2023広島県国民春闘結成総会
黙っていれば所得減
「賃上げ」のため 職場に労働組合を
12月9日、広島県労連や民主団体、共闘組織でつくる2023広島県国民春闘の結成総会がロードビルにてオンライン併用で開催されました。全労連副議長の秋山正臣氏が記念講演し、23国民春闘に向けた課題や情勢について語りました。
物価上昇に追い付く賃上げ必要
労働者に利益の分配を
秋山氏は、これまでにない状況として、急激な物価高騰が起きていて、労働者の額面上の賃金=名目賃金は増加しているものの、それを上回る物価上昇により2022年7月時点での実質賃金は1.3%のマイナスとなっているとしました。また、この間ずっと指摘している、日本だけが賃金が下がり続けている問題では、労働者の賃金は下がる一方で、企業の内部留保や株主配当など、企業や富裕層に利益が偏り、労働者に利益が分配されていない構造上の問題を転換する必要があるとしました。
求められるケア労働者の処遇改善
岸田首相は、総裁選では「新しい資本主義」を掲げるなかで労働者への分配を強調し、格差拡大の新自由主義経済を転換するかのように訴えていましたが、いまは、個人投資の促進などに、方針がすり替わってしまっています。
様々な統計等のデータを分析するなで、業種ではサービス業の賃金が低く、とりわけエッセンシャルワーカー・ケア労働者の労働価値を再評価し、給料を上げていくとりくみが必要だと訴えました。介護、保育など女性の仕事=家事の延長という先入観で、賃金が低く抑えられたり非正規労働とされ、男女の賃金格差を生み出している。ジェンダー平等の観点からもケア労働の賃上げが重要としました。
最低賃金の引上げも重要
また、最低賃金近傍の時給が多いのは、中小企業よりも、大手企業フランチャイズによる飲食店やコンビニ店等だと指摘。最低賃金の引上げにより、こうした店で働く非正規労働者の賃上げにつながるとしました。
最賃の問題では、地域間格差が大きく、賃金の高い都心部への人口流出を一層強め、地方の過疎化に拍車をかけているとして、全国一律最賃制の必要性を訴えました。
軍拡ではなく くらしや物価対策を
門田事務局長が方針提起し、「軍拡ではなく、くらしや物価対策を」をスローガンに、物価高のなかで生活を守るために大幅な賃上げを要求していくこと、全国一律最賃制など社会的賃上げの運動、消費税の減税、社会保障の充実など、仲間を増やしで春闘に取り組むことを、集会参加者で確認しました。
食肉市場支部 経済観光局交渉
職員の高齢化が進む中
より安全・安心な食肉生産にむけて
食肉市場支部は11月9日、2022年度求書(7月14日提出)に基づき経済観光局交渉を行いました。
移設開設から30年が経過し食肉市場と畜場の施設・機器など老朽化している中、現場職員の高齢化も進んでいます。正規職員の半数以上が50歳以上となり、近い将来60歳以上の職員が急激に増える見込みです。定年延長や年金受給年齢が引き上げられ65歳まで働かなくてはいけない状況で、腰痛をはじめとする身体的な問題や持病を抱えて日々業務を行なっている職員も多数いるのが現状です。本来なら定年退職を迎えるはずだった60歳から65歳までの職員の希望を最優先して無理なく働き続けられる環境を整えることや、今年度65歳を迎え退職する再任用職員1名を必ず正規で補充をするよう強く申し入れをしました。
食肉市場支部は、より安全安心で効率的な食肉生産へ向け、雇用形態に関わらず全ての職員が安心して働き続けられる職場とするため引き続き取り組んでいきます。
無料法律相談を
ぜひご利用ください
毎月1回18時〜広島市職員労働組合の事務所にて、無料法律相談を担当しています、広島法律事務所の弁護士 竹森雅泰です。
2007年9月に弁護士登録をし、ちょうど15年が経過しました。この間、救護・看護被爆者訴訟、「黒い雨」訴訟、全国B型肝炎訴訟、二葉山トンネル差止訴訟等の集団訴訟に関わらせていただいた他、日常生活の中で発生する様々な問題、例えば
- ◇負債の整理(自己破産、個人再生、特定調停、任整整理等)
- ◇交通事故(物損、人損問わず、示談交渉、訴訟等)
- ◇家庭に関する問題(離婚、子の引渡し・監護者指定、親権者指定・変更、面会交流、財産分与、慰謝料等)
- ◇相続(遺産分割、寄与分、特別受益、遺留分、遺言等)
- ◇消費者被害(マルチ商法、投資用マンション被害等)
- ◇労働事件(不当解雇、不当降格、労災、パワハラ等)
- ◇刑事事件(被疑者弁護、公判弁護、裁判員裁判等)
- ◇少年事件(少年審判、逆送裁判員裁判等)
などを経験させていただきました。
組合員の皆様も、日々の生活の中で、困った場面に遭遇することがありましたら、1人で悩まずに、是非、無料法律相談をご利用ください。じっくりお話しを聞かせていただき、解決に向けての方策を考えます。
児総センター支部 定期大会開催
発達保障と保護者支援を両輪に
療育をさらに発展させよう
11月24日、児童総合相談センター支部の第35回定期大会が行われました。
現場の意見が反映され 安心・安全な療育を継続
今なお続く新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、療育実践と共に保護者と子どもを支える組合員としての活動報告をしました。北部こども療育センターの外壁工事については、昨年度、保護者とともに予算や人員の確保の申し入れを行い、安心・安全な療育が保障できていることが報告されました。現在、工事から生じる粉塵や騒音は想像以上で、居ながら施工での療育は考えられない状況です。私たちの運動の方向性は間違っていないことを確信するとともに、当局への対応に感謝しています。
情勢を正しく学び 広島の療育を反映させたい
活動方針では、「国の動きを学び、療育の何が大事なのか、変化していく情勢の中、親子療育、保護者支援などのあり方、発達保障を共通認識のもと、方向性をもって取り組みます」と力強く決意し、学ぶことで現状を正しく捉え、私たち一人ひとりが、広島の療育を発展させていく展望を持ちたいと提案し、採択されました。
先輩から後輩へ 歴史ある療育をつないでいこう
2部では、『広島の療育で大事に残したいこと〜これからの私たちにメッセージ〜』と題して、今年度3月で定年退職を迎える先輩組合員に、後輩へのメッセージを伝えてもらいました。先輩職員は「実践者として、母として、葛藤することもあったが、職員集団や周囲のサポートを受けながら続けてきた」「親子療育は、ありのままのわが子が見えてくるスタートである」「『子どもの発達保障』と『保護者支援』の両輪で親子療育を守り続けてほしい」と後輩たちへエールを送りました。会場から「個別の支援だけではない、集団、社会と視野を広げながら仲間ができることが大切」「一年に一度でも、こうして支部の仲間と思いを語り合うことで、保護者や仲間たちの思いを一緒にし、療育を作っていこうと前向きになれる」など語られました。今回、新支部長となった山ア歩氏は「なかなか悩みは尽きないけれど、悩みも不満も語り合える仲間の存在のありがたさを感じながら、歴史のある療育を自分たちも受け継いでつないでいきましょう」と参加者に呼びかけました。
学校給食調理協
親子給食開始にむけ 要求書提出
親子給食実現に向けて職場の不安に応える準備・対策を
学校給食調理員協議会(調理協)は11月28日、親子給食の開始に伴う人員配置等についての要求書を、市長、教育長に宛てて提出しました。内容は次の通りです。
- @食数増による調理員の増員配置については、4月開始の学校に1月から、9月開始の学校に6月から、雇用を開始すること。
- A給食の運搬方法など詳細について、親・子両校に対して、早急に説明を行い、不安な点を払拭する策を講じること。
- B調理担当校には必ず栄養教諭を配置すること。また、学校給食の経験者とすること。
- C現在親子方式を行っている学校の調理員と、新しく調理担当校になる調理員との、意見交換会を開催すること。
- D調理、配送のリハーサルを実施すること。
中学校給食のデリバリーから食缶方式への転換が始まり、2学期から5つの中学校で食缶に入った給食が提供されています。そして来年度からは、いよいよ親子給食(余力のある小学校で作った給食を、近隣の中学校に配送するシステム)での提供が、4月から4校、9月から4校で始まる計画が進められています。しかし、当初の予定よりも準備が遅れており、現場の調理員から、具体的な質問や、不安の声が多く寄せられています。それを受けて、その不安を解消し、安全に親子給食をスタートさせるため、要求書を提出することとなりました。
円滑にスタートできる体制の確保を
調理協平野議長は「4月スタートで、4月に新人パートを配置するのでは現場は混乱する。人員が増えても新人を教えるために人手を取られ、逆にマイナスになってしまう。安全に混乱なく、給食を提供するために、調理員を前倒しで雇用してもらいたい」と強く訴えました。
教職員課小田調整担当課長は、「限られた予算で前倒しの雇用は難しい。しかし現場の状況はこちらも理解しており、柔軟な対応を考えてたい」と回答。健康教育課村上課長は「意見交換会は、1月初旬に実施を予定している。リハーサルでは、実際に食材を使って調理することは難しい。配送については、主に受けとる側の中学校に対して、食缶に水を入れて運んでみるなどのリハーサルなら可能だと思う」と述べました。
かねてより調理協は、児童生徒にとってより良い給食を提供したい≠ニいう思いから、中学校の親子給食化を要求してきました。それなのに、いざ始めてみたら上手くいかなかったというわけにはいきません。これからも、職場の声を要求に繋げ、交渉し、調理員が安心して仕事に邁進できるよう奮闘します。