(C)Two-Way/トスランド/小学校/算数/第4学年〜第6学年/


点字と算数 第3時
 −オープン・ザ・ボックス(2)−
 

   1999.11.24実践

 

                                 広島県福山市立水呑小学校  教諭  粟村啓史


 「点字と算数」の第3時。
 まず、点字の数字の復習
をした。


(発問1) 点字の数字はどのように覚えるのだったですか。
 

 点字の数字は、「1234567890」に対して、「アイウルラエレリオロ」と覚える、ということを第1時に伝えていた。子ども達はきちんと覚えていた。その後、「アイウルラエレリオロ」の点の位置を確認し板書した。
 点字の数字を使って次のようなかけ算の問題を黒板に提示した。その後問題のプリントを配る。



 
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 ×
 
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= 

(指示1) 点字の数字を普通の数字に書き直して、筆算でかけ算を計算しなさい。出て      きた答えの数字を「アイウエオカキ」と並べなさい。
 


 上のかけ算は、「76×47」と「32×19」である。子ども達は筆算をし、「アイウエオカキ」が「3572608」であることを確認した。
 プリントには、次のように書いていた。


これが宝のありかだ
 

 

 
 


 
0                     9
あ め か え び の に な る よ
 




 
 

(発問2) このヒントは、どのように使ったらいいのですか。
 


 勘のいい子はすぐに分かったようである。
 ・0と9の間に1〜8を書いていって、答えの数字と同じ所のひらがなを読んでいく。
  「では始めなさい。」という前に、もう子ども達は始めていた。
 



 


 
 私が問う前から子ども達は、「えのなかにある、だ。」とささやいていた。「絵の中ってどの絵のこと?」と問う子もいた。第3の箱(木彫りのオルゴールの箱)のふたの部分にバラの絵が描いてある。子ども達はそれを見て、「ああ、やっぱり、その箱の中にあるんだ。」と言っていた。


(指示2) この箱の中に宝があります。でも、この箱のふたを開ける前に、もう一問あり      ます。 次の点字の数字を読んで筆算で計算しなさい。
 


 この問題は黒板に提示しただけだった。

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 みんなすぐに分かったようである。点字の数字は「100000−8173」である。筆算をし、答えを確認した。答えは「91827」である。


(発問3) この答えをどうすればいいと思いますか。
 


 と問う前から、前出のヒントに照らし合わせて読もうとしていた子がいた。早速全員に知らせ、ヒントに照らし合わせて読ませた。
 子ども達はすぐに分かったようである。「よめるかな」である。


(発問4) 「よめるかな」の次、読めたら次、先生はどう問うと思いますか。
 


 問い方が悪かったようで、反応は鈍かったのだが、しばらく引っ張ると、「書く。」と言った子がいた。そこで、
 


(指示3) 「よめるかな」の次は「かけるかな」です。答えの「91827」を点字で書いてご      覧なさい。
 


と指示した。プリントには、点字の「マス」を設けておいた。ザーッと見ていると、いきなり点字の数字から書き始めている子がいる。そこで、注意を促すために、


(発問5) 一番最初に書くのは何ですか。
 


と問うた。分かっていた子はすぐに「数符」と答えた。それを聞いて、間違って書いていた子はすぐに書き直し始めた。しばらく時間をおいて、


(指示4) 全部書けた人は起立。
 


と指示した。そして全員ができたのを確認して、


(指示5) 隣の人と比べてご覧なさい。隣の人と全部一緒だった二人組は座りなさい。      違っていたところは直してから座りなさい。
 


と指示した。全員座ったのを確認して、点字を板書した。
 その後、「皆さん、しばらく続けた点字と算数の勉強をよく頑張りました。では早速箱を開けましょう。」と言って、箱を開けた。
 ふたを開けるとオルゴールのメロディーが聞こえてくる。シーンとさせて、中に封筒が入っていることを告げる。「封筒は担任の先生に開けてもらいましょう。」と言って、封筒を担任に渡す。担任が封筒を開け、「オーッ!!」と言って、 「これはすごいぞ。」と言いながら、封筒の中味を子ども達に見せる。封筒の中には、「宿題なしの日プレゼント券」が入っていた。2学期中にクラスで1回だけ使える、という約束にしておく。これは、各担任と相談して、最後のオチをこれにしようと決めたのである。子ども達は大喜びであった。



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