しぶきバックナンバー

しぶき記事

保育園支部回答交渉
保育士を増やす市の方針は一体どこに?

本庁講堂に47名の組合員が集まる

 保育園支部は、昨年7月にこども未来局に提出した要求書に対する回答交渉を1月28日に行い、本庁講堂に47名の組合員が集まりました。
 冒頭、広島市職労柴野中央執行委員長より「どこの自治体も介護・保育職員の確保に苦労している。ひきつづき、保育士の処遇改善等お願いしたい」と述べました。また、こども未来局北山局次長は「11月の要請行動で現場の話を聞き、子どもたちや保護者のために、より良い環境を作っていきたいと思いを強くしている」とあいさつしました。

保育士確保は後回し 現場から怒りの声

 その後、こども未来局から要求書に対する回答がありました。
 保育士配置基準の改善については、「私立保育園について聞き取りを進めており、3歳児、4・5歳児と段階的に職員の確保に努めていきたい」という回答でした。役員から「私立保育園で保育士が確保できたら基準の改善がされるのか」という質問に「公立は新基準に対応するための職員の確保はできていない。いつ頃を目処にしようかということを考えるために調査している」という返答でした。主任の増員については、「主任の数は増やすが、来年度については専任化(フリー配置)はむずかしい」という返答でした。これについて保育園支部畑野支部長は、「3歳児の配置基準と主任の専任化は一昨年の公立保育園での死亡事故後の方針として、広島市が発表した内容」「どうして自ら言ったことを守らないのか」と厳しく批判しました。

借地問題も後手に

 また、八幡東保育園の廃園方針が発端となった借地問題について、支部から契約内容等の確認を行ったところ、幼保企画課は「その園で卒園できるようにしたいという思いは組合と一緒だが、どういう経緯でその契約になっているのかということを踏まえて慎重に対応していく必要がある」という返答であり、対応が後手になっていることも明らかになりました。
 正規調理員や会計年度任用職員は現在試験中のため、確定した段階で後日組合に提示すると前置きしつつも、正規調理員に関しては、「新規採用はあるものの退職者数の方が多いため、来年度はさらに2園が正規調理員不在園になる」という考えを示しました。

子どもの安全・安心のために

 公立保育園の統廃合計画やICT導入ばかりがすすむ中、職員確保や老朽化対応といった一番大切なことが後回しにされています。
 納得のいく回答は何一つ得られませんでしたが、子どもの安全・安心を守るために、職員の採用や公的保育の維持・拡充について、ひきつづき要求していきます。

広島自治労連共済学校・2025春の組織集会
共済の大切さ・労働組合の力
もっと知らせていきたい!

オンラインも含めて50名を超えた広島自治労連共済学校・2025春の組織集会

 1月26日、中区本通TKP会議室で、広島自治労連共済学校・2025春の組織集会が開催され、参加者はオンラインも含めて50名を超えました。

民間保険が値上げするなか
共済が相対的にオトクに

 午前の共済学校では「自治労連共済を知って仲間に広げよう」と題して、物価高騰のなか、共済をうまく活用し、保険料を下げ、可処分所得を少しでも増やしていこうと呼びかけました。
 また、近年は災害も多く、どこも火災保険の保険料があがるなか、自治労連火災共済は制度発足から35年経過した今でも掛金を引き上げていないこと、自治労連共済はメディア広告や外交員を使わず、低い掛金で充実した保障であることなどが紹介されました。グループでの意見交換では、共済で実際に助かった体験などを交流し、共済の大切さを参加者同士で確認し、「新規採用者や共済未加入者に知らせたい」という感想も多く聞かれました。

労働組合の力で実現できたこと

 午後からの組織集会の実践報告では「組合の力で実現できたこと」として非正規ヒロシマ代表の平松さんが、1973年の留守家庭労組結成から今日に至る中で労働組合があるからこそ改善してきた賃金・労働条件について話されました。他の自治体と比較して進んでいる広島市の非正規の運動の成果を語り、「今後もこの存在を守りたい」と決意を述べました。
 また、広島市関連連絡会事務局長の中村さんは2024確定交渉で勝ち取った外郭団体嘱託職員の正規と同月数の一時金・4月遡及について「不断の運動と普段のつながりがいざという時に生きる」「数は力」を強調しました。
 その後、広島自治労連の木下組織部長が全国的な労働組合の成果を講義。労働者の悩みの解決に労働組合の仲間が力を合わせ、労働争議等を通じて勝ち取った成果が、厚生労働省から残業時間規制やハラスメント防止などの法改正や指針などの改善につながっていると話されました。
 グループ討議では「組合加入を呼びかけることはみんな苦労をしていることが感じられたが、語り合うことで元気も出た」「加入の呼びかけを継続することが大事」などの意見交流を行い、組織拡大に向けて気持ちを新たにしました。

会計労組調理員支部 回答交渉
やりがいと魅力ある仕事になるよう
待遇改善に尽力してほしい

会計労組調理員支部の回答交渉

 1月22日に、10月10日に提出した要求書に対する回答交渉を教職員課と行いました。
 はじめに竹之上支部長から、「私たちの思いはお伝えできているので、来年度からまた頑張れる気持ちになれる回答を期待している」とあいさつしました。
 教職員課加茂調整担当課長は、「現時点での精一杯の回答なので皆さんにも納得していただきたい」と次のように回答をしました。

○ここ数年の給料改定において、とても優遇された状況となり、来年度も増額になる。令和6年度から勤勉手当の支給も開始されている。今後もこの賃上げの流れを最優先にした予算措置をし、人事院勧告の増額についていけるように注力したい。
○研修について、来年度も実施予定。
○人事異動の際の通勤にかかる配慮について、皆さんからの意向調査や学校の状況など全体のバランスを見て行っている。
○頸肩腕健康診断について、来年度の申し込み案内や日程調整を早めに行なって、受信日の決定通知を速やかに送付できるように努める。また、実施日については週休日・給食実施日を外して実施日を設けるように検討する。受診人数が会計年度になって減少しているので、早期発見のためにも必要性を案内文にも盛り込んでいく。

 最後に、会計年度任用職員にも勤勉手当の支給、昇給の上限延長等の改善はありましたが、仕事がやりがいと魅力あるものになるよう、退職金制度など待遇改善に尽力してほしいと重ねて訴え、交渉を終えました。

学んでしゃべって交流する
調理協おしゃべり学習会

23名の仲間が集まった『おしゃべり学習会』

 学校給食調理員協議会(調理協)は1月31日『おしゃべり学習会』を開催し、23名の仲間が集まりました。学習会を始める前に親睦を深めることを目的に『ババ抜き大会』を行いました。「ババ抜きなんて、何年ぶりだろう?」「カードが減らない!」などあちこちで笑い声が起こり、初対面の人とも打ち解けた様子で学習会がスタートしました。

いまだ人手不足は深刻
働きやすい職場にするために

 まず、松本事務局長は給料表の改定について説明しました。調理員に特化した内容で、昨年度末の差額支給の内訳や、計算方法など、身近なことから学習しました。
 続いて、平野議長より、昨年12月17日に行われた調理協回答交渉について、「新規採用を勝ち取ることはできたが、退職者数には到底及ばず、人手不足は深刻だという現実。調理員は雇用形態や勤務時間も様々で、要求もそれぞれの立場によって異なる。みんなが働きやすい職場となるよう、自分事として考え、意見を要求に変えていく事が大切だ」と報告されました。

仲間の大切さを再確認

 後半のフリートークでは、職場の近況報告や、日々の調理の話でざっくばらんに盛り上がりました。「以前教えてもらった調理方法を実践したら、上手にできた」という嬉しい成功体験や、先輩に調理のコツを聞きながら、一生懸命メモを取る姿が印象的でした。また、「困った時や不安な時、組合に相談する事ができ、仲間の大切さを感じた」と発言があり、労働組合の存在意義を再確認できた有意義な学習会となりました。最後に小田副議長が、「これからもこのような会にどんどん参加し、一緒に組合活動を盛り上げていこう」とあいさつし、会を締めくくりました。調理協は、これからも仲間を思いやる、楽しい活動を続けていきます。

ひろしま自治体学校
「平和都市」ヒロシマの未来をどう描くのか

 2月1日、広島自治体問題研究所が主催する「2024年度・ひろしま自治体学校 ひろしまの地域とくらしを考える学習交流集会」が、まちづくり市民交流プラザで開催されました。

パスピー廃止後の運用 問題点に一定の改善

 まず、2つの特別報告があり、「日鉄呉跡地の軍事利用は許されない」では、日本製鉄呉工場の跡地利用をめぐり、防衛省による跡地一括購入ありきで、軍事拠点化を懸念する市民の声が無視されていると訴えられました。
 2つ目は、パスピー廃止問題についての報告で、高齢者や障がい者にとって、バス会社の違いで決済サービスを使い分けるのは難しい。利用者目線での改善を求め広島市やバス会社と交渉し、一定の改善につながったとのことでした。

検証し浮き彫りとなった平和推進条例の問題点

 記念講演は、フリーランス記者の宮崎園子さんが、『「平和都市」ヒロシマのまがりかど』として、広島市平和推進基本条例の検証をした同タイトルの書籍の編集に携わり、同条例の問題点等についてお話しされました。
 広島市は議員提案の条例がそれまで無く、政令市比較でワーストだったことが条例立案の動機になり、何の条例かは後付けだったこと。保守系の議員や市民団体が、条例制定に乗じて8月6日の平和記念式典中の拡声器使用を制限することを活発に働きかけていたことを紹介。条例の名称とは違った不純な動機や目的が条例制定過程にあり、自治体問題研究所のメンバーらで条例の内容を検証した内容を書籍にまとめたとのこと。
 このなかで、憲法や広島平和記念都市建設法との整合性への疑義、核兵器禁止条約に関して当初案では触れられてなかったことなど、各分野の識者が条例を検証して浮き彫りになった問題点を挙げました。

生じた「すれ違い」 対話や議論を通じて解消を

 また、条例成立を前後して、はだしのゲンや第五福竜丸が削除された平和ノートの問題や、パールハーバー記念館との姉妹公園協定締結など、広島市の平和行政が、これまで被爆者や市民が培って来たカタカナのヒロシマと違う方向に動き出しているのではないかと現状についての認識を示しました。
 その後、宮崎さんは書籍に原稿を寄せたメンバーにマイクを回し、宮崎さんの問題提起をより深める活発な議論が交わされ、広島市の平和行政が、市民との対話や議論のもとに進められていくよう、市民の側から働きかけをしていくことなど、課題の共有がされました。