KSC:M8000クーガー




KSC:M8000クーガー

KSCがメーカー活動を開始して2作目の完全新規機種である。
発売当時は、スライドスピードの遅さを指摘されながらも、優れた実射性能と、切削加工を多用しいた表面仕上げの美しさ等で高い評価を得ていたと思う。
ロングバレル・コンペンセイター・マウントベース・アンダーマウントといった純正オプションや、その他社外カスタムパーツにも恵まれ、そこそこの人気を得ていた。

自分もステンレススプリングガイド・スープアップバルブ・ソフトハンマースプリング・ファーラー製ラバーグリップ等を装着して結構楽しませてもらった。
(実銃用のファーラー製グリップが無加工装着可能なのも、当時としては感激だった。なにせ同じベレッタのM92Fだとどのメーカーの本体にも無加工装着は出来なかったのだから。)

だがしかしそこに、あのブローバック特許訴訟とベレッタ商標侵害訴訟のダブルパンチを喰らい、クーガーの人気はトーンダウンしていった。

特許侵害回避のためのロングレンジピストンシステム(負圧バルブ)化によって実射性能はさらに向上したものの、ブローバック性能は低下し、特に燃費が悪化した事が評価を大きく変えたと思う。

なにより、刻印が完全にトイガンである事を証明する内容となった事で、多くのファンをはガッカリした事だろう。
この刻印に関しては、現在のKSC製品に多用される「それらしい雰囲気」を持たせたものに変更して欲しいと思っている。

後にハードキック(ボアアップピストン)化され、ヘビーウェイトモデル化されるが、その恩恵を知る事もなく見送っていた人も多いのではなかろうか?
実際のところスライドスピードが倍増したかのような体感が得られ、感激したものだ。
(リコイルスプリングが弱いままだと、スライドの復帰が遅く効果を体感できないので、「効果低し」と感じた人も多いのでは?)


さて、この3月末に買い逃していたヘビーウェイトモデルが再販されたので、早速購入した。

動作感は、ABSモデルにはスピードでは劣るが、手に伝わる重さは十二分なものがある。
スピードの低下を補うべく、まずファイアフライ製のパワーバルブKM企画のスプリングセットのソフトな方の組み合わせでスライド動作の初活力を向上、次ぎにスライドの復帰速度を向上させるためにプロテックのリコイルスプリングを装着する。
この組み合わせで、個人的には満足のいく動作性能を得られた。

実射性能は、バレル長が短いながらも素直な弾道を実現している。
USPコンパクト以降の出荷品はホップのかかり具合が抑えられており、0.2gBB弾でも約15m直進のセッティングが得られた。
左右のばらつきはホップドラムの位置調整で整える事が出来るので、慎重にセットすべし。

KSCの当時の全力を投入したといっても過言ではないこのクーガー、リアル感の薄い刻印などの細かな不満点を修正して、常に代表機種としてラインナップしておいてほしいものだ。



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