深き虚空からの伝承



第二章の4


赤 ひたすらに 赤
黒 果てしなく 黒

赤き血潮 赤き炎
黒き想い 黒き影

表裏無く 融け 結ぶ

妖かしを用い たぶらかし
墜としめ 傷つけ 辱め

妖かしを創り もてあそび
惑わし 苦しめ 狂わせる

心無き支配 心奪う支配
涙を見ず 涙を感じず

それは

弱き力を 隠すため
か弱き心を 忘れるため

己が心取り戻し 真の力感じし時

彼女は

泣く

ただ ただ 泣く

そして

贖罪する

彼女の名は「ラン」。
指輪に心を奪われし、
幸薄き少女。


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