ORIGINAL OPINION proposed in Nov 23rd, 2000
Imari Pattern in Old Noritake
オールドノリタケにおける「伊万里」パターン
2000年11月23日新企画!
Since Nov 23rd, 2000
明治後半から戦前期に、森村組やノリタケカンパニーは、
「いわゆる伊万里パターン」のアイテムも制作していました。
あのドイツのマイセンやイギリスのDerby社などでも、
Imari patternとして親しまれた意匠です。
ここでは、その一部を紹介します。
中国の陶磁器と同様に、我が国の伊万里焼は
江戸時代に大量にヨーロッパへ輸出されましたが、当時のヨーロッパの人々にとって憧れの高級品でした。
オリジナルの磁器を作りたい!、彼らは熱望しますが、それは簡単なことではありませんでした。
かれらの渇望は、中国や日本の磁器に対する深い憧憬と
権力欲や金銭欲からです。
(このあたりのこては、ジャネット・グリーソン著、南條竹則訳
マイセン ー秘法に憑かれた男たちー
集英社2000年、ISBN4-08-773323-8に詳しい)
その後、ようやく磁器の制作技術を会得したヨーロッパの各窯が、
独自の趣味とオリエンタル嗜好のデザインをミックスさせていくのは、当然の成り行きでした。
いつの間にか、彼らは素晴らしい陶磁器産業を発達させました。
「いわゆるImari pattern」もそのような中で育まれた一つのパターンと言えましょう。
明治になると、ヨーロッパから「欧州風のImari」が里帰りしてきて、
さぞかし明治の人々の目を奪ったのではないでしょうか。
森村やノリタケはそれを再び取り入れ、もう一度輸出することになったわけです。
オールドノリタケのImari patternを見ていると、
欧州窯の作風をかなり模倣したと考えられる物から、
独特の雰囲気を持つに至っている物まで色々あることが分かります。
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分類を試みれば、オールドノリタケにおけるImari patternは、
1)欧州から来た「Imari 風」の意匠を参考にしたと考えられる物、
2)江戸時代から続く我が国の伊万里の意匠を踏襲したと考えられる物
に大別されるでしょう。
上に示した八角形のボールは、M in the wreath, Noritake, Made in Japan, Green Mark.
その他のボールやカップ&ソーサーは、すべてM in the wreath, Nippon, Green Markです。
ともかく、異文化の間を行ったり来たりした「伊万里焼き」や「オールドノリタケ」が愛おしく思えてきます。
私は、この「Imari pattern」のオールドノリタケが大好きです。
どちらがオリジナル?なんて言うのは、もう愚問。
いろんな文化が触発しあい、人や物が世界中を駆けめぐった末に、
できあがった一つの「形式」だと思います。
オールドノリタケの「伊万里パターン」について、
ご意見をお待ちしております。
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