TOSS : 授業・教科等/基礎学力定着/算数/2年生


 2年 「ひきざん(2)」 第7時
         -「向山型算数」での筆算指導-
 
     2000.9.28
大阪書籍2年上巻
   P.64(鉛筆4)
福山市立水呑小学校
教諭    粟村啓史

 「向山型算数」での指導を心がけた。
 ここでは、「(何百何)−(1,2,3位数)」で、繰り下がりが2回ある場合の筆算の計算の仕方を学習する。十の位が0なので、結局百の位から「1借りてくる」ことになる。それは第6時の場合と同じである。
 この日の算数は2校時。1校時が体育だったため、私が教室に入ったときには、子ども達は一息ついているところだった。そこで次の指示からスタートした。


(指示1) 全員起立。(サッとした立ち方ではなかったので、やり直しをさせた。)算数の
      準備、『いつでも読めるように、いつでも書けるように』準備ができた人は座り
      なさい。座ったら、今日の日付とページ数を書いておきなさい。
 
 
私は常日頃、準備をするとは、

「いつでも読めるように」「いつでも書けるように」しておくこと。
 

である、と指導している。本とノートをただ机の上に出しておくだけではダメなのである。
 さて、 段々、素速くササッと準備を整えた子が増えてきた。2名ほど超ゆっくりペースの子がいたが、ほぼ全員座ったところで次に進めることにした。
 まず、前時最後の2問の読みの練習と答え合わせから始めた。

       5  9   1              7  9   1
        3               0
    −1 8 6           −5 7 2
      4 1 7             2 2 8
 

  (1)603−186は、              (1)800−572は、   
  (2)3から6は引けないので、         (2)0から2は引けないので、
   十の位から1借りてくる。           十の位から1借りてくる。
  (3)13−6は7                 (3)10−2は8      
  (4)十の位が0なので、            (4)十の位が0なので、   
   百の位から1借りてきて、          百の位から1借りてきて、
   十の位の0が9になる。           十の位の0が9になる。 
  (5)百の位が1繰り下がって5         (5)百の位が1繰り下がって7
  (6)9−8は1(十の位の計算)         (6)9−7は2(十の位の計算)
  (7)5−1は4(百の位の計算)        (7)7−5は2(百の位の計算)
  (8)こたえ、417                (8)こたえ、228     
 

(指示2) 合ってた人は赤鉛筆で丸。違っていた人は直しなさい。直したら丸をしてもい
      いです。分かんなかった人は、キチンと見て、キチンと写しておきなさい。
 

 しばらくして次の指示。

(指示3) 教科書64ページ、鉛筆番号の4番。
 

 いつものように、この指示とともに、指をサッと動かして反応したかどうかを確認する。指示とともに指をサッと動かして反応した子を大いに誉めてやる。

今サッと指を当てた子はすごい!! サッと反応できる子はとっても賢いなぁー。
 

(指示4) Bを指差してご覧なさい。読んでご覧なさい。次、@を指差してご覧なさい。
      読んでご覧なさい。今読んだ2問を、B番@番の順にやりなさい。できたら「で
      きました」と言いなさい。 
 

 しばらくすると、「できました」という声が出始める。8割方ができたところで2名を指名して黒板に出てやらせる。
 その後、読みの練習をさせる。

  B    8  9  1         @    2  9   1
        1               2
    −2 0 8           −  2 3
      6 9 3             2 7 9
 

B                      @
  (1)901−208は、             (1)302−23は、   
  (2)1から8は引けないので、        (2)2から3は引けないので、
   十の位から1借りてくる。         十の位から1借りてくる。
  (3)11−8は3                 (3)12−3は9      
  (4)十の位が0なので、            (4)十の位が0なので、   
   百の位から1借りてきて、         百の位から1借りてきて、
   十の位の0が9になる。          十の位の0が9になる。 
  (5)百の位が1繰り下がって8        (5)百の位が1繰り下がって2
  (6)9−0は9(十の位の計算)        (6)9−2は7(十の位の計算)
  (7)8−2は6(百の位の計算)        (7)2−0は2(百の位の計算)
  (8)こたえ、693                (8)こたえ、279     
 
 
 しばらくして次の指示。

(指示5) Aを指差してご覧なさい。読んでご覧なさい。次、Cを指差してご覧なさい。
      読んでご覧なさい。今読んだ2問を、A番C番の順にやりなさい。できたら「で
      きました」と言いなさい。 
 

 しばらくすると、「できました」という声が出始める。8割方ができたところで2名を指名して黒板に出てやらせる。
 その後、読みの練習をさせる。

  A    3  9  1           C     0  9   1
        5                  4
    −    7              −  4 5
      3 9 8                    5 9
 

A                      C
  (1)405−7は、                (1)104−45は、
  (2)5から7は引けないので、         (2)4から5は引けないので、
   十の位から1借りてくる。           十の位から1借りてくる。
  (3)15−7は8                  (3)14−5は9      
  (4)十の位が0なので、            (4)十の位が0なので、   
   百の位から1借りてきて、           百の位から1借りてきて、
   十の位の0が9になる。            十の位の0が9になる。 
  (5)百の位が1繰り下がって3         (5)百の位が1繰り下がって0
  (6)9−0は9(十の位の計算)         (6)9−4は5(十の位の計算)
  (7)3−0は3(百の位の計算)         (7)0−0は0(百の位の計算)
  (8)こたえ、398                 (8)こたえ、59     
 

(指示6) 教科書64ページ、イルカの4番。全部で何問ありますか?(9問)
      5問目を指差してご覧なさい。読んでご覧なさい。
      今読んだ5問めまでやったら先生のところに持ってきます。4問目と5問目に
      丸をもらったら9問目まで全部やって持ってきなさい。では、はじめ。
 

 5問目までやった子は持ってこさせた。4問目と5問目を見てやった。今までと観点は同じである。合格した子には丸を付けてやった。
 「物差しで線を引いていない子」、「間をゆったりあけていない子」、「借りてきた1や繰り下がりのバツ、繰り下がったときの数字を書いていない子」、「答えの間違っている子」には、赤鉛筆で大きくバツを書いてやり、「やり直し」を命じた。中にはふくれっ面をした子もいたが、約束は約束である。やり直しをさせた。
 私は9月の半ば頃、「上記のような場合は大きくバツを書くから、全部やり直しをします。」と全員に伝えていたのだった。その日から、以前よりノートを厳しく見るように心がけてきたのだった。もうこの約束は、2年生3つのクラスの中に定着しているのである。
 さて、9問まで全部やり終えて持ってきた子には、いつものように番号を書いてやった。
 頃合いを見て、最初の5問を黒板に書かせた。読みの練習をさせ、答え合わせをさせた。3問目が終わったところでチャイムが鳴った。残りは次の算数の時間にやることにして、この日の授業を終えた。
 
 この日の、最後の(指示6)であるが、私は

「5問目まで終えたら持ってらっしゃい。」
 

ということにしたが、あとで、

「3問目まで終えたら持ってらっしゃい。丸をもらったら、6問目まで終わらせて、もう一度持ってらっしゃい。」
 

というように、3問ずつ3回持ってこさせてもよかったのではないかな、と思った。どちらがよかったのだろうか。


                                      

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