定数交渉
来年度も一定数増員
減員対象の職場は不安が残る
1月27日、市職労は令和7年4月1日付け職員配置の見直しについて、定数交渉を行いました。
全体で57人の定数増
人事課長が資料にもとづいて、増員、減員の内容を説明しました。増員の内訳としては保健・医療・福祉の充実で40人、都市基盤の整備で5人、教育行政の充実で6人、その他事務事業の充実で264人の計315人の増員。
減員では、事務事業の縮小・廃止で238人、事務事業の委託で9人、執行体制の見直しで11人の計258人。増減の差は57人の定数増となりました。増減のうち、育児休業の代替要員分が147人増、115人減で、増減数の大きな割合を占めており、育休代替による純増で32人となっています。
子ども関連施策や区役所で増員 業務量の負担軽減でも
特徴的な増員としては、児童相談所の体制強化で18人。区役所の地域支えあい課で保健活動の体制強化で8名の増員となっています。こども家庭センター、一時預かり事業(保育)、こども関連施策の調整など、「保健・医療・福祉の充実」に関する増員で子ども関連施策が目立ちます。
その他事務事業の充実では、持続可能な地域コミュニティづくりの推進として各区地域起こし推進課に1人(安佐南と安佐北は2人)、国勢調査対応で各区1人の増員となっています。
時間外勤務の削減のための増員6人が佐伯区福祉課や健康福祉局・障害福祉課、障害自立支援課等の6所属に1人ずつ配置され増員されました。短時間勤務ポストの常勤職員への振替の17人が、業務負担軽減のための増員と位置付けられています。
減員では職員負担増が心配なものも
減員では、コロナワクチン業務やサッカースタジアム建設、恵下埋立地整備など事業が縮小・廃止になったものが中心で、すでに業務が収束し他職場の欠員補充等で、実質は減員済みのものも含まれています。滞納整理業務については、滞納件数減少を理由に大幅減員となっています。内部管理業務に係る職員配置の見直しでは、企画総務局内の部署を中心に減員しており、業務量との乖離があるのではと懸念されます。
住民の暮らし守る仕事 人員確保を
現業職場では、来年度正規採用を実施するものの、退職者には見合わず減員され、会計年度任用職員への置き換えや民間委託が続けられています。しかし、能登半島地震では公務労働者の減少が、地域防災や災害からの復旧・復興の困難さにつながることが、実態として示されています。現業職員も災害では様々な力が発揮できます。これらの現業職員の経験・技能の継承のため、人員体制確保が必要です。
定年延長に際しての増員確保と減員ねん出の構図
また、この3月は定年が延びた職員が退職しますが、その退職者を見込んで一定の増員をかけており、全体数としては定年延長に際して労使合意した増員分が確保されているように見えます。しかし、国の制度上で増員を必要とするものに対応した、児童相談所等の子ども関連施策の増員分を確保するため、減員をねん出しないといけない構図もあると見受けられます。来年度に向けての人員体制には不安が残る内容となりました。
第33回自治体保育労働者の全国集会in広島
公的保育の拡充をめざし 全国の保育労働者が集う
2月15〜16日に、第33回自治体保育労働者の全国集会in広島が広島国際会議場で開催され、2日間でオンラインを含めてのべ300人以上の参加がありました。
広島市職労保育園支部役員を中心に、現地実行委員としてこの日のために企画・準備を行ってきました。
歌に込めた平和への思いと憲法の大切さ伝える講演
1日目の全体会では、オープニング行事として公立保育園職員に有志による絵本の朗読とアオギリのうたの合唱を披露しました。被爆80年の年に広島で開催される意義を捉え、平和な未来を子どもたちにつないでいきたいという思いを歌に乗せて参加者に届けました。
記念講演では、ひろしま市民法律事務所の楾(はんどう)大樹弁護士が「檻の中のライオン 憲法ってなんだろう?」のテーマで話されました。楾氏はパペット人形を用いながら「ライオンさん(国家権力)は檻(憲法)のなかで力を使わなければならない」と前置きしながら「ライオンが勝手に檻を改修(憲法改正)して戦争を行わないように国民が見張る必要がある」などの話をされました。
公立保育園の平和の取り組み
特別報告では、広島市職労保育園支部が「へいわってなあに?みんなでかんがえよう」というテーマで公立保育園の平和の取り組みを話しました。普段の保育のなかで、子ども一人ひとりが自分の思いを伝えたり、友だちの思いを聞いたりすることを大切にしてきたことを軸に話されました。
また、地域の方から戦争や原爆についてのお話を聞いたことをきっかけにして、クラスみんなで平和について考えるエピソードも紹介されました。
文化行事では広島ジュニアマリンバアンサンブルさんが躍動感のある演奏を披露し、会場が手拍子に包まれました。子どもたちの演奏技術も高く、何よりも楽しんで演奏する姿に、涙する参加者もいました。
交流し確認し合った各地の保育状況と運動
2日目は、1つの講座と4つの分科会を行いました。保育園支部は、第2分科会「公立保育所を守る運動」で、八幡東保育園の廃園問題について、第3分科会「保育の拡充を求め国や自治体に対する運動」で横川保育園でのこども誰でも通園制度の試行的事業の取り組みについて発表しました。また、第4分科会「会計年度任用職員の処遇改善と雇用を守る取り組み」のなかで、フロア発言として、広島市の欠員の状況等を報告しました。
全国からたくさんのなかまたちが集まり、国の保育情勢を学び、各地の状況や運動を交流しあえた2日間でした。子どもたちによりよい保育を行える保育条件のさらなる改善と職員が健康で働き続けられる労働条件の改善を行っていくことを参加者全員で確認し合い、集会を終えました。
子看休暇 対象拡大 健康サポート休暇
女性部の要求 一歩一歩実現中
女性部 回答交渉
2月7日、女性部は9月に提出した要求書に対する回答交渉を、人事部長、給与課長と行いました。
当局からは休暇制度について4点の回答がありました。
@生理休暇の名称を「健康サポート休暇」とし取得しやすくする。
A妊娠障害休暇の7日から14日に拡大し時間単位の取得が出来ることとする。
B出産補助休暇について、産後1ヶ月以内に週休日、休日、年休を含めて連続1週間以上休む場合は、日数を7日以内とする特例期間を5年間延長する。
C子の看護休暇の拡大について、障害者手帳の交付を受けている子や孫の通院等については義務教育終了前までを含む。
また、ハラスメント防止について、昨年から外部機関の相談窓口のチラシを配布するとともに、専門カウンセラーが受け付けた相談内容を、相談者の意向を確認したうえで共有し、初動対応を迅速に行っていくと回答がありました。
これを受け、女性部として
・ハラスメントの実態調査
・孫休暇の拡大
・健康サポート休暇の拡大
について再度要求を行いました。
4月から地域手当が9%に
給与水準を維持するため給料表も併せて改定
人事院勧告で地域手当再編
人事院(国)による国家公務員の「給与制度のアップデート」の一つとして、「地域手当の大くくり化」が示され、地域手当の級地区分の見直しが行われました。都道府県単位の地域手当の指定が新たに加えられ、広島県が4%地域になり、これまで地域手当がなかった県下の市町でも、段階的に地域手当の引上げが行われる一方、広島市は8%地域に分類されました。
地域手当引下げ分を調整する二段階の給与改定で交渉決着
国家公務員の地域手当の見直しに伴い、「広島市職員はどうするのか」が昨年秋の賃金確定交渉の焦点の一つでしたが、来年度から1%引き下げ、給与水準を維持するため、地域手当の引下げに相当する給料表の引上げ改定を行うことで合意しました。これに伴い、この4月からは地域手当が9%になり、それに伴って、給料表も再度改定されます。
確定交渉に関連したニュースでも、お知らせしているとおりですが、人事委員会勧告による引上げ2・64%部分の2024年4月にさかのぼっての今年度分の改定では、初任給の引上げ幅を抑制し、高齢層職員に一定賃上げがいき渡るようにしています。12月末に差額支給された部分にあたります。
若年層中心の改定 管理職以上は引上げなし
一方、地域手当の引下げに伴う給与改定では、初任給を国の水準まで引き上げるため、若年層中心の改定になり、若年層以外の課長補佐級(5級)まで500円の引上げ、管理職(6級)以上は引上げなしという内容になっています。
国が実施する「給与制度のアップデート」が若年層の賃上げに重点が置かれている状況が続いているため、高齢層職員が割を食っている状況が続いていますが、2025春闘での賃上げや、それを受けた人事委員会勧告での官民較差の状況も踏まえて、地域手当や基本給をどう配分するのか、今年の労使協議の課題になります。