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市労連 夏季一時金回答交渉
会計年度任用職員にも 勤勉手当
夏期休暇は6月1日から ― 職場の状況に応じて丁寧に対応を

民間の一時金支給はプラスの統計

 広島市労連(市関連の7つの労組による連合会)は5月29日、市当局と夏季一時金の回答交渉を行いました。
 当局は、民間の一時金の支給状況について、「昨年冬については厚生労働省による全国の大企業331社の調査によると対前年 6567円の増、プラス0.78%となっている。夏の支給見込みでは対前年2.9〜3.9%のプラスとの民間調査となっている」と現状を報告しました。

会計年度任用職員も正規職員と同月数の期末・勤勉手当

 5月15日に提出した夏季一時金要求書に対する回答として「年間臨給として秋の賃金確定交渉の場で市人事員会の勧告や国、他の政令市の動向をみながら協議することとし、6月の期末・勤勉手当について、常勤職員及び会計年度任用職員は条例どおり2.05月、再任用職員については1.05月を6月28日に支給したい」と回答しました。

夏期休暇の取得期間を6月1日からに拡大

 夏期休暇については、5月15日の交渉で、「今年度、国家公務員が夏季休暇の取得期間を6月1日からに拡大し、他の政令市も多くの市が同様の取扱いとしている。本市も夏期休暇期間中の年次有給休暇の取得促進のため、取得期間を6月1日から9月末までの間で5日としたい」と提案がありました。
 市労連加盟の各組合では、今年度急に6月1日からとしても、取得困難な職場もあることから、内部で協議をすることとしていました。
 併せて「3日以上の年休を計画的に取得するよう通知する」と提示がありました。

準備期間がないなか職場実態に配慮した対応を

 回答を受けて広島市職労からは塩見委員長が発言し、「夏休の取得期間が拡大しても、人員に余裕がなく休暇を取得しづらい実態がある。代替職員の確保など急に6月1日からの取得が困難な職場もある」と指摘しました。
 学校の教職員や市民病院も6月1日になっても、職場の状況として休暇の取得が難しい等、組合側としては効果に疑問がある職場も多く、各組合で任命権者と取扱いを協議すること、職場に混乱が起きないよう配慮して通知を出すことを条件に、夏期休暇を6月1日からとすることを了承しました。

フリーも代替も保育士の欠員常態化
新たな解決策を
保育園支部 夏の要求書提出

保育園支部はこども未来局に対し、要求書を提出

 5月30日、保育園支部はこども未来局に対し、「夏の保育についての要求書」「正規保育士の採用に関する要求書」「調理員に関する要求書」「会計年度任用職員に関する要求書」を提出しました。急な呼びかけにもかかわらず、市役所講堂に23人が集まりました。

時間・半日単位の休暇取得 一日休める体制を

 夏期の保育園では水遊びやプール等が始まるため、夏休代替職員(以下、代替職員)が必要となります。しかし、年度開始からフリー保育士の欠員が解消されていない園もあり、さらに、例年、代替職員の確保が十分にされていない現状が続いています。これについて畑野支部長は「代替職員が確保されて初めて平時の欠員がゼロになるようような状況である」「毎年、代替職員が確保されていない園では、夏休は半日単位、年休は時間単位で積み上げている。1日単位で休暇取得できるよう配慮してほしい」と訴えました。続けて、「慢性的な欠員の解消をするために、新たな策を示してほしい」と発言し、これに対し村上幼保企画課長は「募集チラシの配布先を増やしたり、SNS等を使用しての広報も研究し、1人でも多くの方々が仲間となって働いてもらえるように取り組んでいきたい」と返答しました。

主体的な保育をしたいのに こどもの安全を守ることで手一杯

 「正規保育士に関する要求書」「会計年度任用職員に関する要求書」では、フリー保育士や加配保育士の欠員の状況について、「加配対象児が多く、飛び出し傾向のある園児もいる。命を守ることが大前提で、主体的な保育ができるような状況ではない」「安全を守るために、監視せざるを得ない。そのような私たちの姿を見ている若い保育士が同じように対応する姿を目の当たりにし、悲しくなる」と主任保育士が胸中を吐露しました。

正規採用とグリストラップの業者委託を

 調理員に関する要求書では、正規採用に感謝しつつも正規不在園が増えてしまったことを指摘し、全園に正規調理員の配置を求めました。さらに、グリストラップの事故についても言及し、「学校現場は完全業者委託になり、調理員がグリストラップを開けることはなくなった。保育園でも年6回以上業者委託できるよう予算措置をしてほしい」と強く求めました。
 慢性的な欠員のなかで、「質」を落とさぬように現場の努力で保育・調理業務にあたっています。職員が健康で働き続けられるように、要求を続けていきます。

2024春闘アンケートD
悩みや不満 一人で抱えていませんか?

質問11 あなたには、悩みや仕事上の問題など、安心して相談ができるひとが身近にいますか
@たくさんいる316
A数人はいる2180
Bまったくいない221
質問12 メンタルヘルスやハラスメントなどの相談窓口を知っていますか はい63% いいえ17% わからない20%
質問13 仕事のやりがいについて
非常にやりがいがある20% まあまあやりがいがある57% あまりやりがいがない13% まったくやりがいはない3% どちらともいえない7%
質問14 仕事を辞めたいと思ったことはありますか
@いつも思う10%
A時々思う29%
Bごくたまに思う30%
C思ったことはない31%

 アンケートの報告5回目です。
 今回は質問傾向がバラバラなものをまとめて報告することになるため、回答結果のみを表で掲載した質問もありますので、ご容赦ください。

相談窓口の周知 まだ不十分

 質問12については、市職労の交渉のなかでも、相談窓口の周知を当局に要求し、職員に知らせる取り組みを進めているところです。昨年の回答よりは改善していますが、まだまだ相談窓口の認知が十分とは言えない回答状況です。

「仕事を辞めたい」 無視できない課題

 質問14「仕事を辞めたいと思ったこと」の有無については、いつも思うが10人に1人の割合で、正規職員に回答を絞ったときは、さらに数%「辞めたい」という回答の割合が増えました。「働き続けられる職場環境」は、スローガンではなく切実な職員の悩みであり、人材流出を防止する点からも当局も真剣に考える課題となっています。
 「仕事を辞めよう」と思い詰めている方は、ぜひ組合にご相談ください。
 質問15は改善したい要求です。賃金・一時金の引上げ、次に人員の増員の回答が多いです。傾向は昨年と同様です。

質問15  職場の働く条件の改善で、もっとも実現したいものを3つ選んでください。
もっとも実現したいものを3つ

自治研 市民公開講座開催
市民の願いと離れていく
広島市の「平和」行政の変化

講演する難波健治氏

 広島自治体問題研究所は、6月2日、「市民公開講座」を開催しました。

列挙すると感じる広島市の変化

 講演では、日本ジャーナリスト会議広島支部の難波健治氏が「広島市の平和行政を考える」をテーマに講演しました。
 難波氏は、最近明らかとなった広島市の変化として
@広島市教委の平和学習教材の改訂による漫画「はだしのゲン」、第五福竜丸事件の削除
AG7広島サミットを契機にした広島平和記念公園と米国ハワイ州の「パールハーバー・ナショナル・メモリアル」との唐突な「姉妹公園」協定の締結
B13年前の松井市長就任の翌年から毎年続いている「教育勅語」を引用した職員研修
C今年の平和祈念式典にロシア、ベラルーシを呼ばないがイスラエルは呼ぶ
などがあります。
これらの動きは
@岸田首相がホストになったG7広島サミットでの核兵器を容認した「広島ビジョン」の発信
A岸田政権の敵基地攻撃能力の保有と大軍拡路線の推進
Bその後、岸田首相が国賓待遇で訪米した際の「日米共同声明」
などと相まって、その底流に「きな臭さ」を感じる人が少なくないのではないしょうかと指摘しました。

掛け声だけでなく運動も

 被爆25周年に広島で開かれた「1970 ヒロシマ会議」の宣言には、「人類の安全と人間の尊厳を確立するために、われわれの取るべき道はただ一つ、それは戦争を廃絶することである」と記されています。難波氏は「掛け声だけで『国際平和文化都市』を唱え続けるのではなく、内実を備えた『平和文化都市』へ転換するために、創造的な市民運動が求められる」と呼びかけました。
 今、国民の中で「戦争と平和」に関心が集まっています。自治体として、どのように平和を実現していくのかは「住民のいのちとくらしを守る」という自治体行政の根幹の問題でもあります。
 広島市職労として、地方自治のあり方を考える自治研活動をどう広げていくかをあらためて考える機会となる講演となりました。