大会宣言
岡山県高等学校教職員組合第80回定期大会は、3年目に入ったコロナ禍が収まらず、ロシア軍によるウクライナ侵攻が続くなか開催されました。
コロナ禍のもと各学校では、感染防止と教育活動の両立のため、懸命の努力が続けられています。「3年ぶりに学校行事が実施できてよかった」という声が聞かれる一方、コロナ陽性者が出たため学校行事が中止となり、高額の修学旅行キャンセル料を負担せざるを得なくなったという事例も生じています。高校での生徒1人1台端末にかかる保護者や教職員の負担も看過できません。引き続き、コロナ禍に対応できる教育条件整備と、教育費負担の軽減を求めていきましょう。
岡山県教育委員会は、「学校における働き方改革重点取組」を策定し、「45時間超の教職員ゼロを目指して、月当たりの時間外在校等時間を3年間で15%以上削減する」という目標を掲げています。しかし、ここでは、いわゆる「持ち帰り仕事」の問題が明記されておらず、機械的に「早く帰れ」というだけでは、一層の過密労働と「持ち帰り仕事」を増やすことにつながりかねません。教職員の待遇と定数を改善し、少人数学級でゆきとどいた教育を実現し、教職の魅力を向上させることで、真の働き方改革を実現させましょう。
定年年齢を段階的に65歳へ引き上げる法改正が行われましたが、60歳以降の賃金や諸手当のあり方、新設される定年前短時間再任用制度や役職定年制など具体的な中身をどうするか、交渉はこれからです。また、現行の再任用制度は、職務や職責がほとんど変わらないのに、ボーナスの月数が削られ扶養手当や住居手当が支給されないなど、待遇だけが低く抑えられています。再任用制度の改善と合わせて、安心して65歳まで働き続けられる勤務条件の実現を目指して交渉を進めましょう。
教育職員免許法が改正され、7月1日をもって教員免許更新制が廃止されることになりました。これは、教員免許更新制の弊害を訴えてきた私たちの要求を、政府や国会も認めざるを得なくなったことを示しています。他方、教育公務員特例法に、研修記録の作成と指導助言が盛り込まれたことには警戒が必要です。教員の研修は自主的、自発的なものでないと効果はありません。研修が人事評価に結び付けられ、教職員の管理・統制を強めるような動きも許してはなりません。今年度は、人事評価の賃金リンクに関する枠組み交渉が予定されていますが、賃金に不当な格差が生じないような枠組みを続けさせるとともに、仲間を増やして教育現場の協力・協働の力を強めましょう。
2022年6月11日
岡山県高等学校教職員組合第80回定期大会