しぶきバックナンバー

しぶき記事

物価上昇を上回る賃上げへ
働く者が声をあげよう
市職労 第2回中央委員会

グリーンアリーナ会議室で開かれた広島市職労第2回中央委員会

 広島市職労は、2月20日、グリーンアリーナ会議室で、第2回中央委員会を行いました。
 柴野中央執行委員長があいさつし「定年延長もあいまって、職員の高齢化が年々進んでいる。市民サービスを維持するためにも、健康に働き続けられる職場環境や次世代に知識や経験を継承するため新規採用が切実になっている」と語られました。

組合交渉の成果を確認

 活動報告では、秋の賃金確定交渉を中心に、当局との交渉経過や前進回答等を確認しました。確定交渉では、12月に差額支給された今年度分の給与改定と、地域手当引き下げに対応する来年度分の改定の二段階改定等、盛りだくさんの妥結内容を報告したほか、非正規連絡会での交渉や現業職の新規採用の増員を求める緊急申し入れ等、この間の交渉について報告がありました。
 提案議案として、2025春闘方針案が提起され、物価高騰のなかで、大幅賃上げを実現するには、労働組合の役割が重要とし、「ヒロシマ地域総行動」へ参加し、制度面での賃上げや、市民要求の前進を目指す取り組みが提起されました。職場の課題では、新規採用時期に向けて組合加入を訴えていくこと、被爆80年の節目の年として、平和の取り組みに力を入れること等の方針と具体的な日程などを確認しました。

団結ガンバロー

各支部・協議会も担当部局と協議重ねる

 討論では、学校給食調理員協議会や保育園支部、児童総合相談センター支部、環境局支部等から発言がありました。
 保育園支部からは、回答交渉にて、事故後の対策方針として掲げている主任の専任化園を増やすことが来年度は困難であることが明らかになったことや、後日、担当課から荒神保育園と大州保育園を合併した認定こども園を建設すると情報提供されたことなどの報告がありました。
 学校業務協からは、施設が老朽化し業務が多岐にわたっているなか、2名の新規採用があったことや学校業務の直営維持を基本に人員体制を協議していることが報告されました。
 調理協からは、人事部長への申し入れ行動や回答交渉に取り組み、スポットクーラーの増設等職場環境の改善を一歩一歩実現していること。一方で安佐北区での給食センター化を控えて当該職場での状況など様々な課題が語られました。
 児総センターからは、市事業団の嘱託職員の慢性的な欠員を解決するため正規職員が増員となった回答交渉の成果や「障害児こどもまつり」の開催について発言がありました。
 討論を通じ、簡単に解決する課題は少ないものの、労働組合で交渉を積み重ねることで、休暇制度や人員面で着実に前進があることも、改めて確認できた中央委員会となりました。

おなかを満たすだけじゃない!
おいしい給食を子どもたちに提供する調理員の実状と思いを学ぶ
広島自治労連 連続学習会
聞いて 知って 私たちの仕事E

広島自治労連主催の連続学習会

 2月19日、『聞いて知って私たちの仕事』と題して広島自治労連主催の連続学習会が開催されました。
 今回は、市職労学校給食調理員協議会(調理協)より松本事務局長が、子どもたちのために、日々頑張っていることを、パワーポイントを駆使して分かりやすく説明しました。
 手作りのカレールウを作っている場面や、みんなの大好きな揚げパンができる様子、行事食として提供される栗きんとん、雑煮なども紹介しました。また、子どもの命に直結する食物アレルギーの対応についても説明しました。
 子どもたちの給食時間はおなかを満たすだけのランチタイムではなく、食育の時間でもあり、給食はその教材であること。毎日、安全でおいしい給食を決められた時間に提供するのが当たり前であるが、そのためには、長年培ってきた調理技術を次の世代に継承していくことが重要だと言うことを、熱く語りました。
 給食を作っている場面を一つ一つ説明して、調理員の思いを伝える場がなかったので、とても良い機会をいただけたと感じました。
 仕事の内容だけでなく、自治体に働く仲間同士がその思いや悩みを共有できる学習会です。次回は3月19日。ぜひご参加ください。

3.1ビキニデー広島集会
ビキニ事件・核実験被害の実相
地道な研究と豊富な資料で学ぶ

 2月22日、3・1ビキニデー広島集会が中区地域福祉センターで行われ、約90名の参加者が集まりました。

第五福竜丸の悲劇を糸口に核実験被害の実相に迫る

 「第五福竜丸は航海中〜ビキニ被災の全容はどこまで明らかになったか」と題し、第五福竜丸平和協会事務局長の市田真理さんが講演をされました。市田さんは第五福竜丸展示館の学芸員でもあります。
 1954年3月1日、アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験「ブラボー」により、周辺海域で操業中のマグロ漁船、第五福竜丸の乗組員23名が死の灰を浴びました。彼らが3月14日に静岡県焼津港に帰港し、新聞が「核実験による原爆症の疑い」としてスクープし、当時全国で注目される一大事件となりました。被爆した漁船・乗組員として注目されたのは第五福竜丸だけでしたが、当時太平洋のビキニ環礁、エニウェトク環礁では多数の核実験がされ、周辺海域で操業していた多くの日本の漁船が被爆をしていました。
 太平洋海域で獲った魚は、放射能を感知したものは廃棄され、市場に出回った魚も忌避される傾向が強まり、漁業関係者には甚大な経済的被害もありました。市田さんは当時の様子を伝える新聞記事等をいくつも紹介しながら、人々に与えた影響の大きさを、会場の参加者に伝えました。
 この事件を契機に、原水爆禁止を求める署名運動が全国で自然発生的に起き、全国的な原水爆禁止運動へと発展していきました。

米ソの核開発競争のなか 核実験被害者に補償なく

 一方、日米両政府によって、漁業関係者への経済的補償と第五福竜丸乗組員への補償金が支払われたものの、それ以外に核実験の被害はないとされ、1954年7月に海洋観測をしていた観測船「拓洋」巡視船「さつま」が、核実験に遭遇し調査を中止した際の健康被害については認められないなど、当時政治的な圧力が強く働いていました。このため、第五福竜丸と同様に操業し、死の灰を浴びた漁船乗組員ら核実験被災者には何の補償もされず、差別や仕事がなくなることを恐れ、被爆者が被害を訴えられない状況でした。

核実験被害の実態は核兵器の非人道性を明確にする

 後半は、マーシャル諸島の住民の核実験被害のお話しで、住んでいた故郷の島を追われたロンゲラップ島民のお話しなど、核兵器を製造・開発する限り新たなヒバクシャが生まれてしまう。核実験被害の実態を明らかにすることが、核兵器の非人道性を明らかにする大きな力になると、活動の意義を強調されました。
 核兵器廃絶に向けて第五福竜丸はいまも航海中と、講演をしめくくりました。

平和に必要なジェンダー視点と
運動していくことの大切さ
はたらく女性の広島県集会

ロードビルで開催された働く女性の広島県集会

 2月23日、ロードビルで「未来を創る私たちの一歩〜ジエンダー平等と核兵器廃絶に向けて平和の港へ出航しよう〜」と題して働く女性の広島県集会が開催されました。

平和の取り組みについて

 最初に佐藤真奈美実行委員長が今年励まされたことと題して
@女性の地位や権利をテーマにしたドラマ「虎に翼」のストーリー展開、世間の反応
A日本被団協のノーベル平和賞受賞とその理由の一つに「献身的な個人が変化をもたらす事ができる」という言葉があったこと

の二つをあげました。
 そして、今集会のテーマと合致する、参加者みんなで語り合い、学び合おうと挨拶されました。
 その後、7つの団体から平和の取り組みについて報告があり、広島自治労連は2024年度の平和公園フィールドワーク、女性部定期大会でのミニ学習会で「平和公園とパールハーバー記念公園姉妹協定について」学んだことなどを発言しました。

ジェンダー平等は平和に不可欠

 記念講演は「平和と核兵器廃絶をジエンダー視点で考えるー戦後・被爆80年ー」と題して日本平和委員会常任理事の川田忠明さんのお話を聞きました。
 川田さんは、核兵器が肯定される背景に男権主義的な政治があること、これまで世界で起きた戦争の中で核兵器を使用させなかったのは世論の力であり、1954年ビキニ被災を受け、原水爆禁止署名(3200万筆=当時の人口の2/3)を集め、母親大会(当時は婦人大会)を開催した女性の運動が平和運動をリードしてきたこと、その先にある核兵器禁止条約にはジェンダー視点を取り入れた初の核軍縮条約であることなどが話されました。
 さらに、核禁条約の交渉をリードした女性たちの紹介や国連総会・軍縮関連決議のジェンダー比率を紹介し、長期的に安定した平和の実現や和平プロセスにジェンダー視点が必要であることを示し、ジェンダー平等は平和に不可欠と語られました。

一人ひとりの力が大切

 最後にノーベル平和賞受賞やNPT再検討会議での議長の言葉で紹介された「献身的な個人」「一人ひとりの市民」の力が大切で「多数の不正解の意見に対し、1人でも同じ意見の者がいれば、同調圧力に負けにくくなる」というソロモン・アッシュの同調実験を紹介され、そこにいて運動する意味に自信と確信を持っていこうと話されました。
 まだまだ、女性やジェンダー平等を語らなければいけない現状ですが、すべての人々が人権を守られ豊かに暮らしていけるよう運動していくことの大切さを感じられる集会でした。