岡山県高等学校教職員組合第79回定期大会は、初めてのオンライン開催となりました。昨年から世界中に広まった新型コロナウイルス感染症は、今年に入っても収まっていません。5月16日、岡山県に2度目の緊急事態宣言が出され、それが6月20日まで延長されるなかで、大会を迎えざるをえなくなりました。コロナ禍は、不十分な感染症対策と、GoToキャンペーンなどの失政による人災の様相を呈しています。
岡山県教育委員会は、高校へも生徒1人1台端末を導入しましたが、コロナ禍で家計が急変している家庭もあるなか、原則個人購入による導入には問題があります。高教組は、情報管理者を専任で配置することや、ネットワーク分離によって不自由を強いられている学校のオンライン環境を改善することなどを求めてきましたが、端末導入のための教育条件整備は極めて不十分な状況にとどまっています。児童生徒や保護者の教育費負担軽減と合わせて、引き続き運動を進めていく必要があります。
コロナ禍のもと各学校では、これまでに経験したことのない問題への対応を迫られています。そのようななか昨年度は、臨時休業によって減額された会計年度任用職員のボーナスの一部回復、スクールバスの増車に伴う添乗員経費の予算追加、夏季の教室の空調費や修学旅行のキャンセル料の公費負担などの成果を勝ち取ることができました。これらはいずれも、職場から声があがり、分会と本部が連携して実現させたものであり、職場を基礎に支えあい助けあう高教組運動の真骨頂を示しています。
また昨年度は、私たちが長年にわたって求め続けてきた35人学級が小学校で実現し、核兵器廃絶に道を開く核兵器禁止条約が発効しました。小学校の学級編制の標準が、全学年で引き下げられるのは41年ぶりのことです。核兵器禁止条約も、被爆から76年目の発効となりました。私たちには、先輩方から受け継いだ運動をさらに前進させ、より若い世代に引き継いでいく責任があります。中学校や高等学校での少人数学級を実現し、特別支援学校の実効性ある設置基準を策定させるために、運動を進めましょう。
コロナ禍によって、児童生徒のいのちと健康を守りながら学びを保障する学校のあり方が問い直されています。来年度高校入学者から新学習指導要領に基づく教育課程が本格実施されます。教員免許更新制の「抜本的な見直し」や、公務員の定年延長も進められようとしています。このような激動の情勢のもと、高教組の役割はますます重要になっています。組合があってこそ、教職員の勤務条件や学校の教育条件が守られ、改善されていくことを大いに語り、仲間を増やすとりくみを最優先に高教組運動を進めましょう。
2021年6月12日
岡山県高等学校教職員組合第79回定期大会