市労連 市人事委員会に申し入れ
職員の労苦に報いる 勧告・報告を
市関連労組7組合で構成する広島市労連は、4月20日、市人委員会に対し申入れ書を提出しました。今年度の組織改定により、行政委員会の事務局が統合されたとの説明が人事委員会からありました。
労働基本権制約の代償機関として役割発揮を
市労連の山田議長は、3月に決着した定年延長交渉で、高齢層職員のモチベーションの維持のための処遇改善や、当局が人員増を行うと踏み込んだ回答を示した交渉結果を受け、人事委員会も労使合意を尊重し、人員不足の職場への早急な対策に寄与してほしいと訴えました。
また、人事委員会が地方公務員の労働基本権を一部制約した代償措置として設立されている趣旨を踏まえ、労使合意事項や労働組合の意見を十分に尊重するよう申し入れました。
人材確保のためにも処遇の改善を
木下市労連事務局長は、申し入れ書の各項目内容について説明。時間外労働時間の上限規制が導入されたが、コロナ対応のため、規制を超えての残業を余儀なくされている職場実態がある。
会計年度任用職員の一時金は期末手当しかないため、下がるときは期末手当、上がるときは勤勉手当という現状の勧告では、正規職員と会計年度職員の一時金の格差が拡大してしまう。
以前数年間、給料表のプラス改定があった際、国より広島市の勧告率が低いため、初任給部分の引き上げに格差が生じ、国や他都市と比べ初任給が相対的に下がった状態となっている。人材確保のためにも初任給の改善が課題ではないかー など、課題と考えている点を説明しました。
職場のデジタル化 現場の意見の反映を
市職労からは塩見委員長が発言し、昨年度の人事委員会の「人事管理に関する報告」のなかで、デジタル化による勤務環境の整備を打ち出していたが、現場はそう簡単ではない。
システム導入によって、システムでは足らない部分の仕事を職員が手作業で補うなど、職員の負担が増える場合もある。実際には職員の業務は増えたのに、「システム導入で効率化できた」と人員を減らされ、職場は人手不足が深刻化している。
ただデジタル化すれば、職員の負担軽減ができるというものではない、現場の実態をよく把握し、現場の声をデジタル化に反映するよう指摘しました。
軍備拡大は いつか来た道
核兵器も戦争も禁止された平和な世界を
誰しも平和を願う
ロシアの暴挙に怒りと困惑
ロシアがウクライナに侵攻し、世界に衝撃が走りました。21世紀に大国がこうした暴挙に出ることは、にわかには信じがたい現実です。多くの方が、日々戦争の犠牲者が増えていく状況に心を痛め、一刻も早い停戦を願いながらも、どうすればよいのかと戸惑いを感じているのではないでしょうか。
毎日、戦場から届くニュースと、自分たちが送っている日常とのギャップにも、どうにも心の整理がつきません。
軍事力に軍事力での対抗は
歴史の逆行にほかならない
こうしたなか、自分たちの国を守るには、さらなる軍備拡大が必要だと、与党である自民党は声高に主張しています。一部には、核兵器を米軍と共有する「核シェアリング」など、米政府も到底認めないような主張をしている政治家もいます。
しかし、軍事力に軍事力で対抗しようとする姿勢こそが、旧世紀を象徴する政治の姿であり、この「解決策」はいまも各地で紛争をもたらし、軍事的威嚇によって他国を威す手段に転じて、国際社会の課題解決を阻んでいます。アメリカもイラクやアフガニスタンで戦争をしましたが、国内外に戦争の犠牲者を増やしたあげく、不安定な情勢は続いています。
しかも、日本が軍備拡大をしたところで、相手国はそれを上回って軍拡をする、軍拡競争に拍車がかかるだけで、際限がありません。子育てや介護の予算が削られて、際限ない軍拡に税金を注ぎ込む余裕が、日本にあるでしょうか。
核兵器と人類は共存できない 核兵器を禁止するしかない
核兵器という人類の生存を脅かす兵器を、国際社会に標的を向け威すプーチン大統領の行為は、人類の自滅の道を進もうとする狂気としか見えません。20世紀の冷戦構造のもとで、お互いが世界を滅ぼす規模で相手陣営に核ミサイルの照準を向ける「異常な」世界が、21世紀のいまなお継続していること、その危険性を、改めて今回気づかされることになりました。
核兵器禁止条約に多くの国が賛同し成立したのは、まさにこうした危険を世界から取り除きたいからに他なりません。いま、核兵器の威嚇の力に頼ろうとする議論は、核の脅しで支配しようとする狂気の世界を、さらに継続しようとするものです。
戦争も核兵器もNO!
世界の人々が連帯し、戦争をやめさせる、粘り強く声をあげていきましょう。
2022ヒロシマ憲法集会
いま世界に通じる 日本国憲法の理念
現代兵器と情報戦 より民間人を巻き込む戦争へ
5月3日、弁護士会館で「2022平和といのちと人権を!」5・3ヒロシマ憲法集会が開催されました。
新潟国際情報大学教授の佐々木寛氏が招かれ「市民がつくる新しい社会」と題して記念講演が行われました。
佐々木寛氏は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に触れ、ロシア軍はこれまで開発した新しい兵器を実戦投入している。武器を持つ側は無人化して攻撃し、武器を持たない民間人が標的にされる「非対称性の高い戦争」となっている、と戦争の性質の変化を指摘。さらに、自らの正当性を国際社会にアピールするための情報戦も、SNSの登場によって激しく展開され、さらに戦争が一般市民を巻き込んだものになっているとしました。
いかに戦争が非人道的か、より市民への犠牲が拡大し非人道性が高いものになっているかをロシアが実際に使用したと思われる兵器を例に訴えました。
「政府」が戦争をはじめ 世界中の市民が戦争阻止で連帯
こうした状況のもとで、SNSによる世界各地で国境を越えて展開されている反戦運動など、戦争を止めようという世界の動きが希望だとしました。
そして、日本国憲法前文には、「政府の行為によって」起こされる戦争を、国際社会の連帯の力で防ごうと書いてあり、まさに名もなき市民の力で戦争を止めようとするいまの世界の動きと符合している。と憲法の先進性を強調しました。
多くの原発かかえ 戦争できない
原発再稼働は安全保障の課題に
また、現実の問題として、今回戦争になれば原発がターゲットになることがわかった。日本は多くの原発を抱えており、「もし戦争が起ったら」と軍事的な対抗措置を考えること自体が非現実的。原発が日本の安全保障の弱点となり、狙われたら終わり。外交的な解決を置き去りに、軍事的な解決を考えるのは政治の無責任と指摘しました。
佐々木教授は、反原発運動への関わりから、新潟での野党共闘を呼び掛ける「市民連合」結成に加わり、立憲主義を否定する憲法改悪を許さないために、立憲野党の協力体制と候補者調整に尽力した自らの体験を語り、野党共闘の必要性を訴えました。
エネルギー政策と地方自治の興味深いつながり
また、「市民がつくる新しい社会」のためには、再生エネルギーを主体に地域にエネルギー事業が分散することが必要と、独自の考えを披露。実際に原発に依存する国は、中央集権的で地方自治がないがしろにされやすいと各国の傾向を分析しました。そして、反原発運動から得た教訓として、市民が地域で自分たちのエネルギーを生産することが、住民自治につながるとしました。
エネルギーの地域への分散を、地方自治・地域循環型社会の軸の一つとしてとらえること。地方自治を守り発展させるためにも脱原発を進め、地域住民がエネルギー生産に携わることに意義があると、講演をしめくくりました。
戦争とコロナから いのちと暮らしを守ろう
第93回広島県中央メーデー
コロナに負けずに市民に呼びかけ
5月1日、第93回広島県中央メーデーが広島市中央公園(ハノーバー庭園)において開催されました。デモ行進は、平和公園や京口公園前からスタートし、メーデー会場に向かいました。感染防止対策のためシュプレヒコールは行わず、「戦争反対」「最賃引き上げ」などのマイクのコールに続いて、ハリセンを小気味よく鳴らし、市民のみなさんにアピールを行いました。
主催者あいさつに立った実行委員会代表委員の神部泰・県労連議長は、「長引くコロナ禍で労働者や国民の生活は深刻な状況が続いています。コロナ禍からいのちと暮らしや雇用を守る世論と運動を広げましょう」と呼びかけました。
各団体の訴えにみな共感
各団体の活動報告では、「日本政府は核兵器禁止条約に署名、批准を」「長引くコロナ禍で看護師離職が続いている。病床数も減らされている。医療福祉の充実を」「大型公共事業にしか目がない金権政治を選挙に行って変えよう」「小学校でも平和学習に取り組んでいる。市民が声をあげることの大切さを子どもたちともに考えたい」「ウクライナではロシア兵による性暴力が増えている。あらゆる視点にジェンダー平等の視点が必要」などの訴えがありました。会場では報告を聞いて、頷いたり応援の拍手を送ったりする参加者の姿がありました。
恒例のプラカードコンクールでは、ウクライナの絵本「てぶくろ」をモチーフにした広島市職労退職者会、ヒマワリのプラカードに「平和とは何か」を訴えた、はたらく女性の広島県実行委員会が受賞しました。
生活と権利を守る社会をめざして
「9条改憲反対」「全国一律最賃1500円の実現」「ジェンダー平等の実現」「軍事費を削って医療福祉といったコロナ対策にまわせ」「そのために市民と野党の共闘をさらに広げ、参議院選挙での前進、政治転換の流れを大きくしましょう」と訴えたメーデー宣言と、メーデースローガン『働く者の団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう』が満場の拍手で採択されました。