2024春闘アンケートA
「賃上げ」「格差是正」への願い強く
前回に続き2024春闘アンケートについて報告します。
今回は仕事や職場についての不満に関する複数回答の質問です。
正規職員とそれ以外の方で、別々に回答を集計しました。
「賃金が安い」が増えている
正規職員の回答では、「賃金が安い」が増えて1番多い回答になり、前回最多だった「人手が足りない」と逆転しています。
若年層以外の正規職員は賃上げの恩恵が少ないため、物価高のなかで、目減りを感じている方や、民間企業と比べ、相対的に「安い」と感じている方がいるのか、一定の賃上げがあったなかでも不満は高まっている傾向です。
また、「休暇が取れない」や「労働時間が長い」「仕事がきつい」は、職場の大変さを示す項目で、回答数は多い方に入りますが、昨年度よりは減少しています。
正規との格差に関する不満が多い
正規職員以外の回答者は、主に会計年度任用職員や再任用職員の方になりますが、正規職員との格差に関する項目への回答が多い結果となっています。
「退職手当がない・少ない」が「正規職員との賃金・労働条件の格差」を抜いて、2番目に多い回答になりました。
そのほか昨年度との変化では、「契約が更新されないのではないか」「職場や仕事がなくなるのではないか」の割合が結構増えています。
「同僚・上司との人間関係」や「セクハラ・パワハラなどのハラスメントがある」も前回と比べ増えてきています。
職場環境の改善につながるよう、当局へ職員の声を届けていきたいと思います。
欠員続く保育園
子どもたちの命を守る人員配置を
保育園支部オンラインブロック集会 開催
今年3月の時点で、今年度の通年6時間保育士の欠員が過去最大の82名であると保育企画課(現:幼保企画課)から情報提供がありました。
しかし、実際には85名の欠員で4月からスタートしたことが担当課から再提示されました。欠員対応のための日任用保育士の雇用は現場に委ねられており、欠員補填の状況は各園に現在調査中とのことでした。
注釈)フリー保育士(会計6H・4H)の役割・・・保育園には担任の保育士だけでなく、様々なクラスに保育に入るフリー保育士が配置されます。例えば、保育園は11時間(延長保育実施園は12時間)開所のため、保育士はシフト勤務を行い、担任が出勤するまで、フリー保育士が保育にあたります。また、担任が保育室で保育をしているとき、子どもたちがトイレに行きたいと言った場合、トイレを安全に使用できるように見守ったり、介助をしたりするフリーの保育士が必要です。さらに、保育園は月曜から土曜日まで開園しているため、平日に週休日の取得が必要になります。週休日の担任の代替として、フリーの保育士が保育に当たります。様々なクラスのフォローに入る重要なポジションなのです。
保育が監視に 現場からの悲痛な叫び
このような大変な状況の中、4月25日と5月1日、保育園支部オンラインブロック集会を開催し、両日合わせて95人が参加しました。役員紹介や学習、保育まつりの案内などを行ったあと、小グループに分かれて各園の状況を報告しあいました。欠員の有無は様々でしたが、欠員がある園では配置基準を割らないように、毎日時間外対応で保育をしている状況が報告されました。また、療育手帳等を取得している加配対象児が複数名いる園では、加配保育士が欠員のため、フリー保育士が加配対象児に配置されることで、フリーで動ける職員がおらず、とにかく怪我がないように見守ることしかできない。保育が監視になっているという辛い状況の報告がありました。
子どもの命と保育の質に影響する欠員問題
保育士の欠員が子どもの安全を脅かすことは明らかです。さらに「保育の質」にも影響を及ぼすことは必至です。現行の配置基準は子どもの安全・発達を保障するには十分とは言えず、さらに欠員が生じているため、目の前の子どもと心を通わせながら遊ぼうとすると、他の子どもたちの安全を守ることが難しくなります。全体を見守り、子ども同士のケンカや危険を察知して未然に防ぐことで手いっぱいな保育を見て育った若い保育士は「これが普通」という認識になってしまうのではないかと危惧されます。保育士は専門的な知識をもって、遊びを通して子どもの成長・発達を促していく仕事であり、監視することが仕事ではありません。
子どもの命を守るのはもちろんのこと、「保育の質」が担保されるように人員の配置を求めていきます。
第95回広島県中央メーデー
要求実現に向けて働く仲間たちと団結
5月1日、広島県第95回中央メーデーが「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」のスローガンのもと開催され、広島県労連に加盟する労働組合などから、約400人が参加しました。
集会に先立って、参加者は10時に平和記念公園噴水前からデモ行進を行い、各単組が持ち寄ったプラカードを道行く市民やドライバーにアピールしながら、賃金引上げや戦争しない国づくりなどを訴えました。
ハノーバー庭園で行われた集会あいさつでは、神部泰実行委員長(県労連議長)がメーデーの歴史を紹介した上で、大軍拡に突き進んでいる政治や、平和行政を歪めようとしている広島市政について批判し、労働者の団結で政治を変えていくことを訴えました。
医療現場やパート労働者からは、人手不足や低賃金、サービス残業の横行など厳しい職場実態が報告され、欠員解消や賃上げを求める声が上がりました。
最後に最低賃金の引き上げや同一労働同一賃金による格差の解消などを求めるメーデー宣言が読み上げられ大きな拍手で採択されました。働く仲間の人間らしいまともな生活のできる職場と地域実現を求め行動する決意を固め合う集会となりました。
マイライフ マイ憲法
平和をつくるのは国民 平和憲法の教訓いまこそ
憲法記念日の5月3日、2024年広島憲法集会「マイライフマイ憲法」が開催されました。今回は30回目となり、ミュージカル風の演劇を集会の柱にした内容で行われ、県民文化センターホールは参加者で満員になりました。
第一部は詩人、アーサー・ビナード氏による『ぼくらの「未来」に「自由」はあるのか?-アメリカ生まれの詩人がニッポンのこれからを語ります』と題する講演で、面白くて鋭く、日本のことばを大事にして語られました。
「新しい戦前」が来ないように
日本人は「戦前」「戦後」という時代を称して使うが、アメリカ人にはその感覚はなく、朝鮮戦争、ベトナム戦争と区切りとなるものがない。だからこそ、日本の平和憲法の価値が大きいのだと言われました。また柳原白蓮の詩、「英霊の生きてかへるがありといふ子の骨壺よ振れば音する」という終戦4日前に戦死した子を想い謳ったものを紹介されました。いま再び防衛力を強化する意味がどこにあるのか、大事な命をなくす悲しみを生むのが戦争であることは世界の状況をみても明白です。戦後生れの者が「新しい戦前」を迎えないように、日本国憲法を大事にしていきたいと強く感じました。
憲法の価値を陽気に元気に確かめる
第2部は、「シン・主権者って言われても―覚醒の時はいつ?」と題したミュージカル劇が行われました。高校生が選挙権の大切さを学ぶ姿や、報道に圧力をかける政府の怖さ等を、笑いと風刺を交え、歌と踊りで表現しました。
岸田政権は、これまでの軍拡路線を継承し、さらに大軍拡・基地強化を強行し、私たちの平和のうちに生存する権利を危うくしています。そのような大変な時だからこそ、「私たちこそ主人公!」という、平和と命と人権を支える憲法の意義を確認できた内容でした。
調理協 おしゃべり学習会 開催
楽しくしゃべって 学んで深める
4月26日に学校給食調理員協議会(調理協)は、「親子給食実施校の現状について」をテーマにおしゃべり学習会を開催し、25名が参加しました。
親子給食についての学び
広島市では、昨年4月から、小学校で作った給食を近隣の中学校に配送する親子給食≠ェ始まっています。現在8校で実施されており、小学校と同じ食缶方式の給食が中学生にも提供されています。
実際に中学校の給食を作るようになった学校では、どういう準備をしたのか、日々の作業工程や調理方法、釜回しなど、現場の具体的な話を聞く機会や、実施校同士の調理員が意見交換を行う場が、今までほとんどなかったため、今回の学習会はとても有意義なものとなりました。
おしゃべり≠ゥら見える調理員の状況
テーマのほかにも、委託業者による食缶方式の給食の出来上がり量についてや、調理員専用トイレがいまだに和式が多い実態について、グリストラップの業者清掃についてなど、いわゆるおしゃべり≠ヘ、多岐にわたりました。
そのざっくばらんなおしゃべりから、現場の切実な状況が垣間見えました。特に和式トイレは、衛生的にも労働安全的にも問題であり、洋式トイレに改修されるべきです。今後、職場アンケートなどを行い、実態を踏まえたうえで、要求として掲げていきます。
また、初参加の新規採用者は「勉強になった。楽しそうなのでこれからもどんどん参加したい」と、嬉しい感想を述べてくれました。
5月18日にはウェルカムスクールランチの集い≠ェ開催されます。調理協はこれからも楽しく学びある活動を続けていきます。