しぶきバックナンバー

しぶき記事

安全・安心な保育と
心身ともに健康な職場とするために
保育園支部 回答交渉

保育園支部の回答交渉で本庁講堂に69名の組合員が集まる

 保育園支部は、昨年7月にこども未来局に提出した要求書に対する回答交渉を2月7日に行い、本庁講堂に69名の組合員が集まりました。

定年延長者はすべての職員定数外配置に

 冒頭、保育園支部畑野支部長より、こども未来局北山次長に定年延長に関する要望書を提出しました。保育園支部は定年延長者の定数外配置を求めており、今年度60歳の園長と調理員が定年延長フルタイムで勤務する場合は、定数外配置が認められました。しかし、今年度60歳を迎えた主任保育士や保育士が来年度からフルタイムで働く場合、クラス担任の定数からは外れてフリー配置となることは勝ち取りましたが、会計年度任用保育士の定数に含まれることが判明しました。そのため、「すべての保育士定数から外した職員配置とすること」等を要望しました。

フロアからの訴え

6時間保育士の欠員 過去最高77名でスタートか

 その後、こども未来局から要求書に対する回答がありました。人員面では、現時点で来年度の会計年度6時間保育士が77名欠員の見込みであること(一定数は日任用対応)、主任保育士の増員、正規調理員の採用等が明らかになりました。また、こども誰でも通園制度の試行事業や、園児の見守りのためのICタグの試験導入やインカムの追加導入などの予算を計上している等の説明がありました。
 フロアからは「正規調理員の採用に感謝しているが、来年度も正規不在園が1園増える。これ以上の非正規化は許されない」「正規保育士は2年目から主担任として配置され、会計年度任用保育士が支えている。正規の指導は会計年度任用保育士の仕事ではない。担任をすべて正規保育士に戻すこと」等を訴えました。

ゆとりのある体制でハラスメントの防止を

 また、保育園支部独自で行ったハラスメントアンケートの結果について報告し、余裕の無い職場でハラスメントが生まれやすいため、ゆとりある人員体制や効果的な倫理研修等を行うように申し入れました。
 参加した2年目の保育士の感想には「2年目でリーダーをとることが不安だった」「もっと保育を学ぶためにも、正規の先輩と一緒にクラスをもつことができたら」など、率直な思いが記されていました。
 保育士の配置基準改善や認定こども園化、こども誰でも通園制度など、安全・安心な保育を行うため、また職員が心身ともに健康に働き続けていくために、今後も当局との協議を続けていきます。

労働条件改善・人員確保でよりよい住民サービス実現へ
広島自治労連 春闘学習会

広島自治労連の春闘学習会

 2月9日、広島自治労連の春闘学習会が会場とオンラインの併用で開かれました。講師の自治労連嶋林賃金権利局長は東京からオンラインで中継し、「同一労働同一賃金の実現と安心して働き続けられる職場づくりへ」をテーマに講義されました。

変化を感じた23春闘

 嶋林氏は「物価高騰が止まらない中、世界の中で唯一、日本の労働者の賃金が上がらない。一方で、大企業は空前の大儲け。配当金、内部留保、役員報酬が上がっている。これまでの経済政策、賃金政策は誤り」と指摘。
 「23春闘の特徴について、頑張ったが物価高騰には追い付かなかった。しかし、ストを構え賃金交渉をする労働組合も少なからずあり、西武百貨店のストライキの報道についてもおおむね好意的で、ストを迷惑と考える人は少数だった。また、人勧署名でも民間労働者の協力もあって過去最高に迫る数が集まった」と労働者を取り巻く状況の変化について述べました。

非常時でも職員の健康守る取り組み

 また、「相次ぐ自然災害の中で自治体職員の長時間労働が問題になっている。コロナ危機の中、全国の自治体職員の証言で『時間外勤務が青天井』『通常でも人が足りていないのに、応援体制で平常業務にも支障をきたす』などの声が寄せられた。自治体労働者の不眠不休の奮闘を美談にするような報道の中で、健康を害する働かせ方は問題と大阪府職労、京都府職労、京都市職労を中心に『職員のいのちを守る』キャンペーンを張り、増員への流れを作り出した」と語りました。

非正規職員の待遇改善の成果に確信

 非正規職員の状況について、「小泉政権時から小さな政府が打ち出され、正規職員が減らされた。一方で非正規職員が増えていき、その4分の3が女性。『ほこいかアンケート』が2万人を超え、回答された人のうち4分の1が自分の収入だけで生活をしていることが明らかになった。同一労働同一賃金の要求を継続し、確定闘争のなかで賃金改善の4月遡及の実現が、自治労連の労働組合では60%を超えた。あらためて地方自治体の目的は、住民福祉の増進という法律に立ち返り、職の必要性がしっかりと吟味され、住民に対する影響が十分に検討されているかの視点で労働条件の改善に奮闘することが大切」と訴えられました。

労働組合の役割大きい

 最後に「労働経済白書でも労働組合の果たす役割は大きいと指摘されている。人員が確保されたらもっと頑張れる。職員が安心してイキイキと働ける。そういう職場づくりのために、労働組合の姿を見せながら、あきらめず、粘り強く、たたかいましょう」と呼びかけられました。

会計労組調理員支部 回答交渉
安全で美味しい給食を守るために調理員の処遇改善を!

会計年度任用職員学校給食調理員支部の回答交渉

 1月30日に、会計年度任用職員学校給食調理員支部は、9月27日に提出した『賃金・労働条件の改善に関する要求書』に対する回答交渉を行いました。
 はじめに竹之上支部長から「給食調理に意欲を持って、長く勤めたいと思える制度になるような回答を期待しています」とあいさつがありました。

処遇改善加算は 引き続きの課題に

 小田教職員課課長は「現場の色々な意見を聞き、改善に向けて努めていく。給与についても重要だと認識しており、大幅改善を行なったが、引き続き考えていく。国が行った処遇改善についても、要求通りの改善は中々難しい状況であるが、引き続き財政課へ向けてアピールしていきたい」と、話されました。

応募が少ない6H調理員

 また次のような回答も受けました。

  • ◇6Hの欠員補充は応募が少なく来年度の新規採用者以外の名簿残はゼロ≠セが、状況に合わせてフォローしていく。
  • ◇夏季研修・頸肩腕健診については、調理員のスキルアップ・安全面を守るためにも参加を促し、来年度は勤務日の実施に向けて、検討していきたい。

 最後に亀井委員長から「6Hの応募が増えるように、退職金制度・通勤先の配慮・昇給の上限延長など、待遇改善に尽力してほしい」と締めくくりました。

これからも話し合っていける調理員支部でありたい

 調理員支部では、さまざまな問題、また子どもたちに安全で美味しい給食を提供するために、どのような働き方がベストなのか、これからも考えや実態を話し合っていける場でありたいと言葉を添えて、交渉を終えました。

女性が働きやすい職場へ 職員の声届ける
女性部回答交渉

女性部回答交渉

 2月8日に、9月に提出した「広島市に働く女性労働者の労働条件の改善に関する要求書」についての回答交渉が行われました。
 最初に、人事部長から、正規職員・会計年度任用職員・再任用職員の給与改定や、子の看護休暇に運動会や参観日を対象に含める等、秋の確定交渉の結果について回答が示されました。
 また、この間課題となっている本庁舎の女性のトイレの増設工事が、令和6年度中の着工に向け、予算提案されているとの回答がありました。
 女性部長からは「あなたの働き方を教えてくださいアンケート」の結果から、ハラスメントについては、

  • ●相談窓口があることを、全職員に倫理研修などで再度徹底してほしい。
  • ●ハラスメントでの罰則はないが、それに値する行為であることを知らせてほしい。こういった状態は、たくさんの雇用形態の違う職員が、同じ時間帯に共同で仕事をしているためではないか。以前のように、正規は正規のままで、同一労働同一賃金を。

など、人事部長に要望や課題を訴えました。
 アンケートで男性職員から、本庁舎の女性のトイレ増設について「災害地のトイレの男女比は男性1・女性3。男性社会では、1対1でよいと誤解されている」とその必要性を指摘する内容と、「女性の笑顔が、世界平和につながります」と力強い応援を受けたとして、期待を伝えました。
 その他、子看休暇が改善されたが、子どもの出産に孫を見なくてはいけないこともあるので、対象を広げてほしい事等も要求しました。

退職手当は延長後の定年までもらえません
再確認 定年延長制度とはC

退職手当
・特定日前に勤続35年に達60者

 特定日(60歳に達した日後の最初の4月1日)前の減額前の給料月額に、最高支給率を乗じた額を支給する。

・特定日前に勤続35年に達しない者

 特定日前までの期間について減額前の給料月額で算出した退職手当額に、特定日から退職する日までの期間について減額後の給料月額で算出した退職手当額を加算した額を支給する。

退職手当の表

 定年延長制度について 解説そのCです。今回は退職手当についてです。

ピーク時特例制度の導入で定年時に60歳の支給額が適用

 定年延長の導入による変更点の一つが退職手当です。定年年齢の引き上げに伴い、退職手当も引上げられた定年にならないと支給されなくなります。そうすると、退職時には給料が60歳到達年度の70%になっているため、下がった給料にそのまま支給率をかけると、退職手当が大幅減になってしまいます。
 このため、退職手当についてはピーク時特例制度が導入されました。60歳に達する年度の退職手当の支給額が最も高くなる時点(60歳に達した年度の3月31日)の支給額が、引き上げられた定年での退職時に支給される仕組みです。
 勤続35年で支給率が上限に達するため、60歳でこの上限に達している職員は、定年時に60歳時の支給額が適用されます。
 60歳時に勤続35年に達しない場合は、引き上げられた定年まで勤続年数に応じて支給率が上がっていきます。この場合、60歳到達年度の退職手当の支給額に加え、その後の定年までの支給率の増加月数(退職日の支給率ー特定日前の支給率)と、給料月額に70%を掛けた分が上積みされる仕組みが導入されます。

定年前に退職する選択も

 勤続年数が60歳時に35年に達しない方にとっては、定年延長によって支給月数が増えるメリットがあります。
 また、60歳を超えて、定年より早く退職した場合ー例えば定年年齢が63歳で、61歳の年度で退職した場合は、自己都合退職ですが、定年退職と同じ支給率を適用する規定も設けられています。
 定年前に短時間勤務で働きたい場合や、退職手当を定年より早く受け取りたい場合は、定年前に退職し、翌年度から、定年前再任用職員短時間勤務として働くという選択が可能です。