幻の一品


発売前のゴタゴタ感がよく伝わります


謎の部品図
まずは画像をご覧あれ。
(クリックすると大きな画像が開きます)


これは、初回に出荷された製品に付属していた説明書に掲載されていた図です。
よく見ると、ノズル・シリンダー周辺、バレル内、マガジン上部が製品版と異なっている事に気がつきます。
実際の製品に採用された部品の図は、添付された別紙に掲載されています。

STIリアルメカverは、発売直前に業界団体のASGKの会合で危険性を指摘されて(*)、二週間程度で設計を変更して発売にこぎつけたという経緯が知られています。
*STIの銃身がモデルガンに組み込めるというものだが、実際は困難。
ハッキリ言ってライバル会社による言いがかり。

その、設計変更前の構造がこの図中のものです。
雑誌でレポートされたり、イベントで展示試射されてもおり、現物を目にして手にした人も多いのではないかと思います。

大きな特徴として、ガスルートが発射用とピストン作用向けに分かれており、マガジン側に発射用ガス制御用のバルブが内蔵されています。
これは、少し以前に発売されたマルゼン製品の影響を受けていると思われます。

バレル部の変更は、インナーバレルガイドという部品が短縮されて、その分を埋める様にスプリングがインナーバレルの周囲を包みます。
この変更はおそらくバレル全体を軽量化して動作を良くしようとしての事でしょう。

この変更で、インナーバレルアッセンブリーが前後に可動する様になったのですが、ずっとその理由がわかりませんでした。
ノズルの可動に関係があるのかと思っていましたが、先日入手した中古品を分解したらば、ノーマルよりもテンションの高いスプリングが入っていて、インナーが殆ど可動しない様になっていました。
それで問題があるかと言うとむしろ快調な程で、真似をして手持ちの個体を同様としてみたら実に快調に動く様に…。
具体的には、給弾不良・バレルとスライドのかみ合せ不調の解消、チャンバー内停弾の解消・初速のアップなど。
どうやら、インナーの前後可動仕様は動作に悪影響を及ぼしていた様子。
追加された仕様なので意図する事は何かしらあるでしょうし、是非とも知りたい所です。


実際の所、動作に関しては製品版と大差は無かったという証言が多く、これが世に出ていたとしても歴史は変わらないでしょうが、現物を手にして検証してみたい一品ではあります。

いや、ものは試しにメーカーのサービス部さんに聞いてみたんですが、やっぱり入手は無理でした(汗)

何と、その後縁があって入手に成功しました。

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