HOP-UPを改良しよう


上手くいけばかなり良くなります。オドロキ!


ラバーチャンバーの加工
KSC製品は全般的にHOP-UPのかかりが強く、共通の構造を持つSTIも同様です。
何故かというと、ラバーチャンバー内にあるバックスピンをかけるための突起 が出っ張り過ぎているためです。
正確に言うと、BB弾を保持するために一段細くなった部分とその突起が繋がっているために、突起自体の「逃げ」が無く、どうしても摩擦抵抗が強くなりがちです。

解消する方法ですが、その突起を削ってしまえば良いでしょう。
ただそれだけでは芸が無いので、今風の処理をします。
ソレは何かと申しますと、突起のセンターにミゾを彫る事です。

要は「2点式HOP」でありまして、ファイアフライ社のAPS-2/電動ガン用カスタムパーツ「くらげ」シリーズや、東京マルイのリニューアルパイソンに採用された「V-HOP」が同様の効果を狙って成果をあげています。

「チャンバー部分のバリを取る」「HOPチャンバー上のスチールボールを取る」「スチールボールの穴を深くする」といった手段がネット上で紹介されていますが、根本である突部分を加工するのが一番確実だと思います。


まずは、ラバーチャンバーの前側を裏返してHOPの突起を表に出します。
無理に裏返すと裂けるかもしれないので注意。

下側がHOPの突起です。


上手くいったら、細目の丸棒ヤスリでミゾを刻みます。
自分が使っているのは、ダイヤモンド粉末コートの、先端が1mm、もっとも太い所が3mm程のものです。
最初は先端を使って正確にセンターを狙って削ります。
センターに当たりが付いたら、少しずつミゾの幅を広げます。
突起の左右部分は、後々の微調整で泣かないためにごくわずかに削るだけにしましょう。
深さが1〜1.5mm程になったら、コンパウンドなどで磨いて仕上げます。

画像ではわかりにくいですが、HOPの突起の中央部の凹みが深くなっています。


試しに組み立てて実射してみましょう。
うまくいけば、左右へのバラツキがほとんど無くなります。
バラつかないものの左右に弾道が傾いている場合は、ラバーチャンバーが傾いているか、突起のミゾのセンターが出ていないためです。
チャンバーの傾きはHOPアジャストレンチで捻って修正、センターの出しなおしは削り残しておいた左右の山の部分を削って微調整しましょう。
削り過ぎるとHOPがかからなくなる可能性もあるので注意。

この加工で、ラバーチャンバーの上側にスキマが生じて気密が悪くなりますが、ガスハンドガンの弾の飛びは瞬発力がキモですので、少々では影響は出ないと思います。

またまたわかりにくいですが、後ろからのぞくと上側に凹みが出来ています。



KSC製品のHOP弾道は左右のどちらかに「安定して」散りやすいという特徴がありますが、それはHOP調整システムの構造が理由です。
HOP調整ドラム内にある傾斜面がスチールボールを介してラバーチャンバーを押し下げ、HOPの摩擦をBB弾に与えます。

・傾斜面はスチールボールを垂直には押し下げず、傾斜面の浅い方向に斜めに向かって力が加わります。
・また、HOP調整ドラムの回転にあわせてラバーチャンバーも若干回転します。
この2点が理由で、BB弾にかかる摩擦が左右のどちらかに偏り、散る訳です。

これを避けるには、HOP調整ドラムを回した後、その方向とは逆にわずかに力を加えて偏りを修正すれば良いでしょう。
結構微妙で、決まる時・決まらない時がありますが…。


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