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広島市職労第111回定期大会
働く者の声を発信し
誇りを持って働ける社会に

広島市職労第111回定期大会

 広島市職労は7月23日、第111回定期大会をグリーンアリーナ中会議室にてオンライン併用で開催しました。

広げていきたい核廃絶への運動

 大会の冒頭、塩見中央執行委員長があいさつに立ち、「岸田政権は5年間で43兆円もの大軍拡や、敵基地攻撃能力の保有を進めようとしている。軍拡によって国内の危険が高まることになる。『対話による平和外交』の世論を高めていくことが重要だ。G7広島サミットでは、被爆地ヒロシマで核抑止論を正当化し、核兵器禁止条約を無視する内容で、核兵器廃絶へ前向きな動きへの期待は大きく裏切られた。原水爆禁止世界大会などの取り組みに参加し、核兵器廃絶の世論と運動を広げていこう」と呼びかけました。
 来賓あいさつの中でも、平和であることが、労働者の生活を守るために大切で、戦争への道を歩んではいけないとの発言が目立ちました。

物価高騰のなか 求められる大幅賃上げ

 木下書記長が、1年間の報告や、新年度の方針案を提案しました。
 物価高騰で、賃上げ機運は高まっているが、額面が増えるだけでなく、物価上昇を上回る賃上げ率が必要。大企業がもうかれば富が庶民に行き渡るとする「トリクルダウン理論」は否定され、政府もこの理論を口にしなくなったが、政策としては大企業優遇が続けられている。500兆円にも及ぶ内部留保を、労働者の賃金に還元して、私たちの生活を豊かにすることが、景気の好循環を生む と賃上げの重要性を述べました。
 活動面では、「コロナ禍で制限されていた、様々な交流の企画を具体化し、職員同士のつながりをつくり、風通しのよい職場環境づくりにつなげたい」と方針の特徴を示し、具体的な取り組みについて、当面の運動方針のなかで説明しました。

各支部協議会からの報告

 大会後半の討論の時間では、支部協議会から、発言がありました。

〈環境局支部〉

 岡山で開催された現業評全国交流集会に4名参加し、労働組合の意義を学び、また他都市の状況など情報交換ができて、有意義だった。
 定年延長による次年度の人員体制や業務内容など、当局と協議している。今後要求書を提出し、要求前進を目指したい。

〈学校給食調理協〉

 正規職員の採用を粘り強く要求し、今年度6年ぶりに2名の正規職員採用を勝ち取った。
 安佐北区で大規模給食センターの建設が進められ、同地域の自校調理の学校給食が吸収されようとしている。教育委員会による説明を求め、4月28日に説明会を行い78名の参加があった。市民に学校給食の良さを伝えていく活動が必要で、8月20日には「給食まつり知る学ぶin安佐北」の開催を予定している。11月には、たかの橋商店街での給食まつりを行う計画で、同実行委員会で準備を進めている。

〈保育園支部〉

 会計年度職員職員の6Hの欠員が今年度当初66名と過去最多となり、代替となる日任用職員は保育園で探している。夏休代替も欠員でOBにも声をかけている。見つからないところは時間外勤務で対応している。プールが始まったが、欠員なので無理のない範囲で規模を縮小している。そのため保育の質に影響が及んでいる。
 年度途中での保育士の人事異動など、正規保育士一人担任の体制の矛盾が出ており、改善を訴えていきたい。保育園調理員の正規不在園が公立の約半数に及んでいる。不在園では問題が生じたときに舵を切る正規がいないので困るという声がある。今年こそは採用を勝ち取りたい。

〈児総センター支部〉

 4年ぶりにお泊り保育が復活。子どもたちや保護者の笑顔に力をもらった。北部療育センターの外壁工事が完了した。居ながら施工が原則のところ、療育の保障のため当局に要求し、仮移転での保育ができた。保護者と一緒に運動してきた成果。
 平和だからこそ子どもたちの発達を保障できる。平和学習など平和の取り組みにも力を入れていきたい。

〈女性部〉

 女性部で孫休暇を要求していたものが、子ども看護休暇として実現した。孫が産まれる場合にも使える休暇に改善していきたい。
 はたらく女性の中央集会が10月7・8日に開催予定。リモートで参加できるので、男性もぜひ参加をお願いしたい。

<学校業務協>

 学校業務員も正規採用が止められ、一般公募の会計年度任用職員も導入されたが、一般公募でも年齢層が高く、体力の必要な仕事にも関わらず、職員は高齢化している。正規職員が減りブロック体制の維持が困難な状況となっている。
 学校の老朽化も深刻で、天井がはがれ落ちる事案も発生。子ども・職員の安全を守るための人員体制が必要。新規採用を要求していきたい。

団結して要求前進を勝ち取とろうと決意

 運動方針案、予算案などすべての議案を採択し、団結して要求前進を勝ち取とろうと、決意を固め合いました。

移転・分散療育で 安心・安全まもれた
北部こども療育センター外壁工事完了

北部こども療育センター

 北部こども療育センターの3階の外壁タイルの大規模修繕が6月23日に終了しました。3月に完成予定でしたが、3ヶ月遅れての終了となりました。

工事中の子どもたち守るため
保護者とともに市に要請

 外壁工事を行うにあたり、市の建物は居ながら施工が原則とのことでしたが、様々な困難さを抱える子どもたちだけでなく、保護者や働く職員にとっても、安心できる環境ではありませんでした。そのため児総センター支部は、令和3年12月、保護者会、広島の障害児療育・教育を充実させる会、広島市社会福祉事業団労組、市職労とともに、療育保障の為の要請書を提出し、市に声を届けました。
 その結果、移転・分散して療育を行うこととなり、工事に関する安全対策や騒音、粉塵等への対応はもちろん、移転施設の安全対策も講じられ、臨時保育士、臨時看護師の配置、バス・給食・清掃等の委託業者との調整もされました。

北部こども療育センター

騒音や粉じんは想像以上
声をあげて本当によかった

 工事期間中の騒音や粉塵は想像を超えるもので、居ながら施工で安心安全な療育が守れたとは思えません。移転・分散したことで活動の制限や行事の縮小等、利用者に不便をかけたこともありましたが、それぞれの環境の中で、今できる最善のことを考え、あきらめることなく北部一丸となって実践を続けてきました。
 大切な幼児期をどのような環境で過ごすかはとても重要です。保護者とともに、子どもにとって何が大切か、どのような対応が必要かを確認し、声を上げたことが、毎日の療育を保障することにつながりました。子どもの具体的な姿から現状を伝え、願いを届けること、理解者を広げることの大切さを実感しています。

安心安全な療育を守るため 施設の点検・改善も大切

 外壁工事は終了しましたが、31年目となった施設設備や備品の老朽化は否めません。今後も、必要に応じて速やかな修繕や備品の更新が行われるよう、声を上げていきます。また、北部のみならず、どのセンターでも施設設備の定期的な点検が行われ、安心安全な療育が守られるよう訴えていきます。

食肉市場支部 要求書提出
高齢化進む食肉現場
だれもが無理なく働ける職場をめざして

食肉市場支部の2023年度要求書提出

 食肉市場支部は7月12日、経済観光局に対し2023年度要求書を提出しました。

定年延長がはじまるとさらに高齢化する職場

 年金受給年齢が引き上げられ65歳まで働かなくては生活していけない状況となりました。それに伴い、これまでは60歳で定年し新規職員が採用されていたものが、5年遅れての採用となり、新人を研修する担当職員も高齢化して技術を継承していく事がとても難しい状況となってきました。この5年を少しでも緩和するためにも、できる限り前倒しでの採用が必要だと申し入れをしました。そして今年度に入り現場職員の半数以上が50歳以上となり、近い将来60歳以上の職員が急激に増加していきます。
 しかし限られたポジションの中で、60歳以上の職員全員に無理なく働ける軽作業的なポジションはなく、このままでは60歳以降も同じポジションでの作業となり、65歳まで無理なく働く環境ではありません。
 そこでHACCPシステムの危害要因の除去の一環として、軽作業である「残毛や残皮のトリミング」といった新たなポジションの検討をしていただく必要があると申し入れをしました。

正規職員を採用し 食肉の安全守る体制確保を

 今年度で退職される再任用職員1名についても、必ず正規職員で補充する事を重点要求として訴えました。食肉市場支部は、より安全安心で効率的な食肉生産へ向け、雇用形態に関わらず、全ての職員が安心して働き続けられる職場とするため、引き続き取り組みます。