女性RAの骨粗鬆症と身長短縮の相関

上野整形外科、くすはら外科、整形外科、三洋骨粗鬆症研究所

上野武久、今井弘子、岡本純明

[目的]
 女性の慢性関節リウマチ(RA)は続発生骨粗鬆症の代表的疾患としてあげられることが多いが、実際の腰椎骨密度の測定では大量ステロイドを使用した例を除き、殆ど同年齢の骨量と有意差がない。「RAで全身性骨粗鬆症が起こるか否か」という点について女性RAの骨粗鬆症の程度と身長の相関を検討した。

[対象及び方法」
 ステロイド未使用か少量のステロイドでコントロールされている35〜80歳の女性RA患者120名においてX線を撮影、QDR-1000Wにて第2-4腰椎の骨密度測定、StratecのpQCTにより橈骨骨量を測定した。前例について同一の測定者が測定解析を行った。20歳時より骨塩量測定時までの身長短縮を調査した。

[結果及び孝按]
 RA患者の骨塩量は同年代の女性のZ-Scoreと有意差がなかった。すなわち同年齢の閉経後骨粗鬆症と一致する骨量減少であった。身長の短縮はRA患者においても腰椎骨量とよく相関して進むことが確認出来たが同年齢の対照女性に比較すると身長低下に比較して腰椎骨量は高い傾向にあり今後の検討を要する。

[結語]
 RA患者骨量測定で橈骨、踵骨には著明な減少が認められるが腰椎骨量は保たれていた。身長の短縮は腰椎骨量とよく相関して低下しており指標として重要と考えられた。

第32回中国・四国整形外科学会,岡山衛生会館, 平成11年11月7日発表