現場職員の努力だのみは限界
人員体制の充実 老朽施設改善に予算を
広島市職労重点要求書提出
10月26日、賃金確定交渉に向けた広島市職労としての重点要求書を秋田人事部長に提出しました。
冒頭、人事部長が確定交渉に臨む当局の考え方を示し、市人事委員会勧告や他の政令市の動向、要求項目についての検討状況等について説明がありました。
会計年度職員の一時金引上げを
学校給食 正規採用しかない
組合からは、塩見委員長が発言し、「会計年度任用職員の一時金の引上げは最重要課題と考えている。初任給改善は実施してもらいたいが、高年齢層の職員も処遇改善が必要だ」と訴えました。ガソリン代の高騰を受け、通勤手当(交通用具)の改善についても意見を伝えました。また、学校給食調理員職場で今年度から導入された臨時的任用職員について、「正規職員の欠員は今後何年間も状況が変わらないのに、臨時的任用職員で代替を行うのは、任用を厳格化した法改正の主旨に反する運用だ」と追及しました。
職員を守るため長時間残業是正
老朽施設の安全対策を
木下書記長が重点要求項目について触れ、
◆女性部から孫休暇の要求があり、子の子育て支援などを制度化できないか。
◆コロナ禍で長期的な非常時体制が続いており、対応職場は上限を超えた時間外をせざるを得ない。災害特例があるから残業できるということでなく、あくまで非常時の措置として、特例措置が連続しないよう職員を守るルールが必要。
◆勤務時間適正化の検討会で協議した内容について、具体的な改善策を示してもらいたい。
など申し入れました。
今回、老朽化施設の安全対策を重点要求項目に追加し、施設の老朽化で「職員や利用する子どもたちの安全が脅かされている」と、現場から切実な声が寄せられているとして予算拡充などの対策を求めました。
子どもたちのために
正規の増員と施設の改修を
保育園支部からは「正規保育士削減により、会計年度保育士だけで保育をすることが増え、強い負担感がある。また、正規保育士の産休対応のために、年度中途で正規の担任が他園に異動するケースが続いている。せめて自園で対応できるように、正規保育士を3歳未満児クラスに複数配置してほしい」「築45年を経過している保育園が87園中57園もある。老朽化で漏水事案等が起きている」との発言がありました。
第1回賃金確定交渉
コロナ禍・物価高騰の苦難のなか
職員の労苦に報い 要求実現を
10月27日、広島市労連(市職労・水道労組・市民病院労組・市立高教組・全教・広教組・新市教組)と市当局との第1回賃金確定交渉が行われました。併せて、年末一時金についての要求書を提出しました。
賃金確定交渉に臨むうえでの
市当局が示した考え方
冒頭、企画総務局長が、コロナ禍や物価高騰の影響を受けた市の厳しい財政状況、国や他政令市の勧告状況に触れたのち、今年の賃金確定交渉に臨むうえでの「市当局の考え方」を示しました。
●市人事委員会は、月例給については、官民較差が0.24%(906円)。職員の期末・勤勉手当を0.1月引き上げるように勧告している。月例給は4年ぶり、一時金は3年ぶりのプラス勧告。月例給については、民間初任給との格差や若年層に重点を置いた国の勧告の傾向を考慮し給料表を改定することとしている。
●再任用職員の一時金は、市の勧告では触れていないが、国は0.05月の引上げとしている。また、3月の定年延長交渉で令和6年4月から月例給を4000円引き上げるとした。
●会計年度任用職員の一時金は、正規職員と同様の取り扱いを原則としつつ、昨年度の引き下げの際は、組合側からの強い要求があり、引下げ率を緩和した。
●長時間過密労働の是正については厚生労働省のガイドラインを十分に認識し、職場の意識改革に取り組む。
などこれまでの交渉経過も踏まえ、次回交渉で回答を提示したいとしました。
全世代が改定できるよう要求
当局説明を受けたあと、賃金確定交渉での組合側の要求・課題を伝えました。
山田議長は、「コロナ禍のもとで職員は懸命に業務にあたっている。国の給料表改定では30歳後半から改定なしとなっているが、物価高騰等は全世代に影響しており、広島市では給料表改定も全世代が対象になるよう協議をしていきたい」と述べました。
木下事務局長は、「今回の人事委員会の人事管理の報告では、勤務環境改善への具体的な項目が多かった。この取り組みをしっかり実施することが必要ではないか」と指摘しました。
職員の労苦に報いる改善を
市職労からは、塩見委員長が発言し、
◆通勤手当について、ガソリン代が高騰しており、交通用具の手当の見直しが必要ではないか。公共交通での通勤が難しい出先機関での駐車場補助についても改善をお願いしたい。
◆会計年度任用職員が、制度導入当初の「職の設定」どおりになっていない。正規職員が削減され正規職員と負担や責任が変わらない。業務の役割分担・処遇改善が求められている。
◆労働時間管理の適正化が職場で徹底されていない。サービス残業にならないよう実効ある措置を取ってもらいたい。
などの様々な職場の要求課題を訴えました
現業職場にもっと人員を!
現業評議会 要求書提出
市職労現業評議会は10月26日、市当局に「2022年度要求書」並びに「現業職場への正規職員補充等を求める要請署名」1436筆を提出しました。
現業職員削減はありえない 現場の声を聞いてほしい
冒頭、平野現業評議長は、「住民の命と暮らしを守る最前線で働く私たち現業労働者を削減することは、市民の安全な生活を脅かすことに直結します。現場の切実な声をくみ取っていただき、要求実現のためご尽力いただきたい」と述べました。
人材の育成 技術の継承 正規不足で困難さ増す
私たちの考える正規職員とは何か?職場でリーダーシップを取り、教える・育てる人材。この人材がどんどん減ることが非常にもったいない。なぜなら私たちは、作業における技術の継承だけではなく、事故を防ぐ継承も行っており、教えるには経験年数が必要だからです。しかし、今の職場は切羽詰まった状況で人員が不足し、次の世代に知識や技能を教えていくことが困難になっています。
各職場での新規採用の要求に対し、各局でふるいにかけず、現場が必要とする正規職員を採用するよう強く要求しました。
引き続き現業評議会は正規職員による新規採用と、組合が要求している同一労働同一賃金を重点課題とし要求していきます。
環境局支部局次長交渉
事業の変更に伴う人員体制確保を
65歳定年まで働き続けられる職場に
10月31日、環境局支部は局次長交渉を行い、今年度の支部要求書に対する当局からの文書回答書を受け取ったのち、新規採用や車両更新などを含めた重点要求を申し入れました。
高齢者等のごみ出し支援事業は直営を
現在、廃棄物収集運搬処理業務研究会において検討されている「高齢者等へのごみ出し支援事業」については、直営体制による実施を基本に人員と車両を確保することと、支援を必要とする住民が利用しやすい制度を設計するよう申し入れました。
高齢職員が働きやすい職場の整備を
また、玖谷埋立地の後継となる恵下埋立地の開所時期が、令和6年度末となるとの回答を受け、職員が働きやすい職場を整備することと、清掃指導員以上の職員配置とすることをあらためて要求しました。
そして、地方公務員の定年年齢の引き上げを迎えるにあたり、ごみ収集業務はデスクワークとは違い、加齢に伴う体力の低下などの課題があることを指摘して、高齢の職員にとっては厳しい労働環境になるため、65歳まで働き続けられるよう収集業務量の軽減を含めた対策を行うよう申し入れて、交渉を終えました。
会計労組学校給食調理員支部 要求書提出
変わらない処遇に不満の声、多数
待遇改善を切実に要求
10月13日、広島市会計年度任用職員労働組合の学校給食調理員支部は「学校給食調理員の賃金・労働条件の改善に関する要求書」を提出しました。
会計年度調理員の低賃金 正規同様に底上げを
最初に、竹之上支部長から「ここ数年現場はコロナで困惑しているが、今まで通りおいしく安全な給食は変わりなく提供できている。しかし、前年同様要求事項に対して進展がなく、処遇も変わらない。さらに、国の施策で介護や保育園給食は賃金アップしたのに、学校給食は枠外。到底納得がいかない。そのうえ、正規職員は勤勉手当の引き上げが見込まれているが、会計年度職員は期末手当のみで勤勉手当はない。期末手当ばかり減らされてモチベーションは下がりっぱなし。法律上無理だからと言わず、勤勉手当を含んだ内容で考えてほしい」と訴えました。
過酷な調理員の現場 みな同じ待遇を望む
続いて参加した組合員から、
◆栄養士不在の学校では正規職員の仕事量が増え、給食調理はさらに過酷である。
◆比較的新しい設備の学校から古い学校へ異動すると、体への負担が大きい。
◆応援パート制度の改善をお願いしているが、6Hは午後から休みにくい。
◆8Hのいる学校だが、6Hも一緒に4Hのサポートをしている。責任は8Hと同じく大きい。
◆長く働く4Hに、6Hの採用試験をすすめても、待遇の違いで受けようと思ってもらえない。
◆保育園と同じく子どもの命を預かる重要な仕事。同じ待遇を望む。
など切実な声ばかり。現場の現状を訴えました。
教職員課の見解
処遇改善の必要性認識している
教職員課調整担当課長からは、「安心・安全な給食に感謝している。『保育園給食の賃金アップを受けて改善すべき』とは認識している。また研修について、コロナの影響で正規職員のみが受けて職場で伝えるかたちになっているが、全員が研修を受けるべきと考えており、再開すべき。応援パート制度について、お金のかからない、知恵で乗り切れることはすぐにでも改善する」と回答がありました。