KSC:Cz75-1st/2nd




いずれもマットブラックモデル

ファンにしてみれば、待ちに待った製品化となった製品である。
個人的にもMGC製品をほとんど定価でいくつも購入して散々苦労=楽しませてもらったもので、最新技術でどのようなレベルに仕上がって来るか楽しみにしていた。

いざ出てみたものを手にして、特別に強い感動が得られたかと言えばそうでもなく、まぁこんなものかといった程度のものだったというのが正直な所だ。
KSCが今の技術で作ればこんな感じだろうな、と、ただそれで充分ではあったのだが。


外観的には特に文句は無く、強いて言えばスライド後面のフレームとのかみ合わせにデフォルメを強く感じる程度。
(シリンダー径を大きく取るために若干スライドの上下が厚いと思われる。見た目に破綻はしていない。)
表面処理についてだが、個人的にはマットブラック処理が好みで、1stバージョンのディープブルーコーティングバージョンは見送っていた。 2004年初頭に発売された1stマットブラックバージョンを購入した訳だが、手荒に扱うにはいい仕上げだと思う。

動作は、こなれてきた最近のKSC製品らしく快調そのもの。
平板型のスプリングのテンションがやや弱く、スライドの復帰が遅く感じられる事もあったが、後に発売された1st(ディープブルーコーティングVer)あたりでは改善されていたようだ。
(試射しただけで比較はしていないのだが)

スライド全体の質量が軽いため、リコイルショックはかなり希薄で、特に前半部が軽い1stバージョンはどれだけ快調に動いても「重い・強い」といった言葉とは無縁だろう。
その代わりに前後するスピードは速く、素早い連射にも楽々付いてくる。

個人的に不満を感じたのはトリガープルで、ダブルアクション時のギクシャクとした印象、シングルアクション時の「切れ」のタイミングのつかみにくさともに大きくマイナス点だ。
後者はとにかくプルが軽すぎて、暴発気味になる事もある。
場合によってはプルが重い事よりも問題になるかもしれない。
MGC製品では驚く程に良いタッチを持っていただけにかなり残念だ。
個人的には、スムーズさと確実さの両立という点で、既存のダブルアクションが可能なCz75のトイガン中ででワーストである。

ついでに、トリガーバーとハンマーをリンクする「アクセル」というパーツが、ダブルアクションを繰り返すと折れやすい。
このパーツは力がかかる割りに脆い素材で細く・薄く作られており、要注意箇所だ。


実射性能は、KSC製品の平均的なもので、0.25gBB弾が最適重量で、約15m以上直進のセッティングが得られる。

かなりの期待を背負って製作されただけに、やや苦しい部分が目立つ出来ではあるが、キッチリと改良して、自ら宣言した「名作シリーズ」にふさわしい一品としてして欲しいものである。

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