広島市労連 人事委員会へ要請書提出
職員全体に賃上げがいきわたる勧告を
広島市労連(7単組)は、毎年9月に実施されている市人事委員会勧告に向けて、組合の要求を届けようと8月29日に、「広島市人事委員会の勧告に関する要請書」を人事委員会へ提出しました。
要請書では「(労働基本権制約の代償措置として)労使合意や組合の意見を十分に尊重し、勧告にあたっては、政府・総務省の不当な干渉に屈することなく、第三者機関としての独立性を守り、公平・公正な立場で勧告を行うこと」など16項目を申し入れました。
職員間の分断をもたらす国の勧告
国の人事院勧告では、月例給の官民較差が11183円(2.76%)で、大卒初任給で2万3800円など初任給や若年層に重点を置いた引上げ、一時金を0.1月増額するプラス勧告となっています。また、「給与制度のアップデート」では、地域手当や扶養手当の見直しが行われ、国の地域手当における広島市の級地区分が4級地に指定され、10%から8%に変更(来年度以降)。配偶者の扶養手当が廃止となり子の扶養手当に上積みなど、不利益を伴う見直しも勧告に含まれています。
広島市と国の状況は違う
山田市労連議長は要請書の提出に際し、「『給与制度のアップデート』は国家公務員に対してのものであり、国と広島市の状況は違う。理論上は地域手当が下がれば、本給部分の引上げが必要となるはず」と市職員の実態を踏まえた人事委員会勧告となるよう求めました。また、労使交渉で労働条件が決定できるよう、基本的な勧告内容にとどめることを申入れました。
木下事務局長が、要求項目について説明し、「人事院勧告は、初任給が12%、高齢層は1%の賃上げと大幅に差が出る。かつてない改定方法で、どんな影響が及ぶのか懸念される。また、配偶者の扶養手当は、廃止と結論づけられる民間調査結果ではなく、政府方針が人事院に押し付けられたとしか見えない。これでは、労働基本権の代償措置の機関とはとても言えない」と指摘しました。また要求項目として「給与制度のアップデート」について、広島市で反映させないよう求めました。
職場環境の改善が人材確保でも重要に
人材確保が大きな課題となっている。職種によっては募集しても応募がない実態。ある調査では、就職希望先に男性育休の実施率を参考にする人が6割に達するなど、ワークライフバランスが重視されている。
人員にゆとりがあり、休暇が取得しやすいなど、職場環境改善が人材確保の点でも重要となっていると訴えました。
人事委員会からは、「9月の勧告に向けて民間調査結果の集計中である。人材確保の観点から初任給の引上げも必要だが、生活改善のために職員全体の賃上げも必要と考えている」と応じました。
現業評議会要求書提出
新規採用も賃上げも現業職場に必要不可欠
市職労現業評議会は8月26日、市当局に「2024年度要求書」を提出しました。
公務員不足による課題山積み
人員増と雇用の安定を
冒頭、平野議長は「災害が発生するたびに、災害救助や被災者支援に必要な公務員の数が足りていない、応援に行きたくてもいけないという状況が露呈している。いまこそ自治体リストラで人員不足を招いたことを反省し、人が人を支える仕事≠ノ対する根本的な評価の見直しを行い、人員の増員と安心して生活できる賃金の底上げ、雇用の安定を実現していくことが必要。今年度はすべての現業職場に新規採用が行われたが、どの職場においても退職者数には及ばず、委託化・非正規化の歯止めとはなっていない。職員不足、高齢化、60歳を超えた職員の働き方、会計年度任用職員の待遇、大規模給食センターの計画等、対応すべき課題が山積している」と述べました。
市民の暮らしを支える
現業職直営体制維持を強く求める
基本要求では、「現業の仕事は住民の命とくらしに直結した仕事。なんでも官から民へ渡してよいものではない、必要な予算、必要な人員≠ニは市民生活の為に必要なものだということを踏まえてもらいたい」と訴え、現業の民間委託を絶対に行わないよう求めました。
人員要求では、全支部協議会に共通した一番の要求が新規採用であり、「直営体制を維持し、後進を育成するために、必要な人員を採用すること」を強く要求しました。
老朽化対応・高齢者の賃金等 現場からの訴え
各支部協議会からは、自校調理方式の維持の重要性、老朽化した設備・施設・車両の対策、職員の配置基準や体制の見直し、保育園グリストラップにおける業者清掃の回数を増やす必要性などを訴えました。
また、給与改定について、再任用職員の一時金の引き上げ額の低さや、高年齢層の引上げ率が若年層と比較しあまりに改善格差が大きすぎる点を指摘し、これまで積み重ねてきた働きが認められない現場の思いを訴えました。
賃上げ≠熈採用≠熄れない!
最後に、「財政配分が難しいのは理解しているが、賃上げを理由に、現業の採用を減らすことは認められない。現業の仕事はふるいにかけて、いらない仕事ではない。賃上げもする。採用もする≠ニいう要求は譲れない」と強く訴えました。
身近にかかわっている公共について学び交流する
広島自治労連連続学習会
「聞いて知って私たちの仕事」
8月20日、広島自治労連連続学習会「聞いて知って私たちの仕事」の第2回目がオンライン併用で開催され、広島市の現業職場で働く仲間から、現場ならではの苦労ややりがいを報告し、現業職場の大切さを学び交流しました。
新たな収集事業「ごみ出し支援」を紹介
地域の高齢化にごみ収集も変化
まず、環境局支部からは、南区内で昨年10月からモデル実施中の「ごみ出し支援」の現状について紹介がありました。
◆〈要介護の認定を受けている65歳以上のみで構成され、家庭ごみを自ら排出することができない世帯〉を対象に、週一回、大型ごみ以外の分別された家庭ごみを収集している。
◆収集車が入れない狭あい地区(幅4m未満の道路)では、収集車の駐車許可を近隣住民にお願いし、指導員が収集場所まで収集し、時には坂道を600mくらい徒歩で上っている。
など、収集作業の大変さが紹介されました。また「市民やケアマネージャーからは様々な質問や相談を受けており、収集作業の経験を活かしながら、職場内で協議して回答している。実施されていない地区の環境事業所とも勉強会を開いて、対応や面談方法について職員間で理解を深めていきたい」として、今後の支援事業の広がりに向けた目標を語りました。
老朽化していく学校施設をメンテナンス
次に、学校業務員協議会からは、学校施設の老朽化という課題にどう向き合い、仕事に関わっているのかを話していきました。
実際の作業状況の写真を交えながら、床板の張替えや安全柵、フェンスの修繕など、多岐にわたる学校生活の安全に対するきめ細かい対応が紹介されました。「市内の多くの学校は、40年以上経過し老朽化が進む校舎を抱えており、それらは災害時に、避難所や防災拠点としてとして使用される。子どもたちや先生、地域住民のみなさんが、怪我をせず、あるいは事故に遭わないよう、公共施設としてどのように維持管理していくのかに腐心している」と話す言葉に公務の仕事への誇りを感じました。
業務協要求書提出
年々深刻化する人員不足
学校の安全守る仕事 正規職員の採用は不可欠
8月21日、学校業務員協議会は教育委員会教職員課に、2024年度要求書を提出しました。
学校に必要な業務員 育成できる体制に
冒頭、宮脇議長は、「学校現場は人・金・時間のどれもが足りない状況が深刻となっている。学校施設の老朽化による修繕や点検にかかる負担が年々重たくなる中で、正規職員の人員 数は不足し、高齢化も顕著。早急な対策が必要である」と述べました。
続いて、平野現評議長は、「学校業務員は学校現場に必要な存在。多岐にわたる要望に応えることは、誰でも簡単にできる仕事ではない。一人前となるには技術・知識を継承する時間が必要。正規職員の継続的な採用により、育成ができる体制に繋げていかなければならない」と発言しました。
正規が足りず6Hに置き換え
新規採用が停滞し 極端な年齢構成に
今年度8年ぶりに正規職員が採用され、現場の士気もあがりました。しかし、正規職員の人員減と高齢化への対応は依然重要課題です。学校施設等管理業務ブロック体制運営要領の職員配置について「拠点校には原則として常勤職員を2名置く」となっているにもかかわらず、正規職員だけでは拠点校配置数に足らず、複数の拠点校に6H会計年度任用職員が配置されている状況です。正規職員の年齢構成は、30歳代以下4名に対し、40歳代以上77名となっており、技術・知識の継承の観点からも、継続的な新規採用を強く求めました。
多様化する業務と要望 きめ細かい対応が求められている
業務の多様化が進み、要望に対する高度な技術・知識の必要性は加速しています。安全対策や様々な配慮も、よりきめ細かい対応が求められるようになっており、正規職員・会計年度任用職員各々の業務内容の精査、職責に見合った位置づけの必要性を訴えました。
その他、学校整備方針の明確化、定年延長者の配置、研修体制などについての課題解決も要求しています。