広島市職労回答交渉
前進面は評価できるが
現場では 欠員などの切実な課題が
3月5日、広島市職労は昨年3月に提出した「2024年度賃金・労働条件の改善に関する要求書」に基づく人事部長との回答交渉を行いました。
回答前段では、昨年11月に決着した賃金確定交渉の結果にもとづいて、市職労要求書や重点要求の要求項目に沿って回答がありました。
人員体制・長時間残業是正など課題は依然として残る
回答の後段で、市職労からの個別の要求に対する独自の回答がありました。
〈技能業務職の正規採用〉
人員増の要求について、来年度も技能業務職のすべての職種で新規採用を確保した。退職者数に見合った採用者数が必要との組合要求があるものの、国から指導があり、厳しい現状。令和8年度採用者から年齢要件を緩和する。
〈時間外勤務の削減〉
市職労と9月と2月の2回協議の場を持ち、様々な意見を聞いている。事務の効率化による職員の負担軽減を図っていきたい。来年度庶務事務システムの更新にあわせ、PCのログ記録の把握を効率的にできるようなシステムを導入する。ただ、出退勤記録システムの導入については、来年度予算が確保できなかった。
〈ハラスメント対策〉
相談窓口を周知するためチラシを配布したり、相談機関と服務担当部局の連携を図り初動の迅速化など、相談体制の充実を図っている。カスタマーハラスメント対策として、職員名札の仕様を変更した。カスハラ対策マニュアルを年度内に策定する予定。
〈障害のある職員の相談窓口の拡充〉
今年度から福利課に相談員を配置し、来年度採用の職員の合理的配慮の検討等、改善を図っている。障害のある職員の活躍推進プランの次期計画策定には、21名の方から直接意見を聴取し、プランの改定に反映させている。
〈会計年度任用職員の処遇改善〉
「職の設定」について職種ごとの検討を行ったが、業務内容が拡大した職種でも人員増が図られるなど、業務負担としては導入当初と比較して変わったものはなかった。
改善訴えるも 変わらない現状
回答に対し、参加者がそれぞれ意見を述べました。塩見副委員長は、学校給食調理員の臨時的任用職員が来年度も拡大する状況について、「本来の任用制度は短期が前提なのに、導入から3年経過し矛盾が拡大している」、障害のある職員の活躍推進プランについて、「組合要求として度々言及していたにもかかわらず、改定にあたり組合との協議の場がなかったことは納得できない」と問題点を指摘しました。
保育園支部からは、「正規保育士が足りず、産育休の対応のため年度中途の担任に人事異動が生じているにもかかわらず、正規保育士の採用予定が45名とこれまでより削減されている。主任のフリー化を進めているが、実態としては欠員対応で保育に入らざるを得ない。死亡事故後を受けた改善策として、主任の専任化が方針とされたが、実質守られていない」と現状を訴えました。
各施設の老朽化は年々深刻化
木下書記長が、施設の老朽化の問題が年々深刻化していることを指摘。本庁のトイレ改修が着手されたことは良かったが、佐伯区役所の空調が故障していることや、大手町平和ビルもエアコンの部品が製造中止で故障したら後がないことなど、具体的に切迫した問題があることを例に、対応を求めました。(佐伯区の空調は次年度対応予定と後日回答)
会計年度職員 業務に見合った処遇に
また、会計年度任用職員の「職の設定」については、導入当初との比較だけではなく、多職種との均衡も考慮すべきだと指摘。制度移行の際に格付を低く抑えられた職種もあることを訴えました。
今回の回答を踏まえ、3月24日に2025年度の要求書を提出する予定です。
本庁舎 トイレ改修中
市役所本庁舎でトイレの改修工事が11月末から実施されています。
実態として、女性用トイレより男性用の方がスペースが広く、便器の数も多いこと。また、本庁舎の建設当時と比較して、女性職員が大幅に増え、女性用トイレが非常に混雑していました。しかし、それぞれ自分の性別のトイレしか使用しないため、長年の間、この男女差が把握されていませんでした。
マスコミ報道もあり、市職労女性部でも交渉で取り上げ改善を要求し、計画期間を経て工事がスタートしました。
改修工事を行い、器数を増やしたり、フロアによっては男女の位置を入れ替えて、改善を図るとのこと。大規模な工事になり、工期も長期に及ぶ予定です。
現在1階〜3階の男性用トイレの改修が終わり、3階のトイレの男女が入れ替わり、女性用が増設された形となっています。
改修により、臭気が不快だった1階男子トイレも、きれいになり、最新機能の便座に変わっています。
女性は3階で、新しいトイレを体験できます。
長期間、様々な制限もかかりますので、困ったこと等ありましたら、市職労までご相談ください。
女性部第51回定期大会
改善の要求が通った女性部の活動の意義深さ
2月28日、第51回女性部定期大会を開催し28名の参加がありました。
ミニ学習会として、先日の「はたらく女性の広島県集会」で講演された川田史明氏による記念講演をDVDで視聴しました。「なぜ戦争がジェンダー視点なのか」とはじまり、広島・長崎に使用された原子爆弾の名前が「リトルボーイ・ファットマン」であること例に、兵器や軍隊が「男らしさ」の象徴とリンクし、戦争・軍備拡大に影響を与えていることを学びました。また、80年近くの間、戦争で核兵器が使用されてこなかったのは、戦後間もないときから被爆者たちのたたかいや、ビキニ環礁の核実験が被ばく者の怒りの火付けとなり、女性たちが立ち上がり、署名活動から母親大会、原水爆禁止世界大会が開始されたことで、第三の核が落とされることを阻止した歴史があることなどを学びました。
定期大会では、来賓の広島自治労連委員長・市職労執行委員長より挨拶を頂き、続いて女性部の活動「孫の看護休暇の実現」「生理休暇が健康サポート休暇に名称変更」「本庁の女子トイレの増改修」など、女性部の要求から改善されたことの報告や、運動方針案などの提案がされました。「女性部は、他団体と一緒に学ぶことがあるので、参加しましょう」の呼びかけもありました。
参加者から、女性部の活動の意義深さを感じていると発言がありました。
被爆80年 今こそ 平和 ジェンダー平等
2025国際女性デー広島
3月9日、合人社ウェンディひと・まちプラザで国際女性デーひろしまが開催され、124名が集結しました。
オープニングでは、広島合唱団が被爆80年記念ソング優秀賞の「いま君とともに」を合唱し、会場いっぱいに平和への願いが響きわたりました。
講演は被爆3世弁護士の寺西環江さんの私の「虎に翼」と題し、ジェンダー的視点からの問題について
●母子家庭の貧困
●女性のほとんどが非正規雇用
●出産後、子どもが保育園、幼稚園に入る前の子育ては基本、女性の仕事になっている現状
●共働き家庭が増えるなか、女性の負担は倍増する
●出産に伴い離職する人が多い
●子育てにより断絶されるキャリア、そして性被害から見えるジェンダー
●加害者の認知のずれ
●性的同意についての教育がされていない
●日本では夫婦間の性的議論がほとんどない(離婚の原因のひとつ)
等の話を聞きました。
今、全ての女性が子育てに余裕ができ、生きやすい社会にするためには、ジェンダーギャップ指数が大きい男女賃金格差、国会議員の男女比率を上げなければなりません。そのためには、女性議員を増やす又は、ジェンダー問題に重きをおいている議員を増やそうと呼びかけました。
活動報告では、日本被団協ノーベル平和賞受賞の様子や(オスロでの出来事)、こども誰でも通園制度の実施状況、マイナ保険証のトラブル等がありました。
最後にアピール文が読み上げられ、会場いっぱいの拍手で承認され終了しました。
2025国民春闘勝利 広島県決起集会
大軍拡・大増税NO! 物価高騰から生活を守れ
国民春闘広島県共闘委員会と広島県労連は、3月13日にアリスガーデンで、「2025国民春闘勝利!3・13広島県決起集会」を開き、約100人が参加しました。
ストライキ実施の労組も
賃上げへ職種を超え連帯
集会では、国家公務員やストライキを実施した医療労働組合、非正規労働者、女性、教員から切実な職場実態と課題について訴えがありました。
〇県労連女性センター
2018年以降継続している「あなたの働き方を教えてくださいアンケート」では、女性の6割が非正規雇用、非正規労働者の約25%が主たる生計者で約15%の方がダブルワークを行っている。睡眠や休息の時間が削らなければならないことは憲法25条に反しているのではないか。今すぐ最賃1500円以上を労働局等に要請している。
〇広島自治労連
能登半島地震から1年以上経過したが、地元自治体職員や全国からの応援職員の懸命な頑張りがあっても復興が進んでいない。住民のいのちと暮らしを守る自治体の役割を発揮するには、職員の命と健康が守られ、安心して働き続けられる労働条件が不可欠。「公共を取り戻す」運動を強めたい。
なかまを増やし労働組合のバージョンアップを
集会の最後に「職場・地域から、なかまの切実な声にもとづく要求実現のために、すべての労働者を労働組合に迎え入れ、労働組合をバージョンアップして『対話と学びあい』を広げ、25国民春闘をたたかい抜きましょう」と集会アピールを採択して終了しました。
その後、「物価高騰から生活を守ろう」「大軍拡・大増税反対!」など市民に訴えながら、本通りをデモ行進しました。