今回は我がSHADOの面々の恐怖体験をKJさんがまとめた物を公開します。
「佐波川ダム」
ほめぱげのBBS「ペンペンの足跡」での、私の競馬仲間のごまさんの体験談であ
る。
山口県佐波郡徳地町に佐波川ダムと言うダムがある。ここには幽霊が出ると言う噂
があり、全国ネットのTV番組で紹介されたこともある。
ごまさんが佐波川発電所に勤務していた頃、幽霊が出るというスポットの前を通ら
なければ点検に行くことができなかった。そのスポットはそこだけ苔の色が周りと違
っており、またトンネルの出口に近いこともあって昼間でも怪しい雰囲気を醸し出し
ている。
ある日、ごまさんは点検のために一人でそこを歩いていた。そして、そのスポット
に近付いて行くにつれ、ごまさんの体が重くなり、背筋に冷たい汗をかいていった。
いつもは何でもないのにその日だけは違ったのだ。
結局ごまさんはその時点検ができずに戻っていったのだが、同じ日の午後に同僚と
二人で点検に行くとなぜか体は重くならず、無事に点検を終えることができた。何故
あの日だけそうなってしまったのかは今でも分からない。
「創さんの話」
創さんが体験した事である。
「あれは、わたしがいまのアパート暮らしになる前、実家で生活していた頃のこと
です。
ある夜、寝ていたら何だか胸の上に重みを感じて目が覚めました。真夜中だったの
で、目が覚めたといってもまだ意識がもうろうとしていたんですが、胸の上では子供
(と思う)が飛び跳ねていたのです!
びっくりして飛び起きようとしたんですが、体が動かない。そのうち子供は部屋の
中を駆けずり回りだしました。どたばたドタバタ……ってなもんです。どうも一人じ
ゃあなかったみたい…。
とにかく何とかしないと、と思い必死になって般若心経を唱えたら、何とか静かに
なりました。
後日、友達に話したら『おまえ、水子つくってんじゃねーか?』といわれましたが、
もちろん心当たりはありません。
いったいなんだったのでしょーか???」
「伊勢神トンネル」
伊勢神トンネルは、愛知県の山中にあり、そこの旧トンネルの方を指す。
以下の話は、ほめぱげのBBS「ペンペンの足跡」の常連さん、しゃあさんから
寄せられたお話である。
長文なので、原文ママで載せることをお許し願いたい。しゃあさんのナレーショ
ンのつもりで読んでください。
……………………
伊勢神トンネルの旧道は時期が悪いと入り口に草が覆いかぶさるようになる。
これは地元の人間すら敬遠して使っていないことを意味する。
地元で知られている心霊スポットは信憑性が高い。
これは学校で私の友人がくらった長大な物語である。
M氏には口寄せの家系の友人がいる。
口寄せというのは死者の霊を呼び寄せる霊媒のことであるが、祖母の代までは現
役であった。
この友人が手に入れた赤いコスモの試運転先に選んだのが伊勢神トンネルだった。
悪友共と連れ立って伊勢神トンネルに入るまではこの友人の血筋のことは気にし
ていなかった。
トンネルの中ほどに車を止めるとエンジンを切りライトも消した。
緊張の一瞬が過ぎ、「なんだこんなものか」という空気が流れた時、トンネルの
壁の青白い光に気がついた。
見ればそれは作業着を着た男の姿をしている。
あわててエンジンをかけようとしたがかからない。
男は近づいてきて窓から車内をのぞき込むようにして・・・消えた。
瞬間、エンジンがかかり、山道を駆けおりた。
平地に降りてここまでくれば、と安心した時電信柱ほどの上空に妙なものが見え
た。
二つの明かりがまるでこいでいる自転車のペダルについている反射板のように交
互に上下している。
恐怖に駆られて車を飛ばしても二つの明かりは離れようとはしない。
街の明かりが増える頃ようやく正体不明の明かりは消えた。
友人のアパートに転がり込むとともかく酒を飲んだ。
ようやく人心地がついた頃、フローリングの床が入り口から居間に向かって、ま
るで人の足音のように、ミシ!ミシ!ミシ!と鳴った。
もはや眠れる状況ではない。
朝日がさすまでは頑張るしかない。
ようやく長い夜が明けようとする頃。
玄関の扉がドン!ドン!と大きくノックされた。
騒ぎすぎて近所の人が怒ったのかと思い、扉をあけると…誰もいなかった。
朝が来て、ようやくみんなは解放された…ように見えた。
コスモでみんなを送ろうとすると車はすっかり夜露を被っている。
その窓のうち、あの幽霊が覗いていた窓だけはふき取ったようになっていた…。
その後も怪異は続いた。
あのコスモはルームランプが不調になった。
ドアを閉めると当然ルームランプが消える。
しかし車を離れようとするとまたルームランプが点くのである。
何度かドアを開け閉めしても同じである。
腹を立てた友人はアパートの知人に調べてもらおうとした。
知人に「ほらあの車が…」と指差すとワイパーが動きはじめた…。
M氏は名古屋から1000kmも離れた自分の下宿に戻った。
赤いコスモの悪夢はすっかり忘れていた。
ある日、M氏は閉めたはずの部屋の扉が開いていることに気がついた。
その日からこの扉はいくら閉めても開くようになった。
逆に開けておくと閉まってしまう。
「立てつけが悪い」と腹を立てた彼は、コーラの2リッターの壜で扉を押さえた。
翌朝、壜は動いてないのに扉は開いていた…。
ある年の下宿の忘年会で入り乱れて寝たせいで、M氏の後輩がM氏の部屋で寝て
いた。
後輩は寝床でM氏の部屋の扉が風もないのにゆっくりと開いたり閉まったりする
のに気がついた。
ぼんやりと「なぜかな」と扉を見ていると、いきなり扉が見えない手に掴まれた
ようにギッ!ギッ!ギッ!と大きく開閉された。
その後、M氏の部屋の明かりはその後、昼でも点けっぱなしになった。
幽霊が恐いわけではない。
明かりを消してもいつの間にか点いているのである。
結局、M氏のささやかな抵抗は点けっぱなしの電灯と神社のお札に落ち着いた。
SHADOより
SHADOの中には、この他にも怪異な体験をした者が何人か居ます。例えば、最近ペンペンに出没す
るサムや、くろちゃんはメンバーの中でも特に霊感が強く、叔父さんの葬式での出来事や、水害で亡くな
った人の亡霊目撃などがあります。また、重鎮だった故N氏は、四国でラリーの取材中に林道のコースで
女性の幽霊と遭遇しています。ちなみに、しゃあさんには「熱砂の地縛霊」という二つ名があります(爆)。
それから伊勢神トンネルは、創さんが大学一年生の時に地元の友人と夜中に車で行ったことがあり、今
回のお話にあったようにトンネルの中で、車のライトを消しました。その時は別に怪奇現象は起こらなか
ったのですが、真っ暗なトンネルはまさにこの世とあの世とを繋ぐ接点といった感じで、かなり恐かった
のを覚えています。一緒について来た別の友人(っていうか、嫌がるのを無理矢理連れていった…)は、
車の中でブルブル震えていました。
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