。
 「イッポン入れに行くなら、弱い居飛車より弱い風車の方がまだマシ」との判断。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+   【図1からの指し手】
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v玉v香|一 ▲2四歩  △同 歩
| ・v飛 ・ ・ ・v角v金v銀 ・|二 ▲同 飛  △7五歩
| ・ ・ ・v歩 ・v金v桂v歩 ・|三 ▲2九飛  △7六歩
|v歩 ・v歩v銀v歩v歩v歩 ・v歩|四 ▲同 銀  △2三歩
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 ▲4五歩  △同 桂
| 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 ▲1五歩  △同 歩
| ・ 歩 桂 銀 ・ 銀 桂 ・ ・|七 ▲1四歩  △3七桂成
| 香 ・ 金 角 玉 金 ・ ・ 香|八 ▲同 金  △7二飛
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|九 ▲6七銀  △7六歩
+---------------------------+  ▲6五桂  △4五桂
先手サイトウの持駒:なし     ▲3八金  △6五銀
手数=46  ▽6四銀  まで     ▲同 歩  △7五角 (図2)

図1

後手の持駒:桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+  【図2からの指し手】
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v玉v香|一 ▲6六桂  △同 角
| ・ ・v飛 ・ ・ ・v金v銀 ・|二 ▲同 銀  △7四桂
| ・ ・ ・v歩 ・v金 ・v歩 ・|三 ▲7五銀  △6六桂打
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ 歩|四 ▲4九玉  △7八桂成
| ・v歩v角 歩 ・v桂 ・ ・v歩|五 ▲4六角  △7七歩成
| 歩 ・v歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六 ▲6一角  △6二飛
| ・ 歩 ・ 銀 ・ 銀 ・ ・ ・|七 ▲4三角成 △同 金
| 香 ・ 金 角 玉 ・ 金 ・ 香|八 ▲1三歩成 △同 香
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|九 ▲同角成  △5七角
+---------------------------+  ▲1二金  △3一玉
先手サイトウの持駒:銀 桂 歩  ▲2二金  △4二玉 (図3)
手数=70  ▽7五角  まで

図2

 とりあえず端に嫌味をつけといて、「なんかコマちょうだい」状態にしたはいいが、急所に角
を出られ、次の△6六桂打ちが痛い。かといってそれを防ぐ適当な受けもない。(>_<) アウウ

後手の持駒:金 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・v飛 ・v玉 ・ 金 ・|二
| ・ ・ ・v歩 ・v金 ・v歩 馬|三
|v歩 ・v桂 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 銀 歩 ・v桂 ・ ・v歩|五
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩vと ・v角 銀 ・ ・ ・|七
| 香 ・v圭 ・ ・ ・ 金 ・ 香|八
| ・ ・ ・ ・ ・ 玉 ・ 飛 ・|九
+---------------------------+
先手サイトウの持駒:銀二 香 歩 
手数=92  ▽4二玉  まで

図3

 「受けても受からないんだから受けない。」
 やぶれかぶれの焦土戦術である。
 左翼は放棄、飛車さえ成り込まれなければOKとする。
 つなぎ桂を打たせ王様をとりあえず右翼にすたこらさっささせ、▲6一角と打ってみると
 「ありゃ、何か手になってる?」
 勇躍攻めこんで図3の局面。
 「『詰めろ』かけたら勝ちだよねー。(多分 (^^; )でも、その詰めろがわかんねーや」(?_?)

【図3からの指し手】

 ▲2三馬 △3七桂不成

まで94手で後手勝ち

 とりあえず馬取りを避けた▲2三馬が敗着で、初心者向け詰め将棋のような3手詰めを食らう。
 (>_<; アウウ、持病の終盤虚弱症が、、、
 図3では、▲5七馬 △同桂成 ▲2三飛成で金星ゲット!だったのだが。

 終わってみればチームは3−4負け。
 アチャー (x_x) マズッタ。あれ勝っときゃ、、、。

 鈴木軍法会議ものですよ、これは!!」
 

IV.MaZuI、まずい、マズイ〜(2回戦:vs あり)

 昼食休憩後の2回戦。
 7将にて出場。
 
 先手を持って、▲7六歩 △3四歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲6六歩 △3五歩 (--;
 1局目の負けが尾を引いて、弱気な出だしから相手の注文の相振り飛車を避けて苦し紛れの玉頭
位取りへ。
 
 フラフラしながら、とりあえずカタチだけはそれっぽくしてみたのが図4。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+ 【図4からの指し手】
|v香v桂 ・v金 ・ ・v角 ・v香|一       △6四歩
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二 ▲8六角  △6五歩
| ・v歩v歩v歩v銀 ・v桂v歩 ・|三 ▲同 銀  △3六歩
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・v飛 ・v歩|四 ▲5六歩  △3七歩成
| ・ 歩 歩 歩 ・v歩v歩 歩 ・|五 ▲同 銀  △3六歩
| 歩 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六 ▲4八銀  △4六歩
| ・ ・ 角 金 歩 歩 歩 ・ ・|七 ▲2七飛  △3七歩成
| ・ 玉 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八 ▲同 飛  △同飛成
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 ▲同 桂  △4九飛
+---------------------------+  ▲5九銀  △4七歩成(図5)
先手サイトウの持駒:なし
手数=41  ▲6五歩  まで

図4

 右銀の立ち遅れが玉頭の逆襲を招き、それを受け止めようと自陣がバラバラになった所であっさり
飛車交換からと金を作られる。(;_;)
 相手が時間も使わずバンバン攻めこんできて、それを良く考えずに応対したもんだから、開始15分
で早くも必敗形。

 マズイマズイマズイ
 1局目、あんな負け方しといて、2局目もこんなに早く終わってしまっては、いくらワタシの弱さ
を知ってる面々とはいえ、さすがに許してもらえんだろう。

 よし、とりあえず誰かが負けるか勝つまでは勝負を長引かせよう
 と、心に決めたは良いが、すでにこらえようのない局面となっている。σ(--#) アタマイテー

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+  【図5からの指し手】
|v香v桂 ・v金 ・ ・v角 ・v香|一 ▲7四歩  △1三角
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二 ▲6八銀  △6六歩
| ・v歩v歩 ・v銀 ・v桂v歩 ・|三 ▲同 金  △5八と
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩|四 ▲7七銀  △6九と
| ・ 歩 歩 銀 ・ ・ ・ 歩 ・|五 ▲3五歩  △同 角
| 歩 角 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩|六 ▲3一飛  △7九と
| ・ ・ ・ 金 ・vと 桂 ・ ・|七 ▲6七金上 △7八と
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 ▲同 玉  △7九飛成
| 香 桂 ・ ・ 銀v飛 ・ ・ 香|九 ▲8七玉  △8九龍
+---------------------------+  ▲7六玉  △7四歩
先手サイトウの持駒:飛 歩三   ▲7三歩  △同 桂
手数=60  ▽4七歩成  まで    ▲7四銀  △6四桂
図5               ▲7五玉  △6五歩 (図6)

 図5からは本当に一本調子でパタパタ進み、とうとう△6五歩の痛打を浴びる。(T_T)
 まったくいいところなしのサンドバックと化し、振り向けば徳俵状態。

後手の持駒:歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+  【図6からの指し手】
|v香 ・ ・v金 ・ ・ 飛 ・v香|一 ▲6五同銀 △8四歩
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二 ▲7四銀  △6五歩
| ・v歩v桂 ・v銀 ・v桂v歩 ・|三 ▲6一飛成 △同 銀
|v歩 ・ 銀v桂v歩 ・ ・ ・v歩|四 ▲8三金  △7一玉
| ・ 歩 玉v歩 ・ ・v角 歩 ・|五 ▲7三銀成 △7四歩
| 歩 角 ・ 金 歩 ・ ・ ・ 歩|六 ▲8四玉  △7二飛
| ・ ・ 銀 金 ・ ・ 桂 ・ ・|七 ▲同成銀  △同 銀
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八 ▲4一飛  △6二玉
| 香v龍 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 ▲7二金  △同 玉
+---------------------------+  ▲7三銀  △6三玉
先手の持駒:歩四         ▲6一飛成 △6二銀
手数=86  ▽6五歩打  まで    ▲6四銀成 (図7)
                 まで109手で先手の勝ち

 あまりの優勢に、相手もとうとう間違える。
 やぶれかぶれの▲6五同銀に指した△8四歩がそれで、ぽっかりと空いた8三の地点が
欲しくて欲しくてたまらなかった空間。唯一の逆転の目。
 飛車を切って▲8三金と打ちこんだ局面ではすでに逆転している。
 とりあえず一本入ってひと安心。
 チームも4−3できわどく勝利を得る。\(^-^)/バンザーイ、/( )\モヒトツ\(^o^)/バンザーイ

(3日目 その2に続く)