TOSSランド : 授業・教科等/基礎学力定着/算数/2年生


 2年 「ひきざん(2)」 第4時
         -「向山算数」での筆算指導-
 
     2000.9.21
大阪書籍2年上巻
  P.62〜P.63(イ1)
福山市立水呑小学校
教諭    粟村啓史
 
 「向山型算数」での指導を心がけた。
 このページは、十の位と百の位の両方に繰り下がりがある「(3位数)−(3位数)」の筆算の学習である。
 まず、前時にやり残していたP.61(イルカ4)の答え合わせから始めた。百の位に繰り下がりがある練習問題4問である。
 その後、次の2問を出した。

   @   874      A  628
     −146        −375
 

 ノーにやらせた後、全員で筆算を読む練習をした。その後次のように問うた。

(発問1) @とAは、どこがどのように違うのですか。
 

 何人かの子が発表した。
  ・問題が違う。(同じ問題ではない)
  ・答えが違う。(同じ答えではない)
などの意見もあったが、「うん、そうだ、その通り。」と言って全部認めた。そして  ・繰り下がりの位置が違う
  ・@は十の位が繰り下がっているけどAは百の位が繰り下がっている。
という意見に焦点を当て、次につなげるように本時の学習内容を確認した。


(説明1) 昨日までは、十の位か百の位のどちらかに1回だけ繰り下がりがある筆算
      を勉強してきました。今日は、十の位にも百の位にも、どちらにも繰り下が
      りがある場合の筆算について勉強します。
 

(指示1) 教科書62ページ、鉛筆番号の1番。まず先生が読みます。目で追いなさい。
 

学校で、あきかんを 9月は 425こ、10月は 267こ あつめました。9月は、10月より なんこ おおく あつめましたか。
 

(指示2) この問題を解く式を言ってご覧なさい。
 

(指示3) この計算をノートに筆算で書きなさい。今まで習ったとおりにやったらできま
      す。やってご覧なさい。できたら「できました」と言いなさい。
 

  しばらくすると、「できました。」と言う声が始まる。8割方の子が終わった頃に、

(発問2) 言ってみようと思う人・・・。
 

と発表を促す。数名の子が挙手。1名を指名し、言わせた。


  (1)425−267は、
  (2)5から7は引けないので十の位
    から1借りてくる。
  (3)15−7は8
  (4)十の位が1繰り下がって1
  (5)1から6は引けないので百の位
    から1借りてくる。
  (6)11−6は5                             3  1  1
  (7)百の位が1繰り下がって3                     5
  (8)3−2は1                           −2 6 7
  (9)こたえ、158                           1 5 8

(4)(5)(6)(7)の流れが難しい。特に(5)(6)である。しかしここが一番大切なところである。しっかりと「筆算の読み」を練習させなければならない。


(指示4) では、全員で言ってみましょう。黒板をしっかり見ながら、しっかりとした声で
      読みなさい。
 

 読みの練習を何回かさせた。やはり(4)(5)(6)(7)が難しいようである。しっかり言えるようになるまでには何回も練習させなければならない。ここで、列指名で言わせることにした。(前回は3グループ列でやったが、今回は6グループ列で言わせことにした。)

(指示5) はい、この列、起立!
 

と言って、まずは列ごとに、号令と共に席を立たせる練習をさせた。どの列も、前回よりはサッと席を立てるようになってきた。それを確認して、その後列ごとに言わせた。その後もう一度全員で言わせた。そして、
 

(指示6) 今から各自で覚えなさい。本当に覚えたと思ったら、起立しなさい。
 

と指示した。しばらくするとポツポツと立ち始めた。ほぼ8割方の子が立ったのを確認して、まだ席を立っていない者も席を立たせた。そして全員を立たせたまま、再度全員で言わせた。
 その後、(イルカ1)の練習問題をさせた。

(指示6) 63ページ、イルカの1番。一番最初の問題を指で差しなさい。その問題、読
      んでご覧なさい。
 

 イルカの1番は3問あるのだが、一番最初の問題だけを指で押さえさせ、その問題だけを読ませた。

(指示7) 今読んだ問題をノートにやりなさい。できたら「できました。」と言いなさい。
 

 「1問だけですか?」と問うた子がいたので、「はい、1問だけです。」と答えた。ここは先ほどの読み方の確認のために、どうしても「最初の1問だけ」が必要なのだ、と判断したからである。
 ほぼ8割方の子ができたのを確認して、

(指示8) では読み方の確認をします。しっかり声を出して読みなさい。
 
 
本来なら一人一人を確認するのがいいのだろうが、時間も莫大かかるだろうからそれはやめた。全員で一斉に読ませた。
 そろわないところはストップさせ、もう一度やり直しさせた。スラスラと勢いの感じられる読み方ができるまで、何度か練習させた。その後、

(指示9) イルカの1番。残りの2問、指差してご覧なさい。その2問をノートにやりなさ
      い。できたら先生の所に持ってらっしゃい。
 

 このときは、次のようなチェックの観点を持って児童のノートを見ることにした。






 

・問題と問題の間を指示したとおりにあけているか。
・物差しを使って線を引いているか。
・借りてきた「1」や「  」の印、「繰り下がったときの数字」をキチ
 ンと書いているか。
・答えは合っているか。
 






 

 時間切れのため読みの練習ができなかったので、次時、これら2問の読みの練習から始める。

                                       

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