世界一の老人大国における少子化問題

★今や日本は世界一の長寿国であり、これに世界一の少子化国が加われば、世界一の老人大国になることはいわゆる火を見るより明らかと言えるでしょう。 しかし、この問題に対して、国の対応の遅さはさすがに日本というしかありません。(これは皮肉です。念のため。)
さてここで私が問題にしたいのは、少子化ということについてです。(老人問題はまた別の機会にしましょう。) まず、原因を考えるに、1つには核家族によることが、あげられるでしょう。 これによって人的負担が相対的に増し、今まで3世代による子育てが、2世代に限られる場合が多くなったということです。 それに加えて、経済的負担ということがあげられるでしょう。日本は経済的に豊かになりましたが、逆にそれにより、豊かさに対する閾値が高くなり、そのため経済的余裕が少なくなるという逆の現象が起きていると言えるでしょう。 そのため、子供の養育にかかる費用がまかない切れなくなったということでしょうか。 しかし最も大きな原因は、社会観の変化によるものだと、私は言いたいのです。 悪い言い方をすれば、大人のかってなものの考え方によるものだということです。

まず、人間は自分に都合のいい考え方をする傾向にあるということです。 (話は飛んで、)戦後、アメリカの影響により、民主主義が日本に根づきました。(いちおう。) さらにアメリカの影響もあって、個人主義というものが日本に広がりました。 この個人主義というのもいろいろ解釈ができるのですが、要するに、他人に頼らないで、自分で責任を持って自分の事を行えというものです。 ただ誤解されやすいのは、義務と責任を果たさずに自由を要求するのは間違いだということです。 一見矛盾するようですが、自由は、社会を保ち、他人に迷惑をかけない範囲で最大限に許されるものであり、これを越えることはできないということです。もう一つ個人主義で気を付けなければいけないのは、自分の責任と過ちを他人になすりつけてはいけないということです。 このことを踏まえた上で、少子化問題に戻りましょう。

要するに何が言いたいかというと、みんな自分のことさえ良ければいいという考えが、少しずつ社会をむしばんできているのではないかということです。 少子化はそのよい例だと思います。 自分の国が老人だらけになると(ひどい言い方ですいません)、困るのは自分たちなのに、さらにそれに拍車をかけるような事をしている。 それが少子化です。

これを防ぐには国の力がないとできません。 国を挙げて、子孫繁栄推進プロジェクトを行うべきです。 国家による意志誘導は、戦前の過去の暗い歴史が阻もうとするのでしょうか。 誤解をおそれずに言わしてもらえば、たしかに、軍国主義の亡霊が出てきそうな気もしないわけではありません。 しかしだからといって、国が手をこまねいて見ているということには、私は賛成できません。 国民が国家をしっかり監視できる下地があれば、国がすべき事はしてもいいのではないでしょうか。 少なくともサッカーくじを推進することよりは、よっぽど大事な事だと思っています。