第2学年の「時こくと時間」の第1時である。
大阪書籍「しょうがくさんすう」2年上 P.5
※大阪書籍「しょうがくさんすう」2年上 P.5の絵を省略します。
今日から本年度のTT授業開始である。
教室に、少し大きめの学習用模型時計を持って入った。すぐに始めようとしたのだが、ざわざわしていて、算数を勉強するらしい感じではない。机の上の準備もまだである。
それらを無視してすぐに始めてもよかったのだが、今日は本年度の初日である。まず、今年一年間の「約束」を話すことにした。次の二つである。
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約束@ 勉強の準備をして待つ。
A お話をしっかり聴く。
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そして、「準備をする」ということについて、
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いつでも読めるように、いつでも書けるようにしておくこと。
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であると指導した。
多数の子が、机の上に、教科書、ノート、筆箱を重ねて置いていた。そこで、
(指示) いつでも読めるように、いつでも書けるように、やってご覧なさい。
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と指示した。全員の準備が整うまでに、そう長くはかからなかった。
全員の準備が整ってから、学習用模型時計を使って「時計を読む(時刻を読む)」練習をした。1年生時の復習である。だいたい大丈夫であると判断し、教科書に移ることにした。
(指示1) 教科書5ページ。絵が描いてあるずっと下の方に、「2時こくと時間」と書い
てあります。指差してご覧なさい。
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サッと差せた子を短くほめる。分からない子には、「となりの子を見てご覧なさい。」と言う。
(指示2) その下に鉛筆のマークがあります。鉛筆の1番、指差してご覧なさい。
まず先生が読みますから、目で追いなさい。
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(発問1) 「上のとけいを見て、(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)
の時こくを。」
はい、次読む一文字は何ですか。
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「自信のある人。」と問うが、数名しか手が挙がらない。手を挙げた子を「すごい。素晴らしい。チョー天才。」とか言って、オーバーにほめる。
そして、すぐ2回目に移る。2回目も同じところでストップする。「自信のある人。」と問うと、かなり人数が増える。このとき、手の挙げ方を指導する。
(指示) 天井に突き刺すように手を挙げます。やってご覧なさい。
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天井に突き刺すように手を挙げている子を「かっこいい」とほめる。そして、3回目に移る。そのとき、「指の目でも追っている子がいる。とっても素晴らしいね。」と言って、一文字ずつ指を当てながら目で追っている子をほめる。
3回目も同じところでストップする。「自信のある人。」と問うと、ほとんど全員の子が「かっこよく」手を挙げる。そこで、「自信のある人は起立。」と言って立たせる。そして、
教科書をきちんと見ている子はとっても素晴らしい。きっと賢くなります。
賢い子になりたかったら、教科書をきちんと見られる子になりなさい。
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と言って、ほめるプラス語るのである。その後全員で一斉読みをさせる。
次の鉛筆マークの2番でも同じようにする。目で追うこと、教科書をきちんと見るということを徹底させるのである。
その後、全員での一斉読みを徹底させる。声がきちんと揃うまで、「しっかり読む」ということを徹底させるのである。
(発問2) ここでは、新しい言葉が二つ出てきました。何と何ですか。
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「時こく」と「時間」であることを確認する。
(発問3) 「時こく」と「時間」はどう違うのですか。
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ここでは答えられない。「え〜・・・」と言いながら、戸惑っている。そこで、「うん。難しいねー。」などと言いながら、ここでは「時こく」と「時間」について勉強することを告げる。
そこまできて、やっと教科書5ページの絵に移る。
(発問4) 最初の絵。白い帽子をかぶった男の子が「あっち行こうよ。」と指
差しています。その時の時刻は?
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教科書の時計の絵より、9時であることを確認する。
(発問5) 最初に着いたのはどこですか。(グリーンです、という声。)
その時の時刻は?
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教科書の時計の絵より、9時10分であることを確認する。
(発問6) 学校を出てからグリーンに着くまでにかかった時間は何分間ですか
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「10分」という子が多い。「10分間」と答えることを指導する。
その後、「9時」と「9時10分」を示す簡単な時計の絵を黒板に書く。そして、それぞれの絵の下に、「9時」「9時10分」と書き、それぞれに「時こく」と書く。そして間に「10分間」と書き、そこには「時間」と書いた。
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9時の
時計の絵
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10分間
(時間)
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9時10分の時計の絵
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9時 9時10分
(時こく)
(時こく)
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そして、(う)の時計の絵を見せ、
(発問7) 何時何分ですか。(9時25分です、という声。)
「9時25分」というのは、「時刻」ですか。それとも「時間」ですか。
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と問う。一人一人に判断させる。そして最後に、「正解は時こくです。」という。合っていた子は大喜び。
また、(う)と(え)の時計の絵を見せ、それぞれの時刻を言わせ、
(発問8) 9時25分と9時40分の間は何分間ですか。(15分、とか15分間とかの声。)
「15分間」というのは、「時刻」ですか。それとも「時間」ですか。
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と問う。一人一人に判断させる。そして最後に、「正解は時間です。」という。合っていた子は大喜び。
このような感じで、「時こく」にかかわる問題、「時間」にかかわる問題をテンポよく繰り返していく。次第に子ども達からは、「あ〜、分かった、分かった。」という声が聞かれるようになった。幾つかの「時こく」にかかわる問題、「時間」にかかわる問題をテンポよく繰り返していくことによって、子ども達は自然に分かっていったように感じだった。
「時こく」とは、「時間」とは、と説明しないで、幾つかの問題をテンポよく繰り返す方がいいのだなぁと感じた次第である。
