TOSSランド : 授業・教科等/基礎学力定着/算数/2年生


 2年 「ひきざん(2)」 第3時
       -「向山型算数」での筆算指導-

     2000.9.20
大阪書籍2年上巻
       P.61
福山市立水呑小学校
教諭    粟村啓史

 「向山型算数」での指導を心がけた。
P.61、「百の位で繰り下がりが1回あるひき算」の学習である。
 まず、昨日読みの練習をしていなかった2問の「読みの練習」から始めた。

    @   854      A  345
      −146        −317
 
 
 読みの練習を終えた後、次のように指示した。

(指示1) 教科書61ページ、鉛筆番号3番。
 

 ここまで言うと、教科書の該当個所にサッと指を当てる子がいる。「今、サッと反応した人」と問うと、6〜7割の子が手を挙げる。
 そんなとき私は、

 サッと反応できる子はとっても素晴らしい。賢くなる練習を1回したことになるんだよ。
 サッと反応できる子はとっても賢い。
 

と誉める。そしてすぐ2回目を行う。全く同じ指示をもう一回言うのである。そして同じように、「今、サッと反応した人」と問う。今度は9割方が手を挙げる。そして同じように誉めるのである。こうしたことを日々繰り返していると、サッと指を当てるという反応が普通の行動として行える子が増えてくる。

(指示2) 教科書61ページ、鉛筆番号3番。読んでご覧なさい。
 
 
 教科書の問題文を読ませる。

 524−371の 計算の しかたを かんがえましょう。
 
 
 読ませた後、

(指示3) 524−371の計算をノートに筆算でやりなさい。今まで習った通りにやれば
      できないことはありません。やってご覧なさい。できたら「できました」と言い
      なさい。
 
 
 しばらくすると、「できました。」と言う声が聞こえ始める。
 大体の子がやり終えてから、

(発問1) 言ってみようと思う人?
 

と問う。一人を指名し、言わせる。

 (1)524−371は、
 (2)4−1は3
 (3)2から7は引けないので百の位             4  1
   から1借りてくる。                        4
 (4)12−7は5                      −3 7 1
 (5)百の位が1繰り下がって4                1 5 3
 (6)4−3は1
 (7)こたえ、153
 

 上のように言わせるのだが、最初は前時の言い方が頭にあって、(3)を言うとき、「百の位から」ではなく「十の位から1借りてくる」と言いやすい。また、(5)を言うときも「百の位が」ではなく「十の位が1繰り下がって」と言いやすい。2年生の1クラスでは最初からすんなりいったが、別の1クラスでは(3)と(5)のところで「十の位」と言ってしまい、全員から「百の位」と正されていた。
 さてその後は全員で読みの練習をする。やはり(3)と(5)で間違いやすい。何度か全員で練習させた後、列指名で立たせ言う練習をさせた。その後もう一度全員で読ませた。その後次のように問うた。


(発問2) 1借りてくるの「1」は、本当は幾つなのですか?
 

 「10」と言う声と「100」と言う声、挙手させると1対2ぐらいである。ここでは教師が「本当は100です。」と教えた。

(発問3) 百の位から幾つ貸してあげるのですか?
 

と問い直しながら、「100」であることを確認した。
 続いて(イルカ3)の問題をさせた。8割方の子ができたのを確認して、3人の子を指名して黒板に出てやらせた。その後全員で読みの練習をさせる。その際、

(指示4) 3問全部やり終わっている人は、全員黒板を見ながら言い方の練習をしま
      す。まだ終わっていない人は、その間にやってしまいましょう。合っていた人
      は丸。違っていた人は直しなさい。分からなかった人は見て写しなさい。写
      すのもお勉強です。一番いけないのは、何もやっていないことです。
 

という指示を出しておくことが大切である。
 その次。


(指示5) 鉛筆番号の4番。そこに3つ問題があります。それらをノートにやりなさい。
      できたら「できました」と言いなさい。
 

 8割方の子ができたのを確認して、3人の子を指名して黒板に出てやらせた。その後全員で読みの練習をさせる。その際の指示は、上記(指示4)の通りである。
 その次。


(指示6) イルカの4番、指差してご覧なさい。その3番目の問題を指差してご覧なさ
      い。全員で声出して読んでご覧なさい。
 
 
 イルカの4番の3番目の問題を指差しさせる。そして読ませる。それが3番目の問題であるということをはっきりさせるためだ。

(指示7) その3番目までできたら、一度先生の所に持ってきなさい。3番目の問題だ
      け見てあげます。先生に丸をもらったら、4番目の問題も済ませてもう一度
      持ってきなさい。
 
 
持ってこさせるときは、

 ア)問題と問題の間は指示したとおりにゆったりと空いているか。
 イ)物差しを使って線を引いているか。
 ウ)ノートを出すとき、適切な向きで、両手を添えて出しているか。
 

ということに気を付けて見てやる。
 3問目があっていたら丸を付けて返す。違っていたら、バツを付けて返す。
 4問目まで終えて持ってきた子には順番の番号を書いておいてやる。教師には、今何人終了しているかが把握できる。また、子どもに黒板に出して問題をやらせたいときに、

(指示8) 先生に4番までの番号を打ってもらった人、前に出て黒板にやりなさい。
 

と言えるのである。大体7〜8割の子がやり終えたら(指示8)を出す。
 その後全員で読みの練習をさせる。その際の指示は、上記(指示4)の通りである。


                                       

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