深き虚空からの伝承



第六章の2


闇にたゆたう 唇は
何を思いて 言葉を紡ぐ

父の遺言を胸に抱き
父の思いを胸に抱き

ただ 光を求める

父の望みし 宝を見つけ
父の願いを 伝えしも
彼の者 願いを良しとせず

力で律すは 易なれど
其は 父の遺志ならず

二律背反の 思い抱き
苦悩し 揺れる緑髪

力は正義か 力は悪か
魔は正義か 魔は悪か

二つの声の 狭間にて
何を思うか
人と魔の混じわりし 子よ

彼女の名は「ホーネット」。
父を思い、母を思い、
人を思う、魔人。


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