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市民の声に応える市政に
低投票率の市長選挙
市民と市政の距離 遠くなっていないか

 4月9日に広島市長選挙が実施され、現職の松井一實氏が再選しました。得票率は、ほぼ8割と圧勝との評価です。
 一方で過去3番目に低い35%を切る投票率で、市民の関心の低さは市政が身近なものとして捉えられていない現れとして、重い課題と受け止めることが必要ではないでしょうか。松井氏の得票数が、有権者比では、3割を切っているという数字です。
 では、市民は、どういう意識を持っているのでしょうか。

市民意識調査アンケートより

 2023年3月に公表された「広島市市民意識調査報告書」(企画総務局企画調整部政策企画課)の一部を紹介します。
 広島市において、特に重要な景観として保存や活用を図っていく必要があると思われるものの問いに対して

  • ◎平和都市広島を象徴する景観(平和記念公園など) 78.9%
  • ◎歴史と文化の香り高い景観(広島城などの周辺) 54.7%
  • ◎都心のにぎわいを感じる景観(広島駅など) 35.9%
  • ◎大規模な整備が見込まれる地区の景観(中央公園など) 25.1%

などとなっています。(複数回答有)広島市の重点計画と必ずしも一致していません。

「子育てしやすい」が減少

 「広島市は子育てしやすいまちだと思いますか」の問いに『そう思う』(どちらかと言えばも含む)38.2%、『そう思わない』(どちらかと言えばも含む)28.8%と『そう思う』が上回っていますが、平成31年(53.4%)と比較すると15ポイントも減少、『そう思わない』は平成31年(20.8%)から8ポイント増加しています。
 30歳代から40歳代までは、『そう思わない』(30歳代49.3%、40歳代39.1%)『そう思う』(20歳代35.1%、30歳代27.9%、40歳代38.1%)を逆転しています。その理由も「子育ての経済的負担の軽減策が充実してない」50.5%「子育て支援のサービスが充実していない」43.6%(複数回答有)と切実です。
 広島市が自ら実施した市民意識調査からも、市民の具体的な声を拾い、これからの政策に反映することが求められているのではないでしょうか。

2023年春闘アンケートその@
物価上昇に比例して高まる賃上げの要求

 今年1〜2月に市職員及び関連職場のみなさんにお願いしました、2023春闘アンケ ート(職場アンケート)、今年は2500通を超える回答をいただきました。ご協力誠にありがとうございました。
 回答結果について、何回かに分けて紙面で報告をしていきます。
 今年も第1回目は賃上げ要求額を中心に報告します。
 紙面構成上、回答者プロフィールや生活実感の質問等を裏面にし、先に質問4、賃上げ要求額についての回答をお示ししています。

「あなたは月額いくらの賃上げを要求しますか」

賃上げ要求額は3万3千円

 質問4(1)−2)の賃上げ要求額(月額)では、平均額が昨年と比較して3千円上がり、3万3千円となりました。
 顕著な物価上昇に直面し、賃上げ要求額を押し上げているようです。
 質問4の(2)では、月額制ではない方の賃上げ要求額について、時間額の平均値を出しています。時給200円ちょうどの賃上げ要求額となりました。6時間パート換算で月額2万3千円アップの水準です。

物価上昇に見合う賃上げを

 民間春闘でも、賃上げが社会的な課題となっています。物価高騰により、給料が今までと変わらなければ、実質賃金が下がってしまうため、物価上昇分を補う賃上げが必要です。こうした状況を反映し、賃上げ要求額が上がったものと思われます。
 この春闘では、多くの民間企業でこれまでにない賃上げが実施され、公務員給与を決める人事院勧告にも影響を与えると思われます。ただ、コロナ禍を支えてきた医療・福祉労働者への賃上げ策は不十分と言わざるを得ません。政府が進める社会保障費全体の抑制政策のもとで、賃上げが難しい状況があります。
 人材確保のためにも、処遇改善が必要とされる職種への、賃上げ対策が求められますし、物価上昇に見合う公務員賃金の引上げを実現するにも、重要な課題となっています。

生活実感 昨年と比べ苦しく

 質問1「あなたの生活実感は、どれに該当しますか」は、「かなり苦しい」が前年から3p増の13%、「やや苦しい」が5p増の36%、「まあまあだ」が42%で同6p減と、物価上昇を受け「苦しい」生活実感が増加しています。
 質問2の「あなたの収入(年間)は、前年に比べてどうなりましたか?」では、昨年度の給料表改定により若年層職員や会計年度任用職員は一定の賃上げがあったものの、多くの職員は300円の引上げにとどまったことなど、変わらないという回答が半分を占め、前年の回答とほぼ変化がありません。
 質問3の「あなたの家庭では月額あといくらくらい必要ですか?」では、全体の傾向にあまり変化はありません。しかし、物価上昇を反映し「ちょうどいい」が2.5%減り、「4万円」が1%、「10万円以上」1.5%と賃上げを求める回答が増えています。

質問1「あなたの生活実感は、どれに該当しますか」
質問1「あなたの生活実感はどれに該当しますか」
質問2「あなたの収入(年間)は、前年に比べてどうなりましたか」
質問2「あなたの収入(年間)は、前年に比べてどうなりましたか」
質問3「あなたの家庭では月額あといくらくらい必要ですか」
質問3「あなたの家庭では月額あといくらくらい必要ですか」
2023春闘アンケート 回答状況
2023春闘アンケート 回答状況

さあ、メーデーに行こう!
生活と権利を守るために

MAY DAY いま、声をあげよう。君となら、変えていける。

 今年も5月1日のメーデーが近づいてきました。広島市職労は、午前10時に平和公園噴水前から中央公園西側の基町環境護岸(河川敷)までデモ行進します。

そもそもメーデーって何?

 メーデーは、1886年5月1日、長時間労働に苦しむアメリカの労働者が「8時間労働」を要求してストライキに立ち上がったことが起源です。日本においても1920年、上野公園での第1回を皮切りに、戦争でメーデーが禁止された時期をのぞき、今回で94回目のメーデーとなります。
 かつて「女工哀史」で知られる製糸工場で働く女工たちは、一日のほとんどを工場で働き、病気になれば医療を受けることなく放置され、20歳前に結核で死んでいく状況でした。資本主義社会の中で労働者は「労働力を売る(働くこと)」ことでしか生きていけません。先人たちが、資本家(大企業を経営する富裕層)からたたかいの中で労働時間の制限や生活できる賃金、社会保障を勝ち取ってきたのです。社会保障は、労働者が生きていけるよう生活を保障するための制度です。

安心して生活できる社会を求めて

 今、私たちが働いている環境は、「8時間働いても生活できない」「8時間で仕事が終わらない」状況がまん延しています。昨年、公務員給与は確定交渉で賃上げがありましたが、物価高騰分にはおいておらず、暮らしが豊かになったとは言えません。

市職労は、

  • ○ウクライナに平和を!ロシアは侵略をやめ、今すぐ撤退せよ
  • ○8時間働いて普通に暮らせる賃金・働くルールの確立
  • ○今すぐ最低賃金1500円、全国一律最賃最賃制度の実現、非正規労働者の均等待遇実現
  • ○福祉・教育の改悪は許されない!いのち・くらしに予算をまわせ!

等をアピールし、あらゆる人と連帯し奮闘していきます。

共済組合の掛金率が上がります

 この4月より、市職員共済組合の短期(医療給付等)介護の掛金率が上がります。
 4月号の「厚生だより」にも掲載されていますが、主な理由は二つです。昨年10月に短時間労働者被用者保険適用拡大があり、会計年度任用職員・短時間再任用職員が共済組合に移行したことで、医療給付が増加したこと。高齢者医療制度の拠出金の大幅な増額が見込まれることによるものです。
 これまで市共済組合で職員の様々な福利厚生制度を充実させてきており、掛金率も抑えてきました。しかし今後の支出増加の見込み額に対し、余剰金をギリギリ可能な範囲まで取り崩して引上げ率を抑制しても、下記の表のように本人負担分で1000分の9の掛金率の引上げをせざるを得ないとのことです。
 政府は、「自助、共助、公助」を合言葉に社会保障の公的責任を後退させ、医療や介護の保険制度は、「共助」部分として公費負担の縮小を既定路線のように振る舞っています。しかし、このままでは掛金率がどんどん上がり、給付が減らされる一方通行になりかねません。物価上昇の負担軽減策など政府は実施しています。健康保健制度の負担軽減策の実施を求め声を上げていく必要があるのではないでしょうか。

共済組合短期掛金等の掛金率変更(「厚生だより4月号」参照)

(千分率)

共済組合短期掛金等の掛金率変更
  1. ※1 75歳以上の組合員については、A育児・介護休業手当金分のみの負担となります。
  2. ※2 介護掛金は、40歳以上65歳未満の組合員に負担していただくもので、原則、期末手当から天引きされていきます。