TOSSランド : 授業・教科等/基礎学力定着/算数/2年生


 2年 「ひきざん(2)」 第6時
         -向山型算数での筆算指導-

     2000.9.26
大阪書籍2年上巻
P.63(鉛筆3)〜P.64
福山市立水呑小学校
教諭    粟村啓史

 「向山型算数」での指導を心がけた。
 ここでは、「(何百何)−(3位数)」で、繰り下がりが2回ある場合の筆算の計算の仕方を学習する。十の位が0なので、結局百の位から「1借りてくる」ことになるのだが、「借りた100を10と90に分けて操作する」ということを理解させなければならない。私は掲示用のお金の模型図ピースを使って説明することにした。まず、次のように進めた。

(指示1) 教科書63ページ、鉛筆番号3番。読んでご覧なさい。
 
 
 読ませた後、

(指示2) ノートに、「402−238」と書き、その下に、筆算の形でも書きなさい。そこま
      でできたら鉛筆を置いて前を向きなさい。
 

と指示。そして、

(説明1) 例えば、123円のことは、「100円が1枚、10円が2枚、1円が3枚集まった
      額です。」と説明することにします。
 

と説明した後、

(発問1) 238円は、どのように言えばいいですか。
 

と発問。
  ・100円が2枚、10円が3枚、1円が8枚集まった額です。
と反応した。続いて、

(発問2) 402円は、どのように言えばいいですか。
 

と発問。
  ・100円が4枚、10円が0枚、1円が2枚集まった額です。
と反応した。そして、

(指示3) 今日の学習では、402円の「10円が0枚」というところがとても大切なところ
      です。お金の模型で説明します。全員黒板を向きなさい。
 

と指示した。黒板には次のようにお金の模型を貼った。

 

  百の位

  十の位

     一の位


(100) (100) (100) (100)

 

 (1) (1)


 

     (100) (100)
 

(10) (10) (10)
 

 (1) (1) (1) (1) (1) (1) (1) (1)
 
 
 次のように問いかけた。

(発問3) 一の位、2円から8円が引けません。どうしますか?
 

 「十の位から1借りてくる」と言おうとするのだが、十の位には10円がない。

(発問4) 十の位には借りてくる十円がありません。さてどうしますか?
 

 「百の位から100円借りてくればいい。」と反応した子がいた。

(発問5) 借りてきた100円をどうしますか?
 
 
以下、このときのやりとりを書く。

(子)            (教)
・一の位におく。         
              ・102円−8円にする?
              ・一の位には何円借りてくればいいの?
・10円
              ・10円借りたら残りの90円はどうする?
・十の位にしまっとく。
              ・残りも捨てたらアカンもんね。
 

  そして、次のように書き加えた。

 

  百の位

  十の位

     一の位


 (100) (100) (100) (100)

 (90円)

 (10円) (1) (1)


 

     (100) (100)
 

(10) (10) (10)
 

 (1) (1) (1) (1) (1) (1) (1) (1)
 
 
 百の位の100円が一つなくなり、その100円が10円と90円に分かれたのだということを確認した。

(指示4) では、今のを筆算でやってみます。まず先生が説明しながらやってみますか
      ら、皆さんしっかり黒板を見なさい。
 
 
 そして、次のように「筆算の読み」をしながら、やって見せた。

  (1)402−238は、
  (2)2から8は引けないので、
    十の位から1借りてくる。
  (3)12−8は4                   3   9  1
  (4)十の位が0なので、                2
    百の位から1借りてきて、         2 3 8
    十の位の0が9になる。            1 6 4
  (5)百の位が1繰り下がって3
  (6)9−3は6(十の位の計算)
  (7)3−2は1(百の位の計算)
  (8)こたえ、164
 

 そして、黒板に書いた筆算を写させた。

(指示5) では、言ってみましょう。
 

言う練習をさせた。ここではザーッとである。そしてすぐ、もう一問を書いた。

(指示6) 「506−367」を筆算で、同じようにやってご覧なさい。できたら「できました」
      といいなさい。 
 

 大体の子ができたあと、私が言いながら、説明しながらやってみた。私の後をついて子ども達も言おうとしていた。その後、私は、上記(1)から(8)の言い方を黒板に書き、全員ノートに写させた。

  (1)506−367は、
  (2)6から7は引けないので、
    十の位から1借りてくる。
  (3)16−7は9                    4   9  1
  (4)十の位が0なので、                6
    百の位から1借りてきて、         3 6 7
    十の位の0が9になる。            1 3 9
  (5)百の位が1繰り下がって4
  (6)9−6は3(十の位の計算)
  (7)4−3は1(百の位の計算)
  (8)こたえ、139
 

(指示7) 読み方の(1)から(8)を全員ノートに書き写しなさい。写し終わった人は、自分
      の頭の中で何度も何度も言いなさい。覚えてしまうまで唱えなさい。
 

と、こう指示して書かせた。ほぼ全員が書き終わったのを確認して、(1)から(8)を唱えさせた。2度、3度と唱えさせた後、

(指示8) (4)はどんな問題の時でも変わることはありません。今から、(4)を完璧に覚え
      ます。頭の中で何度も何度も言って、完璧に覚えてしまいなさい。
 

 1、2分後、(4)を言わせた。挑戦しようと思う人は目をつむって言ってみようと促した。約半数の子は目をつむって挑戦していた。
 そして再度、上記の2問を読む練習をさせた。
 その後練習問題。

(指示9) 教科書63ページ、イルカの3番。一番最初の問題はさっきやりました。まだ
      やっていない残りの2問をノートにやりなさい。2問とも終わったら先生のとこ
      ろに持ってらっしゃい。
 
 
 見る観点は前時と同じ。







 

・問題と問題の間を指示したとおりにゆったりとあけているか。
・物差しを使って線を引いているか。
・ノートを出すとき、適切な向きで、両手を添えて出しているか。
・借りてきた「1」や「×」の印、「繰り下がったときの数字」をキチンと書いて
 いるか。
・答えは合っているか。
 







 

である。
 読みの練習は次時の最初にすることにした。



                                      

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