TOSSランド : 授業・教科等/基礎学力定着/算数/2年生
2年 「ひきざん(2)」 第5時
-「向山型算数」での筆算指導-
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2000.9.25
大阪書籍2年上巻
P.63(鉛筆2) |
福山市立水呑小学校
教諭 粟村啓史 |
「向山型算数」での指導を心がけた。
ここでは、繰り下がりが2回ある「(3位数)−(2,3位数)」の筆算の計算で、減数や答えの百の位が空位になる場合の計算の仕方を学習する。
まず、前時の復習として、次のような問題を出した。
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「サッとできる子は賢い!」などと言っても、
この日は限界があることを感じた。一向に取りかかろうとしない子がいたのだ。そんな子には「追い込まれた緊迫感」みたいなものが必要なのかな、などと思った。 |
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そこで次のような指示を出すことにした。
席を立った者から順番に、「1」「2」「3」「4」「5」・・・と番号を言ってやった。そうすると、子ども達の中に「早くやんなくっちゃ」というような微妙な緊張感が生まれる。また教師の側も、今何人の子ができているのかということの確認ができる。8割方が立ったところで、
(指示2) 立っている人、声出して読みの練習をします。座っている人、今の内に素速
く終わらせましょう。はい、どうぞ。
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と指示。座っている子は聴きながら問題をやる。立っている子は大きな声で言う。 そして、次。次の問題を出す。
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ここも、指示1、指示2と同じようにした。
そして、次。 |
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(指示3) 教科書63ページ、鉛筆番号の2番。はい、今サッと指を当てた人?!
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挙手させる。サッと反応できた子を誉める。
(指示4) 今@をやりました。Aを指差してご覧なさい。読んでご覧。(問題を読ませる。)
次、Bを指差してご覧なさい。読んでご覧。(問題を読ませる。)今読んだ2問
をノートにやりなさい。2問ともできた人は起立。
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上記のような2問である。
ここでも同じように、席を立った者から順番に、「1」「2」「3」「4」「5」・・・と番号を言ってやった。早く終わった子に対しては、「頭の中で、読み方を考えて、読みの練習をしておきなさい。」と指示した。
8割方が立ったところで、
(指示5) 立っている人、声出して読みの練習をします。しっかりと黒板を見ながら言い
なさい。座っている人、今の内に素速く終わらせましょう。できたら立って言い
なさい。はい、どうぞ。
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と指示。
読み方は次のようにさせた。
A
B
(1)542−467は、 (1)135−68は、
(2)2から7は引けないので、
(2)5から8は引けないので
十の位から1借りてくる。
十の位から1借りてくる。
(3)12−7は5
(3)15−8は7
(4)十の位が1繰り下がって3 (4)十の位が1繰り下がって2
(5)3から6はひけないので
(5)2から6はひけないので
百の位から1借りてくる。
百の位から1借りてくる。
(6)13−6は7
(6)12−6は6
(7)百の位が1繰り下がって4
(7)百の位が1繰り下がって0
(8)4−4は0
(8)0−0は0
(9)こたえ、75
(9)こたえ、67
4 1 3 1
0 1 2 1
5 4 2 1 3 5
− 4 6 7 − 6 8
7 5 6 7
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座っている子は聴きながら問題をやり、できた時点で立つ。立っている子は大きな声で言う。
しかし、である。「しっかりと黒板を見ながら」ができていない。自分の手元を見たり、横を向いたり、下を向いたりしながら・・・の子もいるのである。これは一度確実に徹底させておかなければならないと思った。Aの読みの後、
(指示6) 今、最初から最後まで、ずっと黒板を見ながら言った人?!
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と訊いた。平気で手を挙げるのが何人かいる。さらにしつこく問う。
(指示7) 一瞬たりとも黒板から目をそらさなかった人?!
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それでもピンときてない子もいるのである。「目をそらさない」「ずっと黒板を見ながら」とはどういうことなのか、そのイメージが足らないのである。これは指導しなければならない。教えてやらなければならない。そこで私は次のように説明した。
「ずっと黒板を見ながら」とは、「読んでいる通りに書いてある字を目で追うこと」です。542と読んでいるとき、「ごひゃく」と読んでいるときは「5」だけを見る。「よんじゅう」と読んでいるときは「4」だけを見る。「に」と読んでいるときは「2」だけを見るのです。「目をそらさない」とはそういうことです。これと同じ読み方ができていなければ、ちゃんとできているとは言わない。
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そしてもう一度、Aを読ませた。もう一度やり直し。ここはしつこく、妥協無く。何度かさせた。私が見て「よし」と思えるまでは何度でもやらせるつもりだったからだ。
(指示8) 今、本当に一瞬たりとも黒板から目をそらさなかった人、座りなさい。
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と指示した。私は全員座ってもいいと思っていた。しかし、たった一人、女の子が一人立ったままだったのだ。その子は周りを見ながらドギマギしていたが、私はその子を誉めた。
あっ、あなた、とっても正直。素晴らしいです。たった一人でも、正直に立っているのはとても素晴らしい。そういう姿はとってもかっこいいし、とってもすてきです。先生はあなたの姿にとっても感激しました。
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こういった途端、その子は急に泣き出してしまった。こちらもなんだかグッときてしまい、涙の浮かぶような思いだった。私はその時、純粋にその子のことをいとおしく思えた。後になってしみじみ思い返したとき、子どもを「いとおしく思う」って、こういうことなのかなぁと思った。
さて、読みの練習の続きである。
読ませた後、
(指示10) ほんの一瞬でも目をそらした人、起立。
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と指示した。約3分の1の子が立った。
(指示11) 今立った人、正直でとてもよろしい。自分を厳しく見つめられる人はとっても
素晴らしい。もう一度読みます。立っている人、目をそらさず読めたら座って
よろしい。座っている人、目をそらしてしまったら立ちなさい。
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こう言って、読みの練習、実は「ずっと黒板を見ながら読む」ということを練習させた。何度か立ったり座ったりの変更があった。だが、あまりしつこくならない程度でやめた。
続いて(イルカ2)の練習問題である。練習問題は7問。
以下のように指示した。
(指示12) 教科書63ぺージ、イルカの2番。何問ありますか。
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もちろん、「サッと指で指した人?!」と訊いて挙手させた。「よーし、とってもいい。」と言って誉める。毎回毎回の繰り返しが大切である。
さて問題が7問あることを確認し、
(指示13) 4番目の問題、指差してご覧なさい。読んでご覧。今読んだ4問目までやっ
たら先生のところへ持ってらっしゃい。3問目と4問目に丸をもらった人は最
後までやってもう一度持ってらっしゃい。
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と指示した。
4問目を終えて持ってきた子には、3問目と4問目を見てやる。
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・問題と問題の間を指示したとおりにゆったりとあけているか。
・物差しを使って線を引いているか。
・ノートを出すとき、適切な向きで、両手を添えて出しているか。
・借りてきた「1」や「×」の印、「繰り下がったときの数字」をキチ
ンと書いているか。
・答えは合っているか。
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ということに気を付けて見てやる。キチンとできていないものには大きくバツをつけて「やり直し」を命じる。
7問目まで終えて持ってきた子には順番の番号を書いておいてやる。こうすると、教師は今何人終了しているかが把握できる。また、子どもに黒板に出して問題をやらせたいときに、
(指示14) 先生に7番までの番号を打ってもらった人、前に出て黒板にやりなさい。
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と言えるのである。大体7〜8割の子がやり終えたら(指示14)を出す。
その後全員で読みの練習をさせながら、答え合わせをするのである。
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