KSC:SIG P226R





購入前に知った情報で一番驚いた事は、ガスブローバックメカがKSC伝統の方式ではなく、Gシリーズ系、つまりタニオ・コバ系だという事。
初期に公開された試作品では違っていたのに、何故?


購入後に驚いたのはグリップの細さ。
握りやすいのはいいとして、見た目にもあきらかに細い!
これはおかしいぞと思ってタナカ・マルイ製品と比較してみたら、前後で1.5mm弱短く、左右では逆に1mm程度太い。
つまりグリップの断面が丸いのだ。
実銃用グリップを重ねてみても、後部のラインが合っていない。
(内部の部品形状の都合で、装着はそのままでは不可)

実銃のグリップが装着可能である事を、ある種のリアルさの基準といている自分にとってはかなりガッカリなポイントである。


ただし、握り安さでは他社製品よりはるかに良い。
他社製品にあるきしみも無く、非常にしっかりとしている。
実用品としてみれば、一番優れていると言える。

さらに余談だが、風の噂ではP226のバリエーションのひとつであるX-Fiveのグリップサイズを再現している…らしい。
だったら最初からX-Fiveを発売して欲しいよね。


その他の外観は、KSC製品の特徴のひとつである機械加工が多用されているため、非常にシャープで精密感にあふれている。
フレーム先端のアンダーレールはすべて削り出しで製作されており、オプション機器を装着して使用感が付く事がためらわれる程だ。
その他の加工箇所にはやや不満がある。
トリガーガード周辺は成型による素の平面と加工による平面が繋がっていない、スライドの加工部分の終端が直線になっていない、加工平面のすぐ横にヒケがあるなどだ。
売りとしている可動式ダミーファイアリングピンも、実物と形状が異なっている。

要は中途半端というい事。
ブローバックメカを単純にしてローコスト化したのなら、売価を下げずに表面仕上げにもう少しこだわって欲しかった。


動作性能は、Gシリーズから連なる負圧式という事で、スライドスピード優先となっている。
従来の方式にあった、重厚な印象が無いのが残念。
動作音も高音部は大きいものの、低音部がスカスカしている。
気温が高い状態での動作性はKSC製品中でもトップレベルだが、低気温にはやや弱い印象。
タンク一体式のマガジンなので、充分に暖めて使用したい。
マガジンの造形は、後部の接合部分の再現など見た目は非常に良い。

実射性能は、最近のKSC製品の平均的なレベルとなっており、近距離のまとまりは良好、ホップアップのかかりも良い。(調整は相変わらず微妙に困難)

トータルで見ると、満足度は高いものの、変更点に関しては得た物よりも失ったものの方が多い印象だ。


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