KJさんの投稿『KJの怪奇大作戦』第2弾です。
ごゆっくりどをゾ………
「ぼやけてたなぁ」
母方の親戚の話である。そこの家で80幾つかになるお婆さんが大往生し、
通夜の席でこんな話が出た。
「ばあちゃんなぁ、死ぬ2週間前ぐらいに茶の間さ来て、オラ達の話を黙
って聞いてたべな」
「んだな。まんずオラさ、目が悪ぐなったでねがと思った」
「なしてや?」
「ばあちゃんの顔が、やけにぼやけててよ、どんな顔してたか見えねがっ
た」
「何?おめもか?」
「あやぁ、おめさんもか?」
「いんや、他の連中の顔、はっきり見えたんだげども、ばあちゃんの顔だ
けだった」
「へぇ、おめさん達も?オラもだけど、気のせいかとばっかす思ってで言
えねがった」
「オラもだ」
亡くなる2週間前にお婆さんが茶の間に姿を見せたとき、その場に居合わ
せた全員が、お婆さんの顔だけぼやけて見えていたそうである。
「誘導」
父の体験である。父は印刷を営んでおり、イラストや図形の版下を車で1
時間程の所にある会社に外注していて、仕事が忙しいと夜中に車でその会
社へ行くことも多い。そんなある日、版下を受け取って車で帰宅の途中の
事である。時間はすでに夜の10時半。
宮城県北部は全国有数の穀倉地帯であり、父が走っていた国道の両脇は田
んぼが広がり、見通しはいい。と、突然道の前方に工事用の赤く点滅する
コーンがずらりと並び、その手前でヘルメットかぶった人が誘導灯を振っ
ているのが見えた。
「あれ?1時間前は何も無かったような気がするんだが。疲れてるのかぁ」
とにかく誘導に従って、脇道に入った。その脇道は車一台が通れるだけの
幅しかなく、しかも国道とは90度の方向に伸びている。
「ん?変だな?」
不振に思って一旦車を停めて、父が後ろを振り返ると、何と国道にはコー
ンが無い。誘導員もいない。車が何事もなく行き交っているだけ。
「………??」
国道の両脇は田んぼで、隠れるところなど全く無く、あれだけの数のコー
ンをわずか十数秒で隠せる事は物理的に不可能である。
それに、田舎の場合は大抵道路工事は昼間にやるので、夜の遅い時間に誘
導員がいるのもちょっとおかしい。都会なら珍しくもないが。
父はゾクッとしたが、とりあえず車を国道に戻さなければと思い直して、
バックしようとした。しかし道幅が狭いうえに、国道は交通量が割と多く
危険である。仕方なく今いる道を直進して、切り返せる所を探すことにし
た。
車を走らせていると、前方に民家が一軒見えてきた。
「よかった。あそこあたりの空いているところをちょっと借りて、切り返
そう」
車が民家に近づいてきたとき、父は玄関に貼られている一枚の紙に気が付
いた。その紙には
「忌中」
と書かれていた。
父はその後どうやって家に帰ってきたか、覚えていないと言う。
KJさんより
ほめぱげの「怪奇大作戦」というネーミングから、創さんも
あの30年近く前の、円谷プロの傑作を見たことと思います。
私、「怪奇大作戦」のLDを全部持っているんです。
放送コードの関係から、もはや再放送不可能といわれている
「狂気人間」も収録されてるんです。
他には「青い血の女」がラストは衝撃的でしたね。
「白い顔」は、サブタイトルが出るときの画面が気持ち悪か
ったでした。
「京都買います」のラストシーンはあまりにも有名(特撮に
くわしい人には)だし。
「呪いの壷」でのお寺の炎上シーンは、本物としか思えませ
ん。
「かまいたち」の人体バラバラシーンは、当時幼稚園だった
私には衝撃的で、いまも鮮明に覚えてるんです。
「恐怖の電話」の人間炎上シーンも同様に衝撃的でした。
今、リニューアルで円谷が作ってくれないかなあ。今なら
特撮もすごくリアルにできるでしょうけど、牧史郎を演じた
岸田森さんがもう故人だから…。
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